Bittersweet in NZ

ウトです。(the) Melvins を聴きながら。NZの大学のイギリス人英語講師の奥さん目線 & NZ移住して3人の子育て後半戦に挑む奮闘記 & NZで元日本人雇用主の永住権取得と同時に不当解雇された体験記、息子のAPD(聴覚情報処理障害)との奮闘レポートなどなど。

ニュージーランドで、おうちリノベ。其の弐

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お風呂に入ることを夢見て。
増改築の構想に5年を月日を経て、
やっと建築家にアイデア通りに製図してもらった図面。
 
でも、ここから先もつまづきました。
 
<受け入れられなかった日本風のお風呂>
 
なぜ、お風呂場全体を防水加工するウェットルームが
ニュージーランドで一般化されるまで、待たなきゃいけなかったかというと
施工してくれる業者さんが、なかなか見つからなかったからです。
あくまで私の周りでは。
 
機会あるごとに、「お風呂場全体の防水加工」のアイデアを伝えても
風呂場全体を、防水加工する必要がないという業者さんたち。
 
私のアイデアを図面化してくれた建築家と
パートナーの建築業者は「シャワーは費用節約のために『ボックス型』でいい。」と。
 
 
 
よく言われる「建築家とビルダーは、相容れない」現象がここにも。
 
建築家は私のアイデアに賛成で、
ビルダーは経費節約のためにバスルームを従来通りにしたい。
 
 
ニュージーランドのお風呂では、屋外にあるようなスパプール以外だと
『追い炊き不可能』でした(当時)。
 
だから水温を保つには、お湯を追加しないといけない。
 
お湯抜きしてから、お湯追加するのは、お湯のムダ使い。
 
お湯追加するために、体を洗ったりして有効にお湯を使うには
『風呂場全体の防水加工』が必須。
 
水のムダ使いにならないように入浴するための考え方が
日本の入浴スタイルを知らない人たちには、なかなか理解してもらえませんでした。
 
この「追加分のお湯」を
お湯抜いてから足すのか
体洗ってから足すのかじゃ大違いですよね?
 
その「お湯もったいない」感覚を理解してもらうのが大変で。
水道代も高いし。
 
私は、家族のための風呂づくりに燃えているのに
「風呂は、日本人の命なのぉぉぉぉぉ。」と伝えてもわかってもらえない。
 
 
そのため
普段は日本人だからといって、日本人にサービスを受けることはないのですが
この時ばかりは「ジャパンホームズ」さんに相談することにしました。
その節は、ありがとうございました。
 
そしたら「お風呂への熱い情熱」をわかってくれる
韓国人の建築業者さんを紹介してくれたので
やっと増改築に着手できることになりました。
 
あきらめかけてた子供たちも
「これはもう、ママの執念のおかげだね。」と言っていました。
せめて情熱、って言ってちょうだいよ….
 
 
<夫の教育:“デザイン熱”を育てる。>
 
わかってくれないのは、業者だけじゃなく
夫もでした。
 
大変そうだし、お金が、って。
 
家中の不便、特にバスルームを変えた方がいいというのは
家族みんな同意していましたが
いざ実行となると、尻込みする夫。
 
つべこべ言わずに、言うこと聞け!というわけにもいかず。
家族のことだから強制できないし
協力体制を作らないと、実現はできません。
 
おうち作りの情熱を、夫の中に点火しなくちゃ。
 
この頃の夫には、デザインにほとんど興味がなかったから
お家リノベの情熱を語っても、馬の耳に念仏。
 
それでも「古い日本家屋・日本文化好き」な、元在日外国人。
 
そこで
イギリス長寿番組のグランドデザイン Grand Designを、一緒に観るようにしました。
 
 オーストラリア版とニュージーランド版もあるので、ちゃんと観てました。
 
特に
イギリス版のプレゼンター、ケヴィン・マクラウド Kevin McCloud
建築や歴史に関する知識がとても豊富。
しかもウィットに富んでいて、ほれぼれするほど言葉の選び方が素晴らしいのです。
 
あれだけ長年観てきたんだから「うっとりするケヴィン語録」を
メモして残しておけばよかったなー…残念。
 
ワインは赤、のケヴィンらしく
芳醇なワインのような豊かな言葉の表現と
茶目っ気のある語りで伝わる
建築プロセスとデザイン性の美しさは
今では私たち夫婦にとって、大事な「心の栄養」ともいうべき番組です。
 
