こんにちは、ウトです。
今回は、読むのが疲れる人に向けて、始めだけ試しにちょっと話してみました。
>>声の続き。
世界のあちこちで、
アジア人差別とヘイトクライムの増加が問題視されるようになりました。
それに反対するアジア系移民を中心としたデモ活動は、
「沈黙は加担と同じ。だから声をあげよう。」
それまでも確かに存在し続けていたアジア差別感情が、
コロナの世界的大流行によって、火に油を注いだように拡大して。
アメリカだけではなく他国でもアジア系移民は身の安全をを守るために、
より注意深く過ごさざるを得ない状況になっているそうです。
ニュージーランドのオークランドに住む私たち家族は、
まだ身体的被害には遭ってないけれど(touch wood!)外見上一番気をつけないといけないのは私です。
国によってそれぞれ「アジア(系)」という括りが少し違うようです。
NZで自分の周辺を見渡すと、NZ生まれNZ育ち、祖国に強いつながりがない、
アジアンコミュニティへの帰属意識を持たない・持てない人も、母国コミュニティにしか居場所がない、移住地言語に不慣れで地域社会に溶け込めないとかが、関係なく、
アジアな外見の人全部ひっくるめられているように思います。
NZでも他国のように、アジア系移民への暴力(閲覧注意)や
NZ生まれNZ育ちのアジア系NZ人への嫌がらせでトラウマになって、
怯えて暮らしているということがあるようです。
人権委員会によると、去年の時点で、アジア人差別行為の報告が3割増加。
それはNZ生まれNZ育ちや、長年生活している移民であっても、関係ありません。
アジア系移民への差別は、コロナ以前からずっとしつこくある。
ここニュージーランドにも。
いくらその嫌悪感情を無視して、前向きに生きようとしても。
移民の多くが気づいているはずです。
多くの情報を得られるし、人種差別を含めた差別被害の苦情も受け付けています。
同団体制作のメディアでは、
NZで人々が実際に受けている日常的な差別を聞くことができます。
(注意:若い人に不適切な差別的で攻撃的な言葉があります)
教育者の夫は、頻繁に生徒から差別の体験談を聞いているし
以前ブログにも書いたけれど
アジア人移民の教え子が、自宅前でハンマーとドライバーで襲撃されて
顔面の骨を陥没するほどの大怪我と精神的被害を受けました。
所持品は奪われなかった。物取りじゃなかったんです。
私たち家族の中では、「差別」は、子どもが生まれる前から
無視できない話題です。
日本に住んでいたって、異人種に対する嫌悪がある。
幸い身体的ダメージを受けたことはないけど
私も昔は表参道で、白人の夫と歩いてるから、私に向かって石投げられたり
日本で妊婦の時に、白人の子を孕っているから「非国民」「どうせ離婚する」「あなたも子も不幸」とか。同じ日本人なのに、白人を選んだ私に向かって、他人から呪術の呪いのように言われていました。
でも、大部分の天邪鬼とちょっとの素直でできている自分が、幸せになるために選んできた道では、ありがたいことに人にも恵まれて、受けてきた悪意とは反対に、
ウン10年経った今でも楽しく暮らしています。
もちろん、人種差別での暴力や圧力がいけないことであるのは大前提です。
だからこそ、このニュージーランドで、
アジア人差別を減らしていくために、何ができるだろうと考えます。
***
NZ生活者として、周辺環境で起きていることを踏まえて抱いている
あくまで個人的な見解なのですが(NZオークランドVer.)
下の3つがバランスよくできてることが、大事じゃないかなと思うんです。
(1)移民の母国の文化や習慣を知ってもらうこと。
(2)移民(または移民の母国)に対する
マイナスイメージ、移民による不正違法行為を
移民自らが減らすよう努力すること。
(3)移民が安全に生活できるよう権利を主張すること。
*
(1)の文化交流は多くの移民がやってますよね。私も望んでないのに、ここの役割を周りから求められることがあります。
(3)移民の権利向上の主張も(1)ほどじゃないけど、NZではまあまあある動き。
で、(2)がとても問題で。
移民による移住国での不正違法(=移住国を搾取)を
移民社会が許さない姿勢を示して、再発防止の努力をすること。
この部分が、ものすごくおざなりになってませんか?
