ここしばらく数ヶ月の間、かかりつけ医(GP)と専門医達に言われていた。
「子宮内膜増殖症か、子宮体がんの可能性が高いから、急いで検査をしてください。」
「子宮を摘出しないといけないかもしれません。」
お医者さんの口から「ガン」って聞いて。そりゃ困ったな、、、。
でも仕方ないよな、たくさんの人がなるんだから。
仕方ない。
*****
「体大切にしてね」「無理しちゃだめだよ」って家族や友達には言ってるのに、
自分の体になると「無理しない」のボーダーが、よくわかってないってことあると思う。
ことの始まりは、突然やってきた「月経異常」だ。
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『更年期』
それは、女性みんなに平等にやってくる。
だけど「更年期症状」は、人によりけりらしい。
その変化って私にもわかるのかな? 気になって40才を過ぎると周りに聞くようになった。
出産体験は、女性みんなするわけじゃなくても、たくさんシェアされてるのに
最近では、更年期体験や情報がシェアされるようになってきたから、いいことだよね。
で、私の周辺情報(NZ ver.)だと、ホットフラッシュは王道といえた。
寒がりの私なら、ホットラッシュが来ようものなら、瞬時で気づく自信だけはあった。
なのに何年経っても、寒がりのまま。
それに私の月経周期は、すばらしく一定間隔で、重い生理痛もなく(出産してからは特に)
決まって生理前日には、肉が無性に食べたくなるのと
無性に掃除がしたくなる衝動が湧いて、そろそろ明日ですけど〜と体が教えてくれる。
しかも、2日目にはやたらアクティブに動く。
生理前の清掃衝動は、十代の頃からすでにあったので、母には特に重宝されていた。
だけど、残念ながら、それが娘に遺伝しているようすは、微塵も感じられない。
本当に残念だ。
一向に更年期の気配が来ないまま、
イベントにぶつかるのを心配する娘にハグして生理を移したりしながら、特に不調もなく暮らしていた。
ちなみに、オーストラリアの科学者によると
「生理はうつる」は、科学的に証明できなかったそうな。
いや、うつるでしょ。実際。
昔、初潮はなかよし3人組に順番で来たし、わが家では母娘で移しっこしてるのに。
科学もっとがんばれ。
<突然の月経周期変化>
そしたら今年のある時、規則正しい私の月経周期に変化が。
突然、月経予定の1週間前に、ピンクの出血が始まった。少し生理痛も。
いよいよ来たか、更年期!
そして月経予定日になると、ピンクから鮮血の出血に変わって
いつもより量が多くなってきた。おかしい。多すぎだ。
それが1週間経っても止まらない。
少し減ってきて「いい加減終わるのかも?」と期待してると、期待に反して出血量が増えてく。
通常の2日目の3倍くらいは、あったかもしれない。
車に乗ってるのも気が気じゃないし、家のイスにも漏れるほど、尋常じゃない量だった。
ただこの頃は、更年期症状だろうからこういうもので仕方ないのかな、と
病院に行くかどうか、まだ足踏みしていた(めんどうだし)。
でも、尋常じゃない量の出血に、夫が無茶苦茶心配して、
早く病院に行ってくれと日に何度も繰り返すので、かかりつけのGPに行くことにした。
ピンクの出血が始まってから、3週間、
多量の月経血は、2週間出ていた時でした。
*
<かかりつけ医GPの最初の診察>
予約入れようとすると、いつものGPはホリデイ中。
で、複数のGPの中に会ったことのない人がいたので、どんな人か話してみたいな〜と思って
新しいGPに診てもらうことにした。
GPでは、くわしく問診・内診・念のため「子宮頸がん検診(smear)」も。
新しいGPもいい人でよかった。
これを読んでいるのが日本にいる人だと、知らないかもしれないのでちょっと説明しますね。
日本では婦人科とか専門医院に直接行くのが普通だけど
NZではほとんどの場合、
まず始めに、マルチに診てくれる「かかりつけ医GP」で診察を受けて、
必要があれば紹介状を持って、検査を受けたり、専門医の診察を受けられます。
たいてい最初から専門医に行けないから、面倒くさいのです。
子宮頸部から細胞を取って、細胞診をする。
内診台の上で、ヒザ支えてもらえないのよ。
だから仕方なく、まず、
- 診察台の上で、仰向けになって寝る。
- 両膝を曲げて両足をお尻の方に近づける。
- 足の裏をくっつけて、くっつけたまま両膝を広げる。両足でダイヤの形できた。
この体勢で、細胞診をするわけなの。初めての時マジか?ってたまげた。
しかも、GPにある診察台ってほぼ壁側にあるから、壁側の脚がちゃんと開けなかったりするじゃん。
こんなに女性がいるのに、誰も疑問持たないの??
