私にとっては、なんて素敵な奇跡。
夢みたいな幸せ気分は、じわじわと今もまだ続いてる。
3月の初めに、大大大好きなBuzzのバンド、
MELVINS と その仲間 Mr Bungle のライブに行ってきました。
NZでのライブは、オークランドの1日だけ。でもこの国をスルーしないで来てくれるだけでも本当にありがたい。
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昨年のある日。
息子の口から突然にスーパー吉報が、伝えられた。
「ママー Melvins、NZに来るってね!」
「??! マジかーーーー!!!」
息子は、私と同じく伝説のMELVINSのフロントマン、Buzz Osbourneの大ファン。
言ってる本人も、『信じられんがマジらしい喜び』が収まりきらずに漏れていた。
前から、いつか来たら行くよねと話してたけど、小国NZはスルーされてオーストラリアへ行ってしまうのはよくあることだから、希望とはいえ米粒大くらいだった。
だからもう、どれだけ嬉しかったことか!
というわけで、レジェンドに会いたい息子2人と私の3人で行くことに。
息子に聞かれてよくよく思い出すと、私の好きなライブに行くのは母親になるずっと前の30年ぶり(!)くらいかもしれない。昔はMetalバンドのにたくさん行ってたのだけど、本当に久しぶり。(日本は来日バンドに恵まれてて羨ましい)
子育てに熱中没頭してて、あっという間に30年が過ぎてしまうことにも驚き。
MELVINS と Mr Bungle は初めてだ。激しいライブに決まってるから、体力作りが間に合うのか心配だった。
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今回の会場の Auckland Town Hallでは、指定席とスタンディングがあって。
チケット取る時に悩みました。
スタンディングフロアは、ファン層からしてほぼ間違いなくモッシュピットになりそう。
元気な息子たちは、もちろんスタンディング希望。
ところが私の方が、久々のライブに突然めまいしたらどうしよう的不安がもたげてきてしまった。一応更年期の自覚はあるから。
で「ママは指定席でいいから、キミたち2人はスタンディングにしたらどうかな?」と提案してみました。
でも、息子たちは「3人一緒でないと意味がない」と指定席3つにしようとします。(あぁこんな大事な時に母さん思いしなくていいのに….。もどかしい。)
じれったいものの、別々でという案は受け入れられず、いつものオンラインサイトTicketmasterで、指定席3席のチケットを取ろうと試みました。
でも、なんでだかできなかった。何回やっても同じ。
よく見てみると「空席一つを残す座席の指定はできません」。
「えー?ファンなら1人だって行くに決まってるじゃん!」と思うけど、その他は嫌アングル席ばかり。
だから、もういいや! と思い切って、売り切れる前に3人一緒のスタンディングをゲットしたのでした。
それからは、地道に体力作り。倒れたらほんとうに嫌だから。
だというのに、こういう時に限ってコロナに初感染。
よりによって今!パンデミック開始から数年間一度もかかってこなかったのに。
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なんとか陰性にはなったものの、倦怠感がすっきりしないまま。
ライブが日に日に近づいているのに夢心地で現実味がなく。(現実のはずだが現実か?)
当日も食欲はなかったけど、とりあえず食べて。息子たちの方は、私と同じく興奮と緊張でソワソワしてたのにしっかりよく食べて準備万端。本当によく食べる。
そして3人で、夜8時開演のAuckland Town Hallへ向かいました。
開演前に息子たちは飲んでいたけど、私は全身全霊で楽しみたいから飲みません。
帰りに運転しないといけないし。
スタンディングフロアを歩き、ステージのそばに立って、セットの隅から隅まで子供のようにキラキラの輝きに見惚れていた。始まるんだわ、本当に。
モッシュピットになるだろうというのは、周りの熱気で察知。
昔日本では大女に分類されていた私だけど、周りのほとんどを占める男性たちは、
これまたケタ違いで山のように大きくて高い。
最前列付近にいると、
「純粋にバンドのパフォーマンスを楽しみたいファン」と
「激しくモッシュしたいファン(熱気に「狂」が混じってる)」がいるのが感じられました。
私は最前列から2、3列目あたりにいたのだけど、すぐ斜め後ろの方に後者集団が占めていました。
私の周囲には前者が囲んでいたので、運良くそのままsensible guysのそばにいることにしました(というか、もうすっぽりはまって動けなかった)。モッシュで押されたら、この人たちがきっと押し返してくれるだろうなあって思って。
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ワクワクワクワクしてたら、バズがステージに左側から入ってきた。
本物だ!本当に本物だ!目の前にいる、めっちゃ近い!