始めのうちは、
「このデザインだからこうやって効率的になったり
美しいラインや空間になってるんだよ。」と毎回教えていたのですが
そのうち夫にも、自分でわかるようになっていきました。
 
そうして、お互い好きなデザインや空間を共有できるようになって
ラッキーなことに、夫婦で好みが大体同じになりました。
 
コンテンポラリー
ミニマリズム
インダストリアル、とか。
 
夫の大好きな日本の建築や路地裏の閑寂さに
通じるものがあるのでしょう。
 
オーストラリア版グランドデザインだったけど、ある夫婦の好みが
夫:インダストリアル、妻:ファンシー、の家がありました。
すごくお金かかってるし、上手くコラボするのを期待したものの
結果はチグハグで残念なおうちに。
 
建築・増改築するプロセスの中で
途中から1日に嫌になるほど、たくさん判断しないといけなくなるので
好みや知識の共有ができるのは、とても役立ちました。
 
こんな風に、夫の「おうち作りの情熱」を発熱させるまでには
4〜5年かかりました。
 
 
<インプット(リサーチ)と、アウトプット(判断)の連続>
 
 
ビルダー達と私は話し合いだけで、頭の中でビジュアルが浮かびます。
 
でも、夫にはそれができませんでした。
 
建築プロセスでは、途中から
毎日多くの判断をしないといけません。
 
ビルダー達と私のやり方で、プロジェクトを進めるほうが早いけど
それだと夫が取り残された感じがすると言って、嫌がりました。
そりゃそうよね。
 
だから、雑誌やネットのビジュアルを使って可視化して
小さいことから一つひとつ、説明しなければなりませんでした。
 
それでも、結局デザインのことは、私が決定するんですけどね(笑)
 
平日も休日も、パーツや材料探しや調達にあちこち回らないといけません。
 
途中から、材料・デザイン・寸法とか即時に判断しないといけないことが
日々いくつもあって、決定を任されるのは私だったので、責任も重かったし
たくさんリサーチして勉強して、即決できるようにしなければなりませんでした。
ビルダーに「もう、セミプロの域だね。」と言われるほどに。
 
 
空気清浄の業者選びでは、大手業者のセールスで
「そのファンとフィルターの位置で、そこまでいうほど効率いいのかな?」と
疑問に思ったので
そのファンの製造元がドイツ語だったけど調べて、ドイツ人の友達にも確認。
そしたら、どうやら過大広告っぽかったので
再度の説明時にセールスさんに聞いてみたら、とても困らせてしまいました。
結局、別の業者に。
 
わが家では、家に住みながら増改築をしたけど、大変でした。
朝早くから業者が来るから、身支度を終わらせていないといけないし
1日の作業が終わると、細かい粉が作業エリア以外にも拡散しているので
床を拭き掃除してからでないと、家族に移動OK出せません。
 
できるなら、建築現場近くに住んで
毎日確認しに行くのが、一番ストレス少なくていいかも。
 
 
 
家族の体調が悪くなっていって
冷えを改善するためのお風呂を作ろうと発起してから、5・6年経ったころ。
 
<やっと、念願のお風呂に入れるようになりました。>
 

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 「ピラミッドの中にいるみたいなのがいいな」と夫が言ったので
そういう感じの掘り出し物のタイルを、
オークランドの端っこまで行って見つけました。
 
他のエリアもそうだけど、家族の意見をあれこれ取り入れました。
私1人で決めると多分エッジが効きすぎちゃうので。
 
 

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シャワーの床は、玉石のタイルでちょっと足裏のマッサージ。
 
 
浴槽は、ジェットバス。
ジェットバスにしたのは、ボコボコボコとマッサージ機能の他に
保温機能がついていたから。
 
ニュージーランドのガス設備では、どうしても「追い炊き」ができないんですよね。
 
だから、保温機能のあるジェットバスのショールームに行って
「保温温度は何度?」と聞いたら
そういう質問は今まで聞いたことない、とセールスもメーカーも
保温温度がわかりませんでした。
 