ってしばらく苦手だったけど、少しは慣れてきた。この先生の内診が痛くなかったのが大きい。
問診は、初潮からこれまでの月経のことや月経と体の異常、妊娠経験とかいろいろ。
女性医師なので、血に混じるかたまりの量や頻度とかを伝えても、
そうそう。そういうもんなのよ、って井戸端会議みたいになってくる。
過去の子宮頸がん検査ではずっと異常なし、子宮筋腫や卵巣嚢腫もなかったのだけど、
「母は、子宮筋腫や卵巣嚢腫で子宮と卵巣全摘出しました」って伝えると、
ちょっとなんか、まずい、、、みたい。雲行きが急に怪しくなった。
「子宮内膜増殖症か、子宮体がんの可能性が高いから、急いで予約入れて検査をしてね。」
と言われて、これからの経過を説明してくれた。
とにかく、ちっとも止まらない多量の月経を止めるための薬も処方されて。
<1>血液検査(貧血・ホルモン値とかチェック)
↓
<2>超音波検査で、卵巣と子宮内膜の厚さの検査、
↓
<3>専門医で、子宮内膜細胞診検査
↓
<4>これらの結果によって、全身麻酔で子宮内膜組織検査&子宮内膜全面掻爬術 (Dilation and curettage (D&C))。
↓
<5>検査結果によって、子宮内膜異型増殖症か子宮体がんの場合は、子宮全摘出手術。
日本だと<1><2><3>は、産婦人科医院で初診時にやってくれるんじゃないかと思う。
だけどNZの公的医療では、<1><2><3>も、順番に予約していく。
もちろん順番待ちだから、時間もかかる。
だから「急いで予約入れて、検査結果もらって、次へ」ってお医者さんは急がせるのだ。
なので記録として、NZではこんなでしたよっていう体験を書き残しておこうと思ったのです。
ちなみに
子宮内膜増殖症は、月経のたびに子宮内膜が異常に厚く増殖した状態で、
その増殖細胞が異型だと、
子宮体がんの前がん病変や、子宮体がんが隠れていたりする場合もあるんだそうです。
- 定期的に生理がある
- 複合型避妊ピルを服用している(危険因子に関するFAQを参照)。
- プロゲステロンを含む子宮内避妊具を使用している。
- 少なくとも1回の出産経験がある
- 18ヶ月以上の母乳育児をしている
- 定期的に運動している
- 健康的な体重を維持している
- 喫煙しない
避妊のこと以外は、全部イエスなのに。
母乳育児なんか、18ヶ月どころか9年間だ。
年齢を重ねた時のホルモンバランスのために、専門家の乳房の手入れもちゃんと受けてたのに。
「更年期世代の多量月経で、D&C受けるのってよくあることだから、大丈夫よ。」って励ましてくれる先生。ありがとう。
でもすごい急かしてるよね。
「がん」か。まだ決まったわけじゃないけど。仕方ない、って自分に言い聞かせる。
で「がんサバイバーになるんだな」って、つい思って。
GPを出て、処方薬をもらって、そのまま貧血血液検査を受けに行った。
***
数日後の結果で、極度の貧血になってたから
鉄剤と吸収を良くするためのビタミンCが、3ヶ月分出された。
やっぱり。
もう犬散歩が、あぶなくなってきてたから。
長い登り坂を、上りきれなくなったから。
フラフラするだけじゃなくて、一瞬真っ白になって。
こわかった。ここで倒れたら犬くんが大変だ、って本当に思った。
それ以降、犬散歩は家族でなんとかやりくりして
私はリードを持つのをやめた。
***
こうやって書いてて、今まだロックダウン中。
でもわが家では、もう2回接種済ませてる。
9月下旬に発表された、新型コロナウイルス感染症専門家達による
Covid-19の新しいモデリングによると、
ニュージーランドでは5歳以上の国民の80%がワクチンを接種したとしても、
でも以前からニュースで、最低でも90%以上接種しなければ、
今後病院の救急医療体制は維持することができないから、
どうか一人でも多くが接種してほしいと、救急医療現場の責任者が訴えていた。
医療体制が崩壊して、誰かが、救急医療受けられなかったらどうする?
家族だったら?自分だったら?
そう思ってわが家と周辺では、コロナの予防接種に積極的。
教育者の夫は、学生や同僚、もちろん家族を守るために、とっくに接種を終えている。
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昨日は、Melvins の新アルバム "Five Legged Dog" 発売で
すごいうれしい!
36曲のアコースティックver.で。もうね、すごいかっこいいのよ。
"Sway" はThe Rolling Stonesカバー。
(続く)