前回、聴覚情報処理障害、
APD
(Auditory Processing Disorder、またはCAPD, Central Auditory Processing Disorder ) の
ことを書いた時は、
日常生活に特に困らないほど、息子の症状は改善しているので
もうそろそろ、このことは伝えなくていいかな?と思っていたのですが。
ちょっと気づいたことがあったので、シェアしますね。
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先日片付けをしていたら、彼が小学生のころに書いた
「母の日のカード」が見つかったんです。
だいぶ前、NZに移住して少し経ったころでしょうか。
涙もろいお母さんは、彼の成長を感じて、ウルっときます。。。
これは、日本の小学校からNZの小学校に移って、英語を習い始めたころで
ていねいに書けていると思うんですよね。
で。最近の彼はというと。
けっこう雑で、読みづらい字を書くんです。
彼の名誉のために、写真は載せませんけどもね。
「ママちょっと読みづらいから、わかりやすいように書いてみてくれる?」って言ってみても
あまり変わらず、読みやすいとは言えない字。
だから懐かしのカードを見つけて
忘れてたけど(笑)昔から汚い字っていうわけじゃなかったんだな、って思って。
字の癖は、短期間では変わらないのかな?
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APDのトレーニングでは、2つの専門家サポートを受けました。
それで、その両方のチェックリストにこういう項目があったんです。
「汚い字を書きますか?」
APDって、気づきにくい場合が多いんだそうです。
ちゃんと聴こえていないからなのに、
注意散漫と勘違いされて「ADHD」と誤診されやすいそうなのです。
息子の時も、高校生の時のひどい中耳炎の治療中で、
聞こえが悪い時期が3年半続いたのですが
治療を続けてくれた耳鼻科の医師も、気づかなかったくらいなんです
(でも評判の良い先生)。
わが家では、いろんな運のいい出来事が重なって、たまたまいい方向に向かったけれど
今もし気なっている人が大人でも子供でも、
早く分かるなら判った方が対策を取れていいと思うんです。
息子の第一言語は英語ですが、日本語だとさらにAPDって判りづらいそうです。
なので、「書き文字」にも注目してみてください。
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息子の専門家によるトレーニングは終わりましたが、
2つの専門家機関とはいい関係が続いていて
時々今でも「最近どんな感じ?」ってメールをもらいます。
症状だけではなくメンタル面や社会的環境についても。
毎回参考になると言ってくれるので、気づいたことを正直に話しています。
というのも、自分の子さえ良ければいいとは決して思わないので
家族や学校、仕事場や友人たちとか周りの環境が、協力的だったら
APDに限らず、何らかのトレーニングが必要な人たちが
「前向きに」取り組めるんじゃないかな?
と思って、以前
息子だけじゃなく他の生徒も同じようにトレーニングできるように
学校・専門家・家族、そして本人の協力的なプログラムを作ったのでした。
専門家達とのやり取りでは
検査で全てを明らかにすることが、いい場合もあるし、
自尊心を傷つけることもあって(生活環境が協力的じゃなかったりして)
難しいこともあるよねって。
でも知れば、トレーニングして困る症状や
いろんなツールを工夫して使って、苦手意識を減らしたりできますよね。
あきらめずに向き合えば
別の可能性が、開いたりして。