昨年書いてて、すっかり途中になってた私記の続きです。
わが家では、息子が高校生活後半に
「聴覚情報処理障害、APD(Auditory Processing Disorder、またはCAPD, Central Auditory Processing Disorder )」の診断を受けたのですが
本人と一緒に奮闘しているうちに、母親の私の方が特別支援教育の先生や専門家との交流が広がっていきました。
私自身は専門家ではないのですが、その交流からいろいろ学んだことや、親として考えさせられたことを、ニュージーランドNZでの教育と子育てのある一面として綴っています。
<さらっと、前回のおさらい>
NZの公立学校では、インクルーシブ教育(障害を持つ子どもを通常の学級で支援する)で、
多くの場合、発達障害の傾向が見受けられる生徒も、定型発達の生徒達と一緒のクラスで学んでいきます。
教育現場の先生達は、医学的な診断はできませんが
特別支援の必要な生徒の行動を観察しながら、経験上当てはまる特性を元に
生徒に必要なサポートをしていきます。
先生達の経験上、生徒が持っている可能性があると思われる特性は、主に、
●自閉症スペクトラム障害(ASD, Autism Spectrum Disorder)や
●注意欠陥・多動性障害(ADHD, Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)多動性(過活動)や衝動性、不注意などの症状
●学習障害(LD, Learning Disability)(読解 ディスレクシア・算数 ディスカルキュリア・書き取り ディスグラフィア)
他にも、
●発達性協調運動障害(DCD, Developmental Coordination Disorder)
●聴覚情報処理障害 (APD, Auditory Processing Disorder)
●視覚情報処理障害(VPD, Visual Processing Disorder)
など。これら以外にも、いろんな特性がありますよね。
いくつも合わせ持っている人は、少なくないし、
家族や親戚の中にも同様の特性があることもよくあることなのだそうです。
***
発達障害の可能性がある子どもの家族から話を聞いていると、
保育園や幼稚園(Kindy)のころに、
集団生活上などでの困りごとを先生から指摘されることが多いようです。
それから小学校(5歳の誕生日から)に入って、
ESOLという、英語を第二ヶ国語とする生徒向けの英語力強化クラスで学びながら
1、2年みんなと一緒に勉強しても
「読み書き」「算数」の学力レベルが、学齢相当の基準かなり達していない
AND/ OR
クラスメートや先生とのコミュニケーションがうまくできなかったり
クラスでの集団活動に参加できない
というような場合に、小学校(担任)が先生が
その子どもの発達に合った学びの指導をするために
行動療法と教育指導専門家の介入を教育省に要請します。
専門家は、子どもの学力測定や学校での生活行動を観察査定して、
特別支援の必要があると判断されると、
観察記録やさまざまなテスト、子どもと保護者へのインタビューを元に
子どもの発達状態や認知の特徴に合った
「特別支援教育共同プラン」を提案します。
この「特別支援教育共同プラン」は
担任教師、ESOL教師、保護者と専門家の話し合いの上で、
読み書きを重視した基礎学力を身につけて
社会生活ができるようになるためのもので
●担任や教科担当の先生。(英語が第二言語の場合はESOLの先生も)
●子ども本人。
●子どもの保護者と家族
三者が協力して、プランの実践が始まります。
強調しておきたいのは、これらのサポートは
保護者と子どもがただ単に
消極的に、先生の言うことに従っていればいい、
というのではありません。
前回のおさらいは、ここまで。
行動療法と教育指導専門家の作成した「特別支援教育共同プラン」は、
多くの場合
担任教師、ESOL教師、保護者と子供当人と専門家が協力し合いながら
子どものできること得意なことを伸ばして、苦手なことや
イヤだと思う気持ちを表現しているサイン(表情やしぐさなど)を見つけたり
イヤだと思う気持ちを、言葉にして伝えられるように練習していきます。
その子が、自分の感情を言葉にして、
周りの人に伝えられるようになるように。
そのため、先生と専門家は、
まず耳で聴いた言葉を「話し言葉」にして、
それから「書き言葉」にもできるように、
というトレーニングのプロセスを、ものすごく大切にしているんだな、というのを感じました。
言葉で表現するために、聴覚情報処理能力が十分かあるかどうかも、
専門医療機関でテストを受けて、確認されます。
このテストを受けるには、 親・保護者の同意が必要です。
●Auditory Processing:聴覚情報処理能力 (Hearing loss 難聴ではない)
耳から音情報が入る → 脳で情報処理 → 『理解』 → 言葉で表現(①話す②書く) → 『自己表現』
●Cognitive skills:認知能力
「健常児に近づけること」というよりも、
「日常生活を送りやすくするための『その子のオリジナル』な方法」を、自ら身につけていくことを重要視しています。
