Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

発達障害に向き合う現場のこぼれ話から考える(1)

 
まず、このブログでの「発達障害」という表記について
 
一般には「発達障害」や「発達障がい」と表記されていたりします。
もう少し枠を広げて「神経発達症」という呼び方もあります。
 
ニューロ・ダイバーシティ: neurodiversity)という考え方もあります。
 
いろいろ多種多様です。
 
それでもこのブログでは、「障害」という言葉を使っています。
 
その理由は、主に二つあります。
 

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一つの大きな理由は、私自身の子どもが
「聴覚情報処理障害 APD(Auditory Processing Disorder、またはCAPD, Central Auditory Processing Disorder ) 」になったことがきっかけです。
彼は、重度の中耳炎がさらに悪化して10代で、後天的に APDになりました。
その本人は今でも
「どんなに言葉を変えようとも、自分の障害は明らかに『害』だ。」という考えでいます。
 
もう一つは、これまで自分の周りでは、当事者もその家族も「この特性があってよかった」と実感している人が今のところほぼいないためです。
 
私はこれまで、自分の子どもを含めた
それらの人々の葛藤やフラストレーションをたくさん受け止めてきていて
そういう悔しさや怒りにも似たその感情を無視することはできないな、と個人的に思うので
その苦々しさを「障害」という言葉に込めて使っています。
 
「社会的カテゴリーとして認識され尊重されるべきである」という主張もされていますが、
今、2021年において私たちのNZの居住環境内では、
社会で「受けられているのが主流」だとは言えないのが、現実だと感じています。
 
だけど、私とは違って、害ではなく「障がい」と認識している方は、
それがご自身に合っている言葉ですから
どうぞご自分の感覚を尊重して、
読みながら「障がい」と脳内変換してくださるとありがたいです。
 
***
 
さて。
 
私は、ありがたいことに周りに「専門家」という人たちが多くて
日常的に学ぶことがたくさんあるという、とても恵まれた環境にいます。
 
私はニュージランドの学校で、発達障害や学習障害のある子どもに対する行動療法や、
教育支援指導をしている複数の専門家と交流させていただくことがあるので
 
移住国で、子どもが発達障害や学習障害の特別支援を
母国語ではなく「移住国の言語」で受ける場合について、
話したり考えさせられることも多くて。
 
 
そんな中、このタイトルが目に留まりました。
 
 「10歳までが勝負。
発達障害の子どもをどう育てるか」
 
2年前の記事ですが、母親としてNZの学校教育を振り返ってみても、
小学生のうちがすごく大切なんだろうな、と納得します。
 
この記事によると、
日本の学校の特別支援学級の生徒数は、少子化にも関わらず、
ここ10年でおよそ2倍に増加したそうです。
 
児童青年期精神医学専門の医師による「脳の発達について」の説明を、おおまかに。
 

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成人の脳の平均重量は1300グラム。
 
新生児の脳は平均350グラム。
 
!!!神経と神経をつなぐネットワークが網目状に貼り巡らされていく!!!
 
→ 2~3歳になるころにはすでに1000グラムを超える。
 
このネットワークは、5歳ですでに完成してしまう。
 
その後は、使用される経路が残り、使用されない経路は消えていく
「神経の剪定」と呼ばれる現象が起こる。
 
この神経の剪定が終了するのは10歳。
 
10歳を過ぎると成人の脳との差がなくなってくる。この10歳という年齢は一つの臨界点であり、それまでに身に付いた言語や、非言語的なジェスチャーが、一生の間の基本となることが知られている。
 
小学校中学年(8〜10歳)になる前に、基本的な身辺自立の課題を終えておくことが大切。
 
軽度の発達障害の特性である「発達の凸凹」の一番の問題は、
子どものとる行動が本人の興味や関心事に流れてしまい、
集団行動や社会的な行動に向かないことにある。
また、苦手なことはしたくないという行動パターンを強くとるため、
ますます苦手になるという悪循環も作ってしまう。
 
学童期になると、それぞれの認知の特徴に沿った働きかけをして教育していく必要がある。
 
 
日本では、早いうちに乳幼児健診などで発達の偏りに気づくことで、
専門家の治療と家庭への子育て支援が始められて、
それぞれの特性に合った教育や必要な発達支援を受けられるようになっているとのこと。
(自治体によって差があるかもしれないけれど)
 
これは、子どもとその家族の言語が「日本語」で
学校などの教育環境・生活環境での言語も「日本語」で、同一の場合ですね。
 
 
そして、ここニュージーランドではどうでしょうか?
NZ生まれや乳幼児期に移住した日本人移民の子どもの場合で
 
しかも、子どもとその家族の家庭内の言語が「日本語」
家庭外の学校などの教育生活環境での言語が「英語」と、
異なっている場合はどうでしょうか?
 
