Bittersweet in NZ

ウトです。もっとみんなが暮らしやすい国づくりに参加したくて、NZ労働党メンバー・多文化メンバーをしている普通のお母さんです。*政治を考える=生活基盤をつくること*NZの大学で英語講師をするイギリス人夫を支えながら思うこと * 後半期に入ったNZでの3人の子育て*元日本人雇用主の永住権取得と同時に不当解雇されて闘ったこと*子供の聴覚情報処理障害(APD)の改善チャレンジなど、個人的意見と体験を書いています。(the) MelvinsとSleepとHigh on Fireを聴きながら。

「風化」と「教訓」と、Helen Kellyの生き方と。

とてつもない大惨事や、つらく重苦しい問題が起きると
繰り返さないように、
今後起きないように、
「教訓にしよう。」ってよく言いますよね。
 
「過去のひどい出来事を、教訓にする。」
 
どうやって?
 

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*****
 
 
ここニュージーランドでも、昨年末のクリスマス前に
NZの重大詐欺捜査局、SFO (The Serious Fraud Office )が
 
でも。
前回2014年に、イーストウィンドと
当時のアシカガ・マサトモ(トム田中)社長に対する
2件の詐欺クレームが提出されたものの
2015年にSFOは、移民局に投げる判断をして、
「難しくて非効率だから」捜査が継続されなかったのですよね。
 
捜査するのが責務の人たちが、責務を最後までまっとうに遂行しない。
 
だから再捜査になったからって、よかったけど、安心はしていません。
 
今回の捜査の行方がどうであれ、被害者も教訓にしなければ、という人たちは
  • イーストウィンド グループのしたこと
  • 関係者らが日本人移民社会を中心にしてきたこと、今も続いていること
 
これらのことを
どうやって、教訓にするのか?具体的に考えていますか?
 
教訓にするって、日本人移民同士で会った時に、話すことですか?
 
内輪だけで「知る人ぞ知る話」として。
 
そのコソコソ話は、
これから将来、ニュージーランドのいいとこだけ見ている人や
夢を描いている人に、実際に届くのですか?
 
それで本当に「教訓」なりますか?
 
自分は悪いことしてない、みたいな顔して
詐欺搾取の罪の意識もなく元関係者は、今も平然と暮らしているかもしれないですね。
生ぬるい被害者の反撃に腹の底では、想像通り。と思いながら。
 
 
イーストウィンド の故?トム田中社長だけではなく、
そのスタッフ、関係者も人を騙して裏切って、私服を肥やしていたことを
知っていた人たちはいたんですよね、何年もの間。
知っていた人たちは、
その時点で誰かが受け続けている被害も、これから起こるかもしれない被害を
止めようとするまでの行動に出なかったんですよね?
 
「イーストウィンド 、ひどいよね〜」と口では言いながら、
実は繋がってる人たちが、いっぱいいるのです。
もうその名を連ねたリストを持ち歩かないと、覚えきれないくらい大勢が。
 
その事実を、辛辣な言葉で長年、警告を発信し続けた人もいたわけですよね。
 
どの国でも、いいところも悪いところもあります。私はそう思います。
 
正直、私はEast Windのウェブサイトの内容や社長のブログを見て
「胡散臭かった」から、利用する気はちっとも起きませんでした。
 
だって、日本のネガティブはてんこ盛りなのに、NZの悪いとこは、つけ合わせ程度。
 
「だまされて金を出してくれる人」に向けられた
偏った日本悪は、それを信じたい人に染み込んでいっていたし
NZシステムを欺すために身勝手に解釈することで、
過剰サービスの便利に慣れすぎた日本人を取り込んでいった。
 
どうしてこれだけ多くの人が、だまされたんでしょう?
 
被害者からは「発信されていた苦言」を知らなかった、という声が
少なくありませんでした。
 
「発信されていた苦言」は、だまされてしまった人に、
どうして届いていなかったのでしょう?
 
それが、残念でしょうがないです。
 
 
***
 
 
Helen Kelly - Together という
ドキュメンタリー映画が、NZで公開されています。
 
Helen Kelly(ヘレン・ケリー)は、ここニュージーランドで
林業や工場、映画業界など様々な業界での、
労働環境の安全性や労働者の権利を確保するため闘い、尽力した人です。
 
2010年に起きた
パイク・リバー炭鉱での
メタン爆発による大惨事(Pike River Mine Disaster 以降にも、
17歳から62歳までの29人の犠牲者の家族に寄り添いながら、
喫煙歴が無いにもかかわらず、肺ガンの診断を受けた2015年から
2016年にこの世を去る直前まで
労働安全基準の改善と司法の拡充に力を注ぎました。
 