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うちの息子もこのテストを専門機関で受けたのですが、
NZで聴覚情報処理能力 Auditory Processing を調べるためには、
その前にAudiology とか Audiologist で調べてもらって、
聴こえづらい原因が「耳の機能に問題があるからではない」ことを確認してもらう必要があります。
「耳には問題がなのに、本人はまだ聴こえにくいと感じている」
→ 脳の聴覚情報処理に問題があるかも? となるのですね。
*
前出の記事内の日本の児童青年期精神医学専門の医師も、最悪の対応は「放置」と言っていました。
そして、私がおつき合いさせていただいてるNZの専門家達も、よく同じように言っています。
最悪の対応は「放置」だと。
得意・不得意の特性と、生活する周囲の人々との関わりがうまく噛み合わなくて、
社会生活していくうえで、さまざまな困りごとを抱えてしまう。
長い間、生きづらさを抱えていったら、自分の良さがわからなくなって
自分が好きになれなくなってしまう。
それを早いうちから防ぐために、先生達が一生懸命なのをそばで見て感じていました。
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インクルーシブ教育のNZの公立学校で、特別なサポート受けながら
英語で教育を受けるには、クラスで集団生活ができるのがいいのですが、
移民の子供の中には、NZで生まれ育っても
学校以外は親の母国コミュニティ(たとえば日本人移民コミュニティ)の中で大半の時間を過ごしていたりして、学校でも同国出身かアジア人としか交流ができないということがあります。
それは、10年20年とNZで暮らしていても日本人移民コミュニティにしか居場所がない、という親は珍しくないためで、親達自身が、子どもが生まれてから、地元のNZ人達と楽しく過ごす様子を「日常的に」子どもに見せていないからです。
日常的に見てないし体感していないことを「自然にできる」と
子どもにだけ大きな期待をしても、全員ができるものでしょうか?
親自身ができてないのに?
「子どもには、国際的に育ってほしい」という親自身が、ちっとも国際的じゃないのです。
海外在住なのに、閉ざされた環境を作ってほとんどその中で暮らしている人達が少なくない。
海外在住=国際的でかっこいい、なんて幻想。 っていういう事実がいっぱいあります。
逆に日本で在日外国人の友達たくさん作ったほうが、もっと国際的だったりする。
こういうことは、日本人移民コミュニティだけじゃなく他のアジア人移民コミュニティにも起きているので、嫌悪感を生むことがあります。
それでも現場の教育専門家達は、公的な義務教育内で「子供をサポートする」のが仕事なので、NZ人であろうと移民であろうと、同じように
親にも「自分達の子供をサポートできる十分なレベル」を求めます。
でも、実際は
10年20年とNZにいても日本人移民コミュニティにしか居場所がなくて、
アジア人以外と日常的に親しく交流することができない親が、少なからずいるわけですよね。
そのことを知ると教育専門家達は、とてつもなく驚愕!!!!
で理由を聞かれてしまうから、苦笑しつつ残念な現実の説明をせざるを得ません。
さらには、子どもをサポートする側の親や家族の中にも、
発達障害またはグレーゾーンかもしれない人がいることがあるというのは、
ちっとも珍しくありません。
だから、子どもにサポート必要だけど、
親にもサポートが必要ですよね! と強く思うことが何度もありました。
学校が「子どもをサポートしていくための十分なレベルの親」を求めるのはわかるけれども、「サポートする側の親に対してもサポートが必要」だということを、伝えずにはいられないのです。
だけど、国の税金が資金となって運営される特別教育支援機関にとっては、
「子どもの教育と成長の支援」は「子どもに対して」であるので
親への最小限の支援以外は「管轄外」なのです。 そこまではできない。
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NZの学校では、移民の子はESOLクラスで英語力を強化する教育を受けられるし、他国と比べたら教育環境が手厚いほうなのかもしれません。
それでも、十分にできているとは言えません。
そして、「自分達の子供をサポートを十分にできない親」への『サポート』ができる資金的余裕が、公的な教育機関にはありません。
だから、上記の支援体制の図にある「子ども」「学校」「家庭」の3つで、
「学校」の支援が、決められた範囲(紫の円)を超えることは、ほとんどありません。
超えるほど支援をしてくれているとしたら、
それは先生チーム側が「無償」でしてくれているのです。
でも、この「無償の支援」をやり過ぎてしまうと、親・家庭がそれに依存して、
子どもにするべきサポートをしないという危険性があることも、先生達は知っています。
次回に続きます。
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