Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

現代の奴隷制と労働者搾取 ← 新法案のために私たち移民ができること。

突然ですが、ご自身や周辺でNZビザ更新や永住ビザ取得のために、
搾取されているような働き方をしている、または強いられている人はいませんか?

だいぶ紅葉がきれいな季節に。
5月からの入国規制の緩和によって、
これからニュージーランドに入国する人が増えることから、
とても大事なことなので、日本語で発信しておきます。
 

 

***
 
ニュージーランド政府は、現代の奴隷制と労働者搾取・強制労働・人身売買・奴隷制に対する
さまざまな新たな法律の制定プロセスを進めています。
 
そこで先日、私がボランティアメンバーをしている
NZ Labour Party 労働党(現政権政党)の
多文化メンバーとしての党員集会があったので、参加してきました。
 
<現代の奴隷制と労働者搾取に対する新たな法律の制定>
 
NZ Labour Party 労働党の党員集会では、
Education and Workforce委員会から、
委員長のMarja Lubeck マーヤ・ルーベック国会議員と、
委員の Ibrahim Omer イブラヒム・オマー国会議員が講演しました。
 
マーヤは、インドネシア系のオランダ出身。選挙区が比較的近いエリアで草の根なので、何度かお会いしてておなじみ。
 
イブラヒムは、またこれがすごい人で。
アフリカのエリトリアからの難民で、国連難民キャンプで通訳をしていたことでスパイ容疑をかけられ、拘束されましたが救出されてNZに来ました。
その後、最低賃金の清掃員として働きながら大学を卒業して、その後もさまざまなコミュニティ活性化のために尽力を惜しまない活動が表彰されたり。「現代の奴隷制と労働者搾取」についての現実を、実体験から話せる重要な人物です。
 
またこの集会では、Workplace Relations and Safety大臣の
Michael Wood マイケル・ウッド大臣が、説明したり質疑応答してくれました。
 
ニュージーランド政府は、現代の奴隷制と労働者搾取・強制労働・人身売買・奴隷制に対するさまざまな立法措置案について、一般からの意見を募集しています。
 
 
これは現時点では、ニュージーランド内で現代奴隷制の対象となっている人々の
全容を反映しているとは考えにくいためです。
 
締め切りは、2022年6月7日午後5時。
あと1ヶ月ほど。
 
方法は2つあります。
 
●1●簡単なアンケートに回答
 
提案の概要を読み、簡単なアンケート(およそ20分)に答えるもので、匿名でも可能です。
 
●2●詳細な意見書の提出
 
協議書には、選択肢や提案に関する質問があちこちに掲載されています。
 
提出フォーマットはダウンロードすることができますが、
そのテンプレートが使用できない場合は、
空白のドキュメントを作成して書き込んでください。
その場合は、どの質問番号に回答するのか明記することをお忘れなく。
 
すべての質問に回答する必要はありません。
質問以外であっても、関連すると思われる問題について、さらにコメントを書くこともできます。
また匿名での投稿や、連絡先を記入しないことも可能です。
 
メール送信先は、 modernslavery@mbie.govt.nz
 
または、こちらに郵送できます。↓↓↓
 
International Labour Policy 
Workplace Relations and Safety Policy 
Ministry of Business, Innovation & Employment 
PO Box 1473 
Wellington 6140 
 
*****
 
<現代の奴隷制>
現代の奴隷制には、
国内外での強制労働、人身売買、性的搾取、債務束縛などが含まれます。
 
ニュージーランドの平均的家庭は、このような現代奴隷制に関与している製品に
平均週34ドルを費やしているとのことです。
 
 
 
<労働者搾取>
労働者搾取は、ニュージーランドにおける雇用基準法違反に関連しています。
 
ワークビザやワーキングホリデイビザ(ワーホリ)の方は、
ニュージーランドで働く前に、しっかり読んでおいてくださいね。
 
NZの労働基準と雇用主の義務の概要一部、  日本語版はこちら。
 
報告書「Temporary Migrant Worker Exploitation in New Zealand」によると、3000人もの移民が、ニュージーランドで現代奴隷の状態で
労働搾取されている可能性があるとのことです。
 
 
次のいずれかが該当すると、
労働搾取の被害者である可能性があります。

 

  • 雇用主が、労働者に対していじめまたは脅迫をする。
  • 労働者のパスポートやお金を、別の人物が保持している。
  • ドアや窓がロックされていて、仕事場を離れることができない。
  • 食事、睡眠、トイレ利用に許可を取る必要がある。
  • 仕事を休むことができない。
  • 給与が少なすぎる、または全く支払われない。
  • 借金の返済のために、雇用主から働くよう強制される。
  • 雇用主が、協力しないとあなたや家族に危害を加えると脅している。
 