 
*****
 
<NZの学校での特別支援や行動療法>
 
NZの公立学校では、インクルーシブ教育(障害を持つ子どもを通常の学級で支援する)で、
発達障害の傾向が見受けられる生徒も、
多くの場合、定型発達の生徒たちと一緒のクラスで学んでいきます。
 
教育現場の先生達は、医学的な診断はできませんが
特別支援の必要な生徒の行動を観察しながら、経験上当てはまる特性を元に
生徒に必要なサポートをしていきます。

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専門家や教師たちの話から、目指していると感じられる目標。
 
可能性があると思われる特性は、主に、
 
●自閉症スペクトラム障害(ASD, Autism Spectrum Disorder)や
●注意欠陥・多動性障害(ADHD, Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)多動性(過活動)や衝動性、不注意などの症状
●学習障害(LD, Learning Disability)(読解 ディスレクシア・算数 ディスカルキュリア・書き取り ディスグラフィア)
 
他にも、
●発達性協調運動障害(DCD, Developmental Coordination Disorder)
●聴覚情報処理障害 (APD, Auditory Processing Disorder)
●視覚情報処理障害(VPD, Visual Processing Disorder)
 
などこれら以外にも、いろんな特性があります。
いくつも合わせ持っている人は、少なくありません。
 
私のこれまでの母親人生でたくさん出会った人の中では、「一つの障害だけ」なのは、
うちの子だけでした。
 
***
 
発達障害の可能性がある子どもの家族から話を聞いていると、
保育園や幼稚園(Kindy)のころに、
集団生活上などでの困りごとを先生から指摘されることが多いようです。
 
それから小学校(5歳の誕生日から)に入って、
ESOLという、英語を第二ヶ国語とする生徒向けの英語力強化クラスで学びながら
1、2年みんなと一緒に勉強しても
「読み書き」「算数」の学力レベルが、学齢相当の基準かなり達していない
 
AND/ OR
 
クラスメートや先生とのコミュニケーションがうまくできなかったり
クラスでの集団活動に参加できない
 
というような場合に、小学校(担任)が先生が
その子どもの発達に合った学びの指導をするために
行動療法と教育指導専門家の介入を教育省に要請します。
 
専門家は、子どもの学力測定や学校での生活行動を観察査定して、
特別支援の必要があると判断されると、
観察記録やさまざまなテスト、子どもと保護者へのインタビューを元に
子どもの発達状態や認知の特徴に合った
「特別支援教育共同プラン」提案します。
 
担任教師、ESOL教師、保護者と専門家の話し合いの上で、
読み書きを重視した基礎学力を身につけて
社会生活ができるようになるための、プランの実践が始まります。
 

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●担任や教科担当の先生。
(英語が第二言語の場合はESOLの先生も)
●子ども本人。
●子どもとその保護者と家族
 
強調しておきたいのは、これらのサポートは
保護者と子どもがただ単に
消極的に、先生の言うことを聞いて従っていればいい、というのではありません。
 

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保護者も、子どもも、先生も積極的にお互いに協力して、
子ども本人がこれから日常生活を送りやすくするため
学習や行動に対するサポートに取り組んでいくということです。
 
このような指導プランは、特に保護者が目的と重要性を十分に理解する必要があります。
 
家庭では、学校から出される課題を子どもがこなせるように、見守ったり教えたり
生活習慣の改善も、家族全員で一緒に、日常の中で変わっていく必要があるからです
 
がんばってるのが子どもだけとか、子どもとお母さんだけ、ではだめなのです。
 
ここすごい大事なので、繰り返したい。
 
がんばってるのが
子どもだけとか、子どもとお母さんだけ、では
だめなのです。
 
長くなりそうなので、続きはまた今度。
 
***
 
お母さんがたいてい日々聴いてるのは、こういう感じの重い音ですが、
(特に2曲目のLeagues Beneathが、すばらしい)

Sleep - Iommic Life (Full Ep - 2021)

 
この前出た 
King Gizzard & The Lizard Wizard の新アルバム Butterfly 3000
すごくよくて好きです。今のこの感覚、エネルギーがすごく合って、気持ちがいい。
今回の考えてることも、ずっとこれを聴きながら書いてました。
 
アートワークも、すごい好き。
うちの子どもたちはみんなBeatlesのYellow Submarineを見て育ったけど、そんな感じ。
 

King Gizzard & The Lizard Wizard - Dreams


www.youtube.com

 

 

King Gizzard & The Lizard Wizard - Shanghai


www.youtube.com

 

意味わからない....感じが、とてつもなく好きだ:)

 

King Gizzard & The Lizard Wizard - Yours


www.youtube.com