Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

Matariki 新しい一年の始まりに願いを込めた。

今日は、マタリキ Matariki。
 
マオリ文化で新年の始まりをお祝いする、NZの祝日です。
 
Matarikiは、プレイアデス星団、The Seven Sisters、昴(すばる)とも呼ばれ、
東の空にその年初めに観測できる日に、セレモニーが行われています。
 
家族や友人と集まって、先祖や今は亡き大切な人を偲び、
過去を振り返って感謝し、
今ここに在ることを感謝して祝い、
豊かで安心できる未来を思い描く。
 

 

調和して安心できる環境を願っているから、あえてこの話をしたいのです。
 
<だまされるほうだって、黙っちゃいない>
 
現在でもNZでは、移住ビザ労働ビザがらみで、
労働者あっせんや移住留学あっせん業者とのトラブルが起きていて、
時々ニュースで目にします。
 
 
ジョブオファーや移住手続きのために、
NZや母国の労働者・移住あっせん業者達に
3万ドル4万ドル以上という高額の費用を支払ったものの、
入国して職についたところで、すぐに解雇されてしまう。。。
という昔からよくある話。
 
今回のニュースでは、中国人労働者達は、自分達の名前も顔も公表して、
雇用主やエージェント名を公開して被害を訴えています。
(彼らの主張が正当であれば、誠実な雇用主が見つかることを願います)
 
過去にあった日本人移民による同様のトラブルも、
今の時代なら関係した業者名を堂々と公表できたんじゃないかな?
 
日本人間でも起きていたそうですが、NZでは未だに続いています。
 
 
 
 
上記のニュースにもあるように、政治家(政府機関)の画像を使って、
誤解を招く形でNZの就労ビザを宣伝するようなフェイク情報を、簡単に信じないようにしましょう。
 
それに、無認可業者だけじゃなく、認可業者であっても
トラブルが起きていることが、注意喚起されています。
 
***

 

日本人同士の間でも、

 

私はその被害者達への協力を、2019年から続けてきました。
今年になっても裁判前手続きは行われていましたし、
つい最近も被害者への対応をしていました。
 
今でも時々、憎しみがこみ上げて苦しむ人がいます。
 
だから私は、こうしてまた発信しています。
 
泣き寝入りするのが普通だった時代は終わり、
どんどん「表面化させる」時流になってきているのだなと、
最近の移民の意識の変化からも感じています。
***
 
<「守りたい大事なものが奪われる」
「騙される」って誰にでも起こり得る>
 
まだイーストウィンド詐欺に関する裁判が始まってもいないから、
はっきり吐露することはできないけれど、
大勢の被害者や関係者と接してきて感じてきたことや体験を、
今書けるだけ残しておきます。
 
(1) 騙す側の業者や個人が罪を犯しているなら、裁かれて罰せられる必要があるのに、過去には、様々な理由で違法性の証明や被害を訴えることでさえも困難なことで、泣き寝入りをするのが常でした。
 
(2)それらの違法行為を可能にしてしまう環境も改善されるべきです。そのための法整備や関係当局・組織団体の対応強化、コミュニティのモラルの欠如も問題視されるべきだと思います。協力するふりして、被害事実をもみ消していたコミュニティや親しい友人関係なども実際にあったことです。
 
(3)「被害者側」についても、騙されてしまった人々の経験から、学べることがたくさんあると思います。
→もう、これは口酸っぱくして言いたい。
英文契約書の内容の理解が不十分なままで、署名サインしてしまったり、
同国出身同士だから「信用しても大丈夫だろう」と、十分に確認しないで済ませてしまう、
などどということは、たとえ友人の仲介であっても絶対にやらないでください。
 
***
 
<うんざりするほど漂ってくる「信用・信頼」のウソ臭さ>
 
被害者協力をするようになってから、
イーストウィンド詐欺に関するものや、無関係だけど違法に無賃金・低賃金で労働させていたとか、
その他の疑わしいもの含め、膨大な情報が集まってきたことで、
それらの中で多用される「信用」と「信頼」という言葉の、
中身の無さ現実との違いに強く強く違和感を感じていました。
 