こちらで確認してくださいね。
 
 
自分や知り合いが、労働搾取に遭っているかもしれないと思ったら、オンラインで通報ができます。
 
***
 
2020年にはサモア人雇用主が、移民労働者たちへの人身売買10件の罪と奴隷売買の13件の罪で、11年の禁固刑を言い渡されました。彼は文化的に尊敬される地位を利用して、暴力と国外追放で被害者を脅し、通報したり退職するのを阻止していました。労働者たちを、自己利益のために搾取していました。
移民の出身国によっては、文化や宗教上のしきたりが強いために、簡単に束縛されやすい状況に陥りやすくなってしまいます。
 
このような犯罪は、母国語環境やコミュニティの隠された環境で起きることが多く、ビザ取り消し(国外退去)を恐れて弱い立場の人々が助けを求めたり被害を通報すること自体を困難にしてしまいます。
 
「当事者に声をあげてもらう、通報してもらう」ことが、いかにとてつもなく大変なことかを、痛いほど身に沁みて実感しています。
 
現代の日本人は、サモアなどの出身者と違って文化や宗教の強いしきたりがないのだから、本来なら、労働者搾取の沼に陥らなくていいはず。
 
NZに入国するために、親戚中から借金をしてまでも働きにやってくる人の中には、
強制送還されたら自分の臓器を売らないといけないほどの切迫した状況の人がいます。
ビザを取り消されないように、性的搾取されている人もいるそうです。
 
現代の日本人は、それほどまで強い束縛はないだろうから、
そこまで苦境に陥らなくてもいいはずだと思うのです。
 
だけど、実際は日本人移民コミュニティでも起きているのだそうです。
 
コミュニティで周知の日本人経営の会社から、
ワーホリやガーディアンビザの人に
「3万ドルでワークビザやその他のビザを取らせてあげますよ」などと
ジョブオファーを買うように言われたら、絶対乗らないでくださいね(犯罪だから)。
そしてそういうのはとても組織的。
 
NZで名前が知られてるとか長年やってるとか、そういうのは信用できる基準じゃないですから。
「オークランドの海に沈む」となどと脅し、操り人形のような人生を送ることになってしまうのだそうです。
 
<実際にあった例>
ジョブオファーの費用と、後で雇用主から自分に入金される給与もひっくるめて要求されて、雇用主に払う。
後で、雇用主の会社銀行口座から、あたかも正規の「給与支払い」のように自分の口座に金額が振り込まれる。(もともと自分が払ったお金なのに!)
その記録がビザ申請に移民局に提出される、ということが起きていた(る?)のだそうです。
 
それでビザの許可が下りなかったら、主申請者の責任でニュージーランドサヨウナラ。
 
***
ビザ更新や取得のために、雇用主の言いなりになっているうちに、
気づかぬまま OR 薄々感づいていながら
自分も「違法行為に加担している状態」になってしまう。
事実を表沙汰にして起きること(失職して生活困窮・国外退去)への「強い恐れ」で、「搾取されているから助けて」と言いづらい。
 
この日の集会で多く出た言葉です。
搾取されている移民の持つ、「強い恐れ
 
 
私にとって「移民搾取 Migrant Exploitation」は関心が高い問題なので、以前から何度か取り上げています。
 
たとえばこことか。
 
その後また見てみると、政府サイトには日本語版が出ていました。
 
ということは、
残念だけど日本人にも起きてるケースがあって、声が上げられているということです。
(翻訳文と英語原文と比べて意味に違いがあったら、英語原文のほうを参照してください。)
 
日本語版にもあるように
  • 仕事を得るために手数料を支払わなければならない
 
これは上の実例(ジョブオファー売ります「3万ドルでワークビザやその他のビザを取らせてあげますよ」)に該当する「労働者の搾取」ですよね。
 
  • 仕事に対する報酬が少なすぎる、または全くない
 
これもよく聞きます。
ビザのために、無報酬で働かせていた日本人経営の飲食店の名も聞きますよね。
今はまるで優良店のように経営し、チェーン店出してるようなとこでも。
 
それがたとえ昔のことであっても、元従業員は報告したらどうですか???
 