アジアンヘイトクライム反対デモでよく
「私たち移民は、法を守って暮らしているのに......」っていう言葉を叫んでいます。
先日オークランドでの差別反対デモでも、友人が発言していました。
だけど「法を守ってるのは、移民全員じゃない」んですよね。
ほんと真っ当に生きている人には、とんだ災難。
ずるい不正違法してる移民いるし、それを見ないフリしてる移民もいる。
「沈黙は、加担と同じ」とよく言われるけど。
移民の大流入があれば、移住国の国民は占領されてるように感じたり
仕事や住まいを失った人は、それが移民のせいであってもなくても不満の矛先にしがちです。
まして海外移住歴10年20年でも英語が不慣れで、
閉ざされた母国コミュニティしか居場所がなくて、移住国になじめない移民も、
(2)のマイナスイメージを増長してしまっています。
地域社会住民にとって、地域社会になじもうとしない移民の集団はある意味、圧力です。子供の学校でも、なじまないアジア人移民の親世代は、地元の生徒達のひどく嘲笑の対象になっていました。
そういう胸張れないような現実に向き合って、自分達で改めるべき部分は変えていかないと。
そういうところを棚に上げていくら文化交流や安全な生活の権利を訴えても、多様性社会の中の軋轢は変わらないんじゃないでしょうか?
そうしないと差別主義者に都合よく不幸の捌け口にされる場合も、多々あるから。
移民の母国や宗教が人権尊重していなければ、それも非難の的になるし。
移民が全員、善行してるわけじゃないじゃないですか。
暴力圧力がいけないのは当然。 だけど移民側から一方向で
正当性を訴えるだけでは解決しない、もっと複雑な問題だと思うんです。
私たち移民も、悪いところは正す努力をします(2)。
だからマイノリティの受ける不公平を知って、差別を止めてください(3)。
(1)の文化交流は、もう飽和状態なくらいにたくさんやってる人がいるけど
(2)の動きはすごく少ない。だからすごいアンバランス。
(2)をちゃんとやらないと(3)の主張が通りにくい。
他の国での移民環境は、またそれぞれ別の事情や歴史があるから、アプローチが違うことでしょう。
私は、自主的に多文化グループや社会活動に参加していろいろ学んでいます。
それと経験してきたことも交えながら
NZに住んでいる私が、NZでできそうなことを自分なりにやっています。
いやいやウトさんそれは違うよ、という部分もあるかもしれませんが、
そういう方は、どうぞそれぞれご自身のアイデアだったり、合う方法を継続して行動してみてください。
少しでも変えられるように、それぞれがんばりましょう。
*****
一度では変わらないし、大事なことだから繰り返します。
イーストウィンド のやってきたことを知ってから
被害にあった当事者じゃないのに、なんで発信してるかというと、
日本人移民コミュニティと利害関係者による、隠されてきた詐欺組織とその背景を知ることになってそれを黙っていくことは、上のように、NZ移住生活に悪影響だと思うからです。
これを放置することは、アジア系移民差別の悪化につながる。
NZで子育てする一人の親としても、黙ってることはできません。
「沈黙は加担と同じ。だから声をあげよう」
詐欺組織は、利用者達の「信じる心を利用」して、財産を詐取して悠々と暮らしてきた。元利用者の財産が、騙す人々の高級住宅や車や旅行や生活費に消えてしまった。粉飾決算や虚偽申告をしないと永住ビザが取れない、NZ永住のニンジンをぶら下げて挑戦させる。そうやって度重なる不要な中間搾取に応じざるを得ない状況に追い込まれて、資金も希望も吸い取られ続けて、移民局にバレれば、夢途絶えて日本へ帰国。
移民局にバレなければ、痛いところつつかれないように、詐欺組織のいいなりになって
日本よりずっと閉鎖的な中で生活していく。それを知っていた「信じていた日本人」は、止めることも、助けることも、広めて知らせようとすることもしなかった。傍観者効果なのでしょうか。
事実をなかったことにするための巧妙な手口もありました。
「信じる心が利用」されてたわけですが、
なぜここまで「信じ続けてしまう」「疑わない」のか?それがすごく気にかかります。
イーストウィンド グループの行っていた詐欺は
投資詐欺だけでも(移住詐欺は含まれず)は、
NZで二番目に被害の大きいポンジスキームとされていますが
これだけ被害が大きいわりには、被害者の会がないですよね。
被害者さん達の話聞いてると、なんでこうしないんだろう?なんでこう動かないんだろう?って不思議だから「動き方教えますから(無償)、自分達で率先して発信したり動きませんか?私じゃなくて。」って2年くらい前から言ってるんですけど生活忙しいとか、ウトさんのやってることはウトさんしかできない、とかって表には出たがらない。
被害者さん達が先頭に立って動かないということは、
なんらかの結果が出るまで、誰かが無償の支援を無限に出していかないといけない状態に。以前、元移民大臣が苦情申立てしても捜査断念になったほどの「未解決問題」ですが丸投げされてきます。
被害者さん達だけでなく、私にも生活があります。協力するこちらのほうも枯渇していきそうです。
こんな風にいろいろ事情があるということで、とりあえず今の形になっています。
「面倒だから黙認して放置すること」の先に見える、移民環境への悪影響がものすごく見えてしまう。
他の人達には見えないんですかね?ほんとに見えないのかなあ?