バズのギターと声は、自分の奥にあるマグマに直に届いてくるからが好き。
いつもは出てないけど、激しさは確かにあるって認めれば
やたらと吹き出さなくていい。穏やかに生きていくのに必要な激しさ。
ドラムのDale Croverは、脊柱の手術をして回復中なので、残念ながら今回は来れなかった。本当に残念。彼のねっとりドラムが好きなのに。
「メルヴィンズのデイル・クローバーの体調は、順調に回復しています!」
と、回復を一緒に願ってくださるとうれしいです。
はい、もう一回。
「メルヴィンズのデイル・クローバーの体調は、順調に回復しています!」
みなさん、どうもありがとうございます。
代わりに、以前Melvinsのツインドラマーの一人だったCoady Willis コーディ・ウィリスが。さすが、すごくパワフルでかっこ良かった!コーディありがとう。
曲目は、滅多に来れないNZファンに向けて選んでくれたんだなって思う。
BuzzとSteven のベースとCoadyのドラムだけなのに、すごいんだわ。
途切れることなく重厚な曲が続いていく。
Honey Bucketのころには、後ろの方で暴れるファンたちがもっと激しくなっていた。
息子たちとは、もうとっくにはぐれていた。
Night Goatから最後の曲Borisに続く。
Steven McDonald (Melvins)のベース に、
Trevor Dunn (Mr Bungle)も参加してダブルのベース共演に。
感激でしかない。
ずっと見つめていたBuzzも汗を滴らせていたけど、ファンたちも熱気がすごくて汗だくで、その場にいる私たち全員が一体となって幸せだった。
4月には新アルバム「Tarantula Heart」が出るから予約してるに決まってる :)
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次のMr Bungleが始まるまで30分ぐらい間があったから、篭っていたホールの音響調整に時間かかってたみたい。
Mr Bungleは、初NZライヴでもあってファンの熱気もすごい。
(Slayerファンも多かったかな)
なんせメンバーが、多才奇才のMike Patton(Vo), Trey Spruance (G), Trevor Dunn (B, Buzzと別のバンド仲間), そして元SlayerのDave Lombardo (Dr)と
極め付けに、AnthraxのScott Ian (G)!
昔よく聴いてた、あのAnthrax のですよ! まだ子供だったなあ。
スコットのギターもめちゃかっこいいのです。
Anthraxといえば、持ってたThe Not ManのTシャツ、どこいっちゃったんだろう?
Mr Bungleのステージは、とてつもなく凄い良かった。今これを書いてるのが夜中で眠くていい言葉が出てこないのがとってももどかしいけど、最高に大満足だった。
The Raging Wrath Of The Easter Bunny Demo - Mr. Bungle
カバー曲もあったけど、直近のアルバムThe Raging Wrath Of The Easter Bunny Demo からの曲が多かった。全曲一気に聴きながら作業すると非常にはかどるので、お気に入りだしおすすめです。
このアルバム曲は30年以上前のデモテープを再録音したもので、キャリアの長いこのバンドが作りたいように作れた作品だとひしひし感じてるので、それが盛りだくさんにステージに現れてた。
「型にはまろうとしない。はまらなくていい。」
このライブに来れたことに感謝。
このライヴレビューはこの夜の興奮と歓喜を良く表してくれてると思います。
ラインナップもここで。
私はずっと最前列から2列目3列目にいられたのだけど、最前列だと金属柵があって圧迫がすごかったみたいで、男性2人が途中脱落してしまっていた。
モッシュが激しくなって何度も後ろから押されていたけど、周りを囲む恵まれた体格の大きなsensible guysがいたので、やっぱり押し返してくれていた。私がしなくても。
それに、すこぶる体幹のしっかりした身体能力の高いお姉さんが「だいじょぶ?」と隣に来て、まるで杭のように押圧から守ってくれていた。
別のお姉さんは、ぶつかるたびに謝ってくるから「いいのよこういう所なんだから」と笑い合ったりして。ヘッドバンギングで後ろから頭突きされたのは一回だけだったし、いい人たちに囲まれてとってもありがたかった。
息子たちは、モッシュの渦にもまれてフロアのあちこちに流れてステージの反対側にも行けたらしい。トレバーとスコットの近くでも見られて大満足だったそうな。いいな〜
3人一緒とは言いつつ、それぞれが好きなように動き回って楽しんでいた。
わが家らしく。
コロナ感染後だったし、心配してたけど自分の体力が全然大丈夫だったことに安心した。
危険な場合もあるから気をつけないといけないけど、モッシュがあっても無事に会場が一体になって「発散」できて本当に良かった。
そして心底素晴らしい時間だったのは、いい人たちばっかりいたおかげ。
生きているのって、なんてこんなに素晴らしいんだろう、と大感激したライブでした。
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日曜日の夜だったし、夜中近くの帰りのバスにもし乗り遅れたら迎えに行くからと、夫が起きてくれていました。でも無事に乗れたから「ありがとう、もう寝てて」とテキスト送信。
レジェンドで憧れのBuzzを、初めて見れた私たち。しかもすごく近くで。
座席チケットが取れなくって逆に良かった、本当に。
(なんだか導いてもらっているのか、こういうことがうちにもよくある)
帰りの静かなバスの中で「BuzzはやっぱりBuzzだったね。」と長年大ファンの息子が噛みしめるように言いました。
「やたら偉大とか、期待外れとかじゃなくて、そのまんまだったよね。」
本当だね。すごくてパワフルでかっこよくて、私たちが大好きなまんまだったね、と満足感を一緒に味わっていました。また来てほしいよね。
もう1人の息子は寝てました、だいぶ人に揉まれて疲れたようで。笑
家に帰ると、観てた動画がちょうど終わった夫がまだ起きてた。
息子たちより、私が一番元気だねと笑っていました。
私の願う豊かさは、もうすでにあるのが、ありがたいです。