このドキュメンタリーは、ニュージーランドの歴史の一部と
末期の病を告知されてから命尽きるまで、彼女が生きた記録。
 
ニュージーランドを、もっと知ることができるので
機会があれば、できるだけ多くの人に観てもらいたいです。
 
NZに暮らすNZ人であっても、
安全や正義や命のために、
これほどまでに闘わなければならなかったことを。
 
 
安全基準の整備が不十分があったのに、事故の責任を亡くなった作業員に課す、
当局の調査官たち。
 
4度の爆発後、炭鉱内に残されたままの息子・夫・兄弟・父・家族・友人の
身元確認ができないまま
17歳から62歳までの29人の犠牲者の家族友人らによって行われた式典で、
なぜか笑顔を浮かべる当時の国民党大臣
 
責務を最後まで、まっとうに遂行するべき人たちが、そうしない現実。
 
 
2010年の事故から、ヘレンと被害者家族は共に闘い
2016年からヘレン亡き後も、
被害者家族は、炭鉱内から遺体の回収されないまま、
コンクリートで証拠隠滅されそうになるのを必死で抵抗し
2017年には、最高裁により
 
炭鉱再入抗を公約していた労働党政権になってから、
 
事故から、9年近くが経っていました。
ヘレンには、もちろん感心するのだけど
当事者の被害者家族の「事実と正義」を求め続けて行動し続ける姿を見て。。。
 
イーストウィンド の被害者は、ここまでできるのかな?
そういう覚悟があるのかな?
 
多額の財産や、人生の大事な年月を詐欺集団に食い潰されても、
複数の命の犠牲が出なければ、ここまでの行動が取れないのかな、と。
 
イーストウィンドのやってきたこと、
それを許してきている日本人コミュニティに対する
憤りや失望とか虚無感とか、
いろんな思いが、いろんな人から、私にも届きます。
 
でも、ヘレンが支援してきた人たちが見せてきた「底力」みたいなものが
イーストウィンド 被害者とそれを知る人たちに、どれほどあるのかな。
 
 
このままだと、風化していきますよね。
それを望んでる人は多いでしょう?
関係者や、資格基準に満たない・ギリギリでなんとかやってもらって
永住ビザにこぎつけた人とか。いろいろ。
 
トム田中が亡くなって、もうすぐ1年が経とうとしているけれど
やるせない、教訓にしなければと思っている人たちがどれほどいるのかは、
未知数。
 
***
 
本当だったら、被害者のみなさんが
オークランドで開催されるジャパンデーとかのイベントで
ブース出して
「イーストウィンド のような詐欺に遭わないための
再発防止キャンペーン」
来場者に呼びかけて、情報拡散活動を、どんどんやるべきだと思うんですよね。
 
….って、今年のは先週終わっちゃったみたいで。
そういう活動をちゃんとしたのでしょうか?
 
「イーストウィンド グループの元スタッフと組織は、残ったままで、次に騙されるカモを探していますよ!」
 
「ワーホリやガーディアンビザの人!『3万ドルでワークビザやその他のビザを取らせてあげますよ』などど勧誘されていませんか??」
 
「違法な方法のビザや投資の勧誘に、乗らないでください!」
 
「初め良くても、そのうち『オークランドの海に沈む』となどど言われて、操り人形のような人生を送ることになってしまいますよ!」
 
新たな被害者を出さないために、
被害に遭った当事者体験をどんどん伝えていったらいいと思います。
 
今回やっていなかったのなら、次回からどんどんやったらいいですよ。
 
「教訓」にすることは「公共の利益」ですからね。
 
「いろんな場で被害の実態を大きく広めてください」という言葉を
いくつももらうのですが
 
はたして、ご自身はどれだけやっているのでしょうか?
 
私はイーストウィンド 被害者じゃないし、
見過ごされがちな移民間で起きたことに注目してもらうには
 
被害者のみなさん自身が被害を訴えないと
「深刻さ」が人にちっとも伝わらないんですね。
 
ああ、たいして辛い思いしてないんだな〜って思われるんですよね。
 
だから「Helen Kelly - Together」観てほしいんです。
現地のNZ人は、ここまでやってますよ。
 
 
イベントや、ジャパンデーなどで、
ブース出して呼びかけ活動、やってみたらどうですか?
いいと思いますよ?
 
人に頼んでるだけじゃなくて、
被害者のみなさんも
自分のことだから自分でも、ちゃんと動いているのを見せてくださいね。
 
トム田中が亡くなって、もうすぐ1年が経とうとしているけれど
まだ、あんまり見えてこないので。
 
それじゃ、だます側の人たちは、大喜び。
 
それでいいのかな?