*
でも、被害にあった当事者が自分で動くのに躊躇するっていう気持ちもわかるんです。
私自身も、自分の受けた不当解雇を証明するのは、詐欺より被害的には小さくても、苦しかったし、ネット上で公共利益のために公表する時も、書いていて吐き気がするぐらいでした。最近でもニュースになっていたけれど、不当解雇されるっていうのもかなりメンタルやられるんですよ。
そんな風に、それぞれの被害を、第三者に理解してもらうためには、
過去の体験をまた見つめ直して、掘り下げないといけないんです。
これまで話してきたことを繰り返し話するのはスムーズにできるんだけど
「第三者に理解してもらうために細かく説明」するために、
さらに深く掘り下げていくことは、
事実解明に熱意のある人であっても、かなり感情的に苦しい作業になります。
これは「わかってもらえるだろう的な説明」に対して、
突っ込んでバラして、形にしていく作業を地道にしていきます。
日本人移民コミュニティとつながってない日本人の私に理解できないことは、
NZ側にはもっと理解できないんですよね。
本当は、私のしていることは私がしなくていいんです。
被害者だけで数百人、知ってて傍観してる人はもっと。他にできる人はたくさんいるはずなんです。日本人移民コミュニティの役職や肩書のある人が、率先してやってくれたらいいんです。
でもやってないですよね。
「日本人だから安心!」「日本人だから信頼できます!」ってどこまでが事実?
コミュニティで知られていた怪しい業者のことを、必要な情報として前々から知っていれば、被害者はここまで被害を受けなくて済んだはずです。
被害にあった人達は、その苦しんだことを、
これからの人達のことを考えて「伝える」ことが、
20年以上も続いてきた連鎖を、断ち切る大事な役目になります。
被害にあった人だけじゃなくて、知っていた、関わりがあった人もみんなそうです。
少しでも当てはまる人は、今からでも遅くはないから、何らかの形で「知らせる」ことをしてほしいです。
***
先日「自殺」についての啓発を発信し続けている
コラムニストのyuzukaさんと
特殊清掃員で遺品整理人の小島美羽さんの対談記事を読みました。
自殺という社会全体の問題に向き合っている、このお二人の発信でさえ
自殺が「他人事」と受け取られ「当事者意識を持ってもらえない」ことの難しさを抱えているそうです。
相談に乗り続けることの難しさも。
「だけど発信していくなかで、どうしても他人事だととられてしまうことが多いんです。あなたが自殺をするかもしれないし、あなたの周りに自殺を考えている人がいるかもしれないと伝えても、なかなか当事者意識が持てないんですね。 」「決して他人事ではないんだよということを伝えたい」
引用先:
*
「詐欺」だったらなおの事。「他人事」で「当事者意識」を持ってもらえにくいです。
被害者自身ですら他人事っていう反応もあるから、びっくりします。
そういうところを見透かされて、目をつけられちゃったんでしょう。
被害者さんにもいろんな方がいます。
だけどもう、
悪いことをしても黙って過ごせたのは「過去のこと」。
これからはこれまで通りにはいかない、悪事を隠しきれない新しい時代になると思います。そうとしか感じられない。
直接関係ない私に、これだけ長年の悪習慣の情報が入ってくるということが物語っているんじゃないでしょうか。輝かしい肩書きや偉業もない私のところに。守秘義務のない、黙ってる必要のないところに。
*
被害者さんにもいろんな方がいます。
「新たな被害者を出したくない。」
過去に闘ったけど、道半ばで続かなくなってしまった人達も
ここ数年私を信じて行動してくれた人達は、そう願っています。
そういう意志の人達には、被害者のままでいてほしくない。経験者になってほしい。
移民社会で続く古い閉鎖性を打破する、新しいパワーになってほしい。
それにこれまで知ってて見てるだけだった人も、変えようと動けばもう傍観者ではなくなります。
変える必要がある移民の古い悪習の向こうに、なくなってほしい人種差別感情があります。
別問題のようで、無関係じゃないんです。私にはそう見えています。
いろんな国で、差別に怯えて生活している人々が気の毒です。
それに今はそうでなくても、いつ自分が差別感情の矛先になってもおかしくない。
だからここNZで、私は私のできることをやっています。
なんとかしようという行動が、いつか移民のマジョリティになることを願いつつ。
*****
ちょっと懐かしい感じの
Melvins の新譜、"Working With God"。
Melvinsの真剣にふざけてる感じが好きです。人にどう思われてもいいっていう感じも。
Melvins "Caddy Daddy" from Working With God
Melvins "Boy Mike"
Melvins "The Great Good Place"