Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

突然のお別れ。もうキミはそこにいなくて。

はあ、しんどいな。
 
ものすごいしんどい。やだなあ、もう。
 
お迎えした時から恐れていた時が、きてしまった。こんなに早く。
 

 

 
しんどいことは、溜めないで言葉にして出したほうがいいよ、と息子が言うので書いていく。
 
 
先日、私の過多月経がガンのせいじゃなかったということがわかって、思いっきり安堵してるのも束の間に
犬くんの体調に変化がでてきていた。
 
元々食が細いけど、急に吐いて、あばら骨がわかるくらいまでに痩せていった。
黄疸もあった。
 
血液検査を受けると、肝臓かその周辺の内臓が悪くなっていて。
獣医が感染症を疑って抗生物質を飲ませるものの、再検査の数値がもっと悪くなっていた。
 
さらに専門病院での超音波検査では、ガンなども見つからなくて、ステロイドと肝臓の薬を飲み始めた。
 
なのに、ここ2、3日は、あれだけ大好きな散歩も行きたがらなくなった。吐いてしまうからごはんも食べなくて。トロトロにしたら飲み込んでくれた。
 

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いつもそうやって、そこに一緒にいたよね。
それでその日は朝からトロトロごはんを作っていた。
犬くんは家の中や庭も歩き回ったり、いつものように家の外をチェックしてて
前日よりは少し良くなってきてるみたいだった。
 
でも夜になると、急に容態が悪くなっていった。
20分くらいで、ぐったり頭も上げられなくなってしまった。
時間外だったから救急の動物病院にみんなで連れていく。
たった10分15分の車の中。体をさすって呼びかけ続ける。
 
早く、早く着いて。
やっと到着したけど、彼の頭を支えながら、呼吸が戻ってきてないのを感じていた。
 
すぐに犬くんが病院内に運び込まれた。ただ、私たちはコロナ規制で病院内には入れない。
 
 
現実感がなくて、なんとかしてくれるんじゃないかと思って待っていた。
 
けど、もうだめだった。もう呼吸も脈拍も止まっていることが確認された。
 

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そうやってみんなを見ていたね
 
しばらくして、獣医と話し
冷たくなった犬くんを、病院の外の車ブースに連れてきてくれて。
家族みんなで、さよならをする時間を持てた。
 
可愛いおりこうさんを抱きしめたりなでるのが、家族みんな大好きだったのに
こんなに急に数時間で、最後の時がきてしまうなんて。
 
起きてきそうなのに。呼んでも起きない。
 
他の動物患者を待つ家族がいたけれど、私たちは号泣と嗚咽を抑えられなかった。
 
痛みで長く苦しむよりこのほうが苦しまなかったよ、と獣医が言う。
 
 
確かにその通りで、わかってるんだけど。早すぎる。
 
夫と同じ誕生日の犬くんは、7歳になったばっかりだった。
 
埋葬するなら家に連れて帰れるそうだけど、火葬にすることにしたので
それでもいったん連れて帰ったらどうなるか、を獣医に聞いてみた。
 
言われることはわかってたけど、もうさよならなんてやだ。確認して納得したかった。
 
でも中大型犬なので、体液がかなり出るだろうからそのまま安置しておいたほうがいいと言われて、そうするしかなかった。
 
 
犬くんは、牧場で働くワーキングドッグの、ブルーマールのボーダーコリーとダルメシアンの子で、散歩とボール追いかけるのが大好きだった。

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こんなにボールあるのに、カミカミする噛み主いなくなっちゃった。
その容姿から散歩してるとよくほめられたり、車のクラクション鳴らしてほめられたり。
小さい頃は、お店の外やフェンス内の庭からも、ドッグファイトのおとりBait用に誘拐されないように
気をつけるようにいろんな人が注意してくれていた。(そんなひどいことをする人がいるんだよ!!)
 
犬くんは、2歳の時に襲われてから他の犬と仲良くするのが嫌になったけど
怖がりでツンデレで、家族のことが大好きで、大事な家族の一員だった。
みんながちゃんと帰宅するまで、ちゃんと待ってる優しい子だった。
 
近所で2匹の犬に襲われて噛まれてから免疫介在性関節炎になってしまった。それからは時々悪くなるから度々通院をしていた。後脚の切断危機もあったけど乗り越えてきた。自己免疫疾患があったから、今回は肝臓を攻撃してしまっていたのかもしれなかったけど、原因はよくわからないままだった。
 
子犬だった頃。家に迎える前には、いろんな人から旅行に行けないとか、結局お母さんに世話の負担がかかるとか大変さを聞いてきたけれど「犬のいる人生を知らないのはやだな」と思って決断した。確かに毎日のお世話がある。
 
だけど、犬くんが家族になって本当によかった。
 
犬っていいよ。人間じゃないってとこが。
 
人間じゃない家族がいてくれて、なんて生活が豊かになったことか。
 
思春期の子供たちの成長にも、必要不可欠な存在になっていた。彼のおかげだったことがいっぱいある。
 
学校から帰ってきてから、よく長いこと庭で過ごしてたね。
 
ただいてくれるだけでよかった。
 
 
わが家は内外のあちこちが犬仕様になっている。
リビングには一緒に寝ころぶベッドもある。
いつもそこにいてみんなを見ていたのに、今はもういない。
においだけがまだあって、消えないでと思う。私たちは片づける気になれない。
 
私のスケジュールは天気予報をチェックして、犬くんとの散歩をまず組み込んでから他のを入れる。
ママとだと毎日違う道や新しい小道を探して歩くから、2時間かかるのが普通だった。
犬くんと一緒だから2時間も歩いてた。これからどうしよう。
防水靴でザックザック歩いていくようなところも草ボーボーのところも、もうママだけでは行きたくないよ。
 
日本人に囲まれてない異国に住んでるのは、日本語で犬くんに口ずさむ歌を歌うためなんじゃないかとさえ思ってた。
他の日本人が聞いたらまぬけでも、私の愛のこもったヘンテコな「犬くん可愛いの歌」は年がら年中口から出てくる。止まらなかった。愛おしさやほめ言葉は、言っても言っても言い足りなかった。
 
あんなに口ずさんでたのに、今は頭がジンジンして出てこない。気力がない。
 
犬を見送った人の9割がペットロスを経験するらしい。そりゃそうだよ。
 
家族みんなそれぞれが、この寂しさ悲しさ喪失感をどうしたらいいんだろうと思いあぐねている。
 
あの手触り、におい、ぽっかり開いた時間も空間も心も。
 
 
悲しみすぎてたら、犬くんが心配する。
 
でも、いつか本当に落ち着く時が来るんだろうか?  しんどい。
 
 
いつも目線の先に犬くんがいて、目で追うのが家族みんなの習慣だった。
見ていたいキミがいないのはつらいよ。
 
「たくさん撮った写真の中から、いいやつを飾ろう。」夫と息子が言う。
 
犬くんは家族一緒にいるのが大好きだったから、遺骨はリビングのみんなが見えるとこに置くつもり。
 
父ちゃんの遺骨と一緒に仲良く。
 
 
これからも犬くんの魂は、私たちと一緒にいると思う。
 
 
きっといてくれるはず。
 

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ずっと一緒だよ