仮に自分だったらって考えると、
決して少額じゃないお金(財産)を動かすとか、
違う国に移住して生活していくことって、人生の中でも「重要さ」が非常に大きいと思うんです。
 
重要だからこそ、出来る限り精一杯の確認作業して守りながら進めていく。
 
これまで大勢の被害者さん達と接してきて感じたのは、
「それぞれの大事なもの」を守り抜こうとする熱量が、
「私自身の大事なもの」を守り抜きたい時に出してる熱量は、かなり違うんだなっていうことでした。
 
費用払ったからちゃんとやってくれるだろう、
有名だから、営業年数が長いから、学歴や社会的地位が高いから、
社会的権威のお墨付きがあるらしいし(本当はでっち上げでも)、
同じ日本人だから大丈夫、なんとかなるだろう。
 
それらの判断材料というのは、
本当に「自分自身で責任を持って、大事なことを守り抜きながら進めていく」ことから、
他人に委ねるほどの価値のある「信用と信頼」でしたか?
 
人とのつながり、と聞くたびに「しがらみ、じゃない?」って上書きしたくなってた。 
 
もちろん理解不足のままで、エージェントなどが話を進めるままに流されていくような、
まずかったミスもあるけれど、
気をつけてたのに、ふとした隙に入り込まれて相手のペースにはまることが多い。
 
もちろん、決して間違えてほしくないのですが、
犯罪であれば罪を問われ償われなければならないことが、大前提であることは言うまでもありません。
無資格で金融取引やそのアドバイスをすることも、無資格で移住ビザのアドバイスをすることも、
雇用主が労働者にジョブオファーを出して金銭を受け取ることも、
雇用主が労働者を最低賃金以下または無賃金で労働させることも、違法行為です。
 
それでも加害者側の糾弾と政治行政の責任の追及だけでは、
詐欺搾取はなかなか減らないと思うんです。
騙された側の経験や当事者関係者にも注目しないと。
 
 
<隠していた自分の後ろめたさが浮上して、ビビる人>
 
日常生活で日本人に会うことはほとんどないけど、
ここ数年間のうちには、珍しく接する機会がありました。
 
すると、明らかに私に怯えている人や、
この人ウトさんらしいと気づいて、すぐにでも離れて立ち去ろうとする人などがいました。
隠してるつもりでも、伝わってきます。
 
そういう人々の後ろめたさの理由をよく知っているので、
私が一体何をどこまで知っているのだろう?と心配しているのでしょう。
そうですね。「時間が経てば不都合な事実は忘れられるだろう」という保証はどこにもないのだから。
いくら避けたくても、いつかヒョッコリこんにちは、って出くわすかもしれない。
 
それぞれの人が隠していても消えない後ろめたい事実が、
何かのきっかけで、毒のように疼いてきたり回ってきたとしても、
元々が他人から不当に奪ったり黙認していたり、というような行いをした人達自身の問題です。
私がどうこうではなくて。私の向こうにいる人達と対峙したらどうでしょうか?
 
<自分のことでも他人ごと>
 
日本人移民を中心に長年放置されてきたイーストウィンド詐欺は、
一年半後に元社員の裁判が行われます。
元々が複雑で理解困難な事件なために、当局に捜査断念された過去があるので、
裁判を現実化するには、違法性を追求するための被害事例と証拠がなるべく多く必要でした。
 
それでも、被害を受けたと主張する元顧客達の中には、
「自分の生活があるから(司法措置を目指した)活動をする余裕ないです、できません。」
「とてもじゃないけど、ウトさんのようには動けないです。(だからこのままウトさんが動いてください お願いします)」という方々がよくいました。
 
