Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

いつかまた 犬かあさんになりたい

 

今日は クリスマス。
 
あれからもう、一年が経ちました。

 

子宮を摘出しなければと言われていたので、覚悟を決めていましたが、
一転してその必要がなくなり、
(残しておくことに何か意味があるのかどうか)
子宮の代わりに、天は犬くんの命を連れていってしまいました。
 

まだ子犬だった彼を迎えてから、
いつかは来てしまうその時の覚悟はもちろんしていましたが、
それでも家族全員それぞれの喪失感は、想像以上のものでした。
 
亡くなってからは、悲しいけどなんとか半年は乗り切ろうね、と
いろんな日々の課題に向き合いながら、励まし合ったりなぐさめ合ったりしてきました。
 
そうしても、心が平穏になったかと思えば、一瞬で寂しさの大波に呑み込まれたりして。
大丈夫と思えるまでに、半年というのはまだ短すぎでした。
息はしているけど、まだ息苦しいような。
なので、とにかく無理に感情を切り替えようとしないで、悲しくてもいいんだよと、
家族でシェアしてお互いに受け止めてきました。
 
かといって日常生活に支障が出るほどの重いペットロスかというと、そうでもなく。
やるべき事柄はこなしていけた。
聞くところによると、ペットロスに効くアロマかエッセンスだとかもあるらしいです。
 
でも、そういうものは使わずに、自然に癒えていくのを、
あせらないで過ごすようにしていました。
悲しくても、それを受け入れて、徐々に穏やかになっていくプロセスも、
自分の「犬と生きる生活」にしっかり含まれていると思っているから(産褥期のように)。
 
日頃から賑やかな生活環境であることも、とても助かりました。
子宮摘出の覚悟をしないといけなかった頃に、さらに増していった植物育ての熱にも救われた。
正直なところ、犬を失うのに比べたら、植物ひとつ失ってもそこまで苦しくないよねという
どこかずるいかもしれない、藁にもすがりたい気持ちがあったのだけど、それでも。
 
犬のいない生活になって、いかに犬くんが私を「犬かあさん」に育て上げてくれていたか、
自分の人生の深くて大切な部分を創り上げてくれたのかを思い知りました。
 

ビーチ大好きだったね
 
毎日の長散歩が大好きだった彼が亡くなってから、近隣周辺のあらゆる場所を目にしては
思い出して泣くということが続いていたので、散歩をする気も一斉に失せました。
 
ある日ふと、いい天気で気持ちよさそうだったから、
夫と二人で散歩に行こうか?って気になったのは、
ようやく9、10ヶ月くらい経ってからでした。
 
お互いの口からつい出てくるのは、犬くんの散歩中のしぐさや変てこりんな行動で、
穏やかに笑いながら散歩を楽しめました。
自然といつかまた犬を迎えたいねという気持ちを、夫婦で確認できたのはよかったです。
ずっとつらかった夫も、また犬とうさんになりたかったのです。
出会うなら そりゃもう保護犬がいいよね、と。
 
飼育環境が整っていることもあって、これまでも新しい犬を迎えることを勧められるたびに、
またあれだけの悲しい別れに耐えられる?と思うと怖くて。
なかなかそういう気にはなれませんでした。
家族にとっても、そのことは同じように精神的なハードルになっていました。
 
子供たちの中で特になついていた息子の葛藤は、かなり続いていました。
彼は動物病院での見習いとして、ペットの安楽死処置の経験があって、
生死が紙一重だと理解してはいたものの、
自分の愛犬となるとそう簡単には割り切れなくて。
新しい犬を迎えて可愛がるのは、死んだ犬くんを裏切るみたいで嫌だとか。
しんどそうでした。
 

 
それでも最近はやっと、家族みんなの心が落ち着いて穏やかになってきて、
犬くんとの生活を、純粋に楽しかったこととして思い出せるようになってきました。
これまでも、これからも、愛おしいのは変わらないのだから。
まだ泣けてきちゃってもいいから、無理はしない。
 
ここまでくるのに、わが家では一年くらい経ちました。
 
 
犬くんがいてくれたおかげで、あのコロナ禍のロックダウンでさえ、
世の中は大変な時期だったのにそんなにつらくなかった。
家族がずっと一緒に過ごせて、オンラインミーティングにも参加してたり、
人の少ない犬散歩が、とても平穏で特別な時間だった。
 
でも今は、人間たちだけで乗り越えていかないといけない。
 
だから正直、この一年はとても精神的に疲れました。
 
 
私はSNSで見かける飼い主さんたちのように、動画をたくさん撮っていませんでした。
両手は、指紋が薄れていくぐらいに撫で撫でするために使っていたからです。
片手で撫でてると「両手で。」の圧が、ものすごかった。
だからなのか一年経っても、その感触は消えないものですね。
よかった。。。
 
 
犬くんの魂は、私や夫それぞれのご先祖様たちや、いろんな魂たちと共に、
私たち家族を守って支えてくれています。
それはすごく感じてる。
とてもありがたいことです。
 
夏空に弾ける花火の音に、唸って怒ってた彼が懐かしい、クリスマスの夜でした。