オンラインで通報ができます。
 
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<自分の公的情報をOIAで調べる手段もある>
 
移民コミュニティの中で、移住エージェントや移民弁護士や翻訳者が、
移民労働者や留学生、移住希望者に、手続きを繰り返させて料金を支払わせ続けるために、
不利になるように仕向けて、延々とビザ取得に挑戦させ続ける。
というのも、よくあることです。それを依頼者に隠して
 
NZで生活していて、何年も居住ビザ取得のチャレンジしているのにできていない人は、
政府機関や大臣が保有する自分の情報をOIA(The Official Information Act 1982)
開示請求することで、
移住エージェントや弁護士が自分のケースを正しく取り扱ってきたのか?
落ち度はなかったのか?
自分で調べてみることができます。
OIA(The Official Information Act 1982)
過去に実際あったケースでは、
OIAを調べてみたら、移住エージェントや弁護士が自分に無断でビザ申請を取り下げていたり、移住エージェントと日本人経営者がグルになって、移住希望者に不利になる判断を移民局から受けていたことを、弁護士に隠蔽されていたことなどから、永住の可能性が非常に低くなっていたことが判明。長年の移住希望をあきらめて、帰国せざるを得ない人々がいました。
 
たとえば、10年近く移住エージェントに頼って言う通りに従って、永住ビザ取得チャレンジを続けていても許可が出ず、
子供たちは成人してしまい、働くことも大学進学することもできないなんていう人もいますよね。(調理師ケースでけっこうあるそうで)
言いなりになっているのをやめて、「移民局が悪い」の常套句を鵜呑みにしないで、
自分たちで調査してみたらどうでしょうか?
 
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私が移民であっても、政治政党のNZ Labour 労働党メンバーになったのは、
ニュージーランドのさまざまな問題の改善には、システムから変える必要がある。
つまり、法制度の整備が必要だと感じたからです。
そのために自分の考えと一番近いのが、NZ Labour 労働党です。
だから、全部が全部政党の言う通りとか同意見じゃなくていいのです。
 
一般的移民であっても、立法から意見を届けられるし、メンバーでいることで学ぶ機会が断然増えます。
 
メディアの選んだ報道を、鵜呑みにすることもない。
 
たとえば、現在私たちのグループでは政府に対し、
地球温暖化への取り組みとそれに関するアニマルウェルフェアへの問題提起をしているところです。政府に、もっと取り組んでほしいと要望を出すのです。
 
でも「現代の奴隷制と労働者搾取」の新法案は、特に私たち日本人移民にも関係があるので、ここでお知らせしておこうと思いました。
 
6月7日まで公開されている政府の立法案は、
NZ企業の事業やサプライチェーンに対して
広範囲に現代奴隷制および労働者搾取の責務と罰則を新たに設けるものです。
 
興味ある方は、長いけど、リンク先をよく読んでみてください。
短い意見でも、詳細な意見書でもOK。
 
 
せっかく立法に盛り込まれるチャンスなので
ぜひ、労働者搾取について意見が(少しでも)出せる人は、
6月7日の午後5時までに提出してくださいね。
 
 
これってNZ在住の日本人移民が、
新しく入ってくる移民や、今大変な移民のために、
できることの一つだと思います。
 
それって、過剰な便利さで手取り足取りサポートして、
自活自立できなくなるほど骨抜きにしていくより、
ずっと親切な循環を生むと思う。
 
フェアな環境に変えていくための、真の意味での思いやりじゃないかな。
 
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花が咲くのが楽しみなラナンキュラス。もうじき球根植えなくちゃ。
特に、これからNZに入国する人が増えてくるでしょう。
 
時々、ワーホリさんとかで、せっかくNZに来たのに、
ずっとNZの日本人ばかりを転々と頼り続ける人を見かけて、
何のためにわざわざ来たのかな?もったいないなあって思います。
日本人雇用主に都合よく変えられた雇用契約書(ワーカー側に不利)でも働いてしまってる。
 
新天地で、自分の何かが開花するのを期待して、NZに来る人もいるかもしれませんね。
でも開花する人って「花咲く種」を元々持ってますよね。自分の中に。
 
種を持ってない人が、「何か」を自分の外(環境)に
探し求め続けていることがよくあるなあ、って
育てることが好きな私は感じています。
 
 
これからNZで仕事する日本の人は、どうか奴隷状態に陥らないで。
 
今働いてる人も、搾取される労働者にならないで、本当に。
 
前もって、自分の権利を知っておいてください。
 
どうか罠に引っかかる前に、この日本語での発信が、なんとかして誰かに届きますように。
 
心から願っています。
 
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さっき、ありがとうのお知らせが届いた。
 
この前献血した私の血が、今日どなたかに輸血されたそうな。
 
わーい やった〜 良かった〜!:)
 
5月5日。ゾロ目の日に縁起がいいなあ:)