被害にあった当事者であっても、
当事者でない他人に自分の問題を丸投げしてお任せができてしまう。
 
あの、私にも、同じように生活があるんですよね。ヒマだから時間を割いて、夜中や早朝も考えて話をしてるんじゃないんです。
 
自分の困りごとだけど、まるで他人ごと。
 
想像力の及ぶ範囲がそんなに広くないのかな?とため息つくことも、まあまあありました。
 
被害者、という一括りでも
いろんな人がいて様々です。
 
私は、イーストウィンド被害の協力しながら、
こういう事は日本人だけの問題じゃないとずっと認識していました。
言語や文化習慣に不慣れな人(移民)の隙を悪用されて起きることだから、他の国出身の移民達にも役立つような良い例になり得ることだと、少しでも循環するよう意識して動いていました。
 
一人ひとりの話に、自分の前側が向き合いながら、自分の後ろ側では大きなビジョンを視ているという感じでした。
 
最初のうちは、被害を訴えに行っても警察で門前払いをされるような扱いをされてて、それを繰り返しはげましながら諦めないように進めていました。
その後、警察から重大詐欺捜査局の捜査開始されたのも、報道にある通り大臣の指示によるものです。
そして前出の報道にあるような、中国人労働者が表に出て被害を訴えることができるというのは、世の中が変化してきていることの現れでもあります。
 
彼らの潔い姿は、同様に泣き寝入りせず公平な権利を求める人々にとって、良い感化となるでしょう。
 
どれだけ、他人事は当然他人事だけど、自分ごとも他人事にしてしまう人がいても。
 
他人事を自分ごとのように感じて建設的に動く人の力が、
できるだけフェアな世の中を作ろうとしています。
 
他人事なのに自分ごとのように、不必要にジャッジして破滅するまで攻撃する(過剰攻撃でやっと自己満足)こととは違います。
 
共有される他者の経験や学びから、知恵や対応力をつけていくことで、
自分や大事な人を守れる人がもっと増えていくことが、
不正をしにくい社会作ることと同等に大事なことだと思っています。
 
そうやってアップデートしていかないと、新しい詐欺は、次々起きていて。
 
この番組も勉強になります ↓↓↓ 
 
心理学者のNigel Lattaナイジェル・ラッタが「詐欺」について取り上げてます。
 
You've Been Scammed By Nigel Latta
 
***
 

最近でも度々、被害者さん達から怒りや憎しみだけではなく、
「日本には、人として幻滅するような人間が増えている」
「現在と未来の日本人のあり方を憂える」というようなどんよりした話を聞いています。
 
それから、ゆっくりマイペースのこのブログだけど、毎日アクセスがあります。
本当にありがとうございます。
 
その中には、もう苦しみや喪失感を忘れようとしているのに、
怒りや憎しみがこみ上げてきてしまっている人がいるのかもしれないです。
大勢が被害を受けても周りに言えないという人が大半でしたから。ほぼみんな、くらい。
何でもかんでも、自己責任といわんばかりの無理解な世間の風潮に、
前向きでいようと気を張っているような感じ。
 
それなのに、まだ怒りが込み上げてしまう自分がいても、
どうか責めないでほしいと思います。
 
それだけ大変なことが、
それぞれの人に起きたのだから。
 
悪意ある人でなしに、自分の日々や幸せをコントロールされる必要なんて
全く無いのにって、聞くたびに悔しくなります。
 

 
別の話からだと
「新しい世界に向かって、これからの時代を引っ張っていくのは日本人」
という頼もしい見方もあるそうです。
 
「日本人」と一括りにしても色々な人がいて、色んな話を暗い話も聞くんだけれど、
私はやっぱり、日本人だろうと、なに人だろうと、
人やモノの持つ優しさ美しさ喜び素晴らしさの方に、心が向いていきます。
 
Matariki が意味するように、
過去から学んで、今ここにあることに感謝をして、
家族や友人と心から信頼し合えて安心できる環境を創ることを、
現在も未来にも意図して生きていたいです。
 
そういう環境で私は生きたい。だからできることをやっています。
一目一目を編むように、紡ぐように、
種を蒔いて、苗を植えていく。
育っていくのを楽しみにしながら。
 
明るく輝く星に、導かれるように。