ね?これこそニュージーランドですよ。
 
脱力の国、ニュージーランド。
 
「脱力」=ほっとする、じゃなくて
がっかりの方ですよ。ほとんどが。
 
保温できるのが売りなのに
保温温度が、35度だったらどおすんの?体温以下じゃん。
 
調べてもらうことにして、後日行ったら
「おそらく38度くらい」との情けない答えが。
 
やっぱり。それじゃ冬はヌルいってことね。
 
でも、日本の風呂文化をこよなく愛した夫が
ボコボコマッサージを気に入ったので、これにしました。
 
やっぱり、家に取り付けても約38度じゃぬるいので、
お湯張りで40度くらいにしてます。
 
でもぶっちゃけた話。
ジェットバスじゃなくて、シンプルな浴槽でも
浴槽のふちが平らだったら、お風呂のフタを半分以上閉めたまま入るだけで
体が十分あったまるだけの保温効果は持続できると思います。

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こうやって。
 
ぬるめ好きが先に入って、熱いお湯足して
後で、熱め好きが入るとか。
 
浴槽は、NZでは浅くて長いのが多くて(なのでなるべく深いものを選びました)
うちのは、幅80cmと長さが180cm。
 
そこで規格サイズ外の風呂ぶたを、日本から購入しました。
 
ラインが気に入って、これにしました。けど、売り切れてるな。

こういうのとか。 
 
 
夜遅くに、ゆったり入るのに
このタイプだとパタパタ音がして、気になるという人は
3枚割タイプだと、静かめに入れるでしょう。
 

 
 
<6年ぶりのお風呂>
 
日本では毎日入ってた、お風呂。
 
子供たちも、3人一緒に湯舟に使って「おお〜な〜み〜小〜な〜み〜!」
日本の小学校で作る波プールを、お風呂でジャブジャブ
大笑いで波立てて入ってたのが、懐かしい….
あの思い出を作ってあげられて、本当によかった。
 
そしてNZ移住以来入っていない、6年ぶりのお風呂にみんな入りました。
 
みんなの感想は「すごい疲れた。」
 
入浴は思いのほか、体力使うようです。
 
よわっちいぞう、みんな!と最後に入った私。
 
予想外に、私も心臓ドキドキしてきて
久しぶりのお風呂は、ちょっと疲れてしまいました。
シャワー生活が長かったために、うかつにも私まで弱っちくなってしまいました。
 
***
 
またお風呂に入れるようになって、あれから4年。
 
ロトルアまで入りに行かないといけないのか、と途方に暮れてたのも過去のこと。
 
わが家のハラヨワ男くん。
成長したのもあるだろうけど
今ではもう、ハラマキを卒業したらしい。
 
 
それから、ニュージーランドの生活では
芝刈り、木々の手入れ、庭掃除がとても手間がかかっています。
夏なんか、しょっちゅう週末がつぶれて。
何のための庭?掃除するため?ってくらいに。
 
そんな汗だく泥だらけの庭仕事の後は、必ずお風呂に入ります。
 
利き手なんかは、プルプル震えるほど酷使するので
しっかり温めてコリをほぐすのが必須です。
Melvinsを聴きながら、半分瞑想。
 
寒がりなせいもあるかもしれないけど
けっこう夏でも、夕方から体が冷えているみたいです。
お風呂につかると「あ、冷えてたんだ。」ってジワジワ感じます。
 
おうちリノベ頑張って、一番よかったなあとしみじみ思うのは
ホカホカの肉まんみたいに頭から湯気立てて、夫がスッキリして出てくる時。
 
「体軽くなったなぁ〜」なんて言ってます。(なってない、なってない)
憑き物でも、落ちたように清々しく。
 
リノベーションでは
お風呂周りだけじゃなく、不便で効率悪い部分をあちこち直したので
今では昔のレイアウトを忘れたくらい、暮らしやすくなりました。
あるべき暮らしになった、というか。
もちろん、残り湯も再利用しているし。
 
元々はクレイジーだ!と反対され続けていたアイデア。
 
もっと早く賛成してくれれば
もっと早く快適生活に入れたんだよ、夫くん。
 
グランドデザインUKのケヴィンもよく言う
「予算の20%オーバーは想定内」は守れた。
それでも経費節約で、家の基礎部分は変更しなかったので
デザインの快適性を追求するのにも限りが出ちゃうな、というのは
作ってみて思いました。
 
やりすぎないでブレーキかけたのは
ここは、終の住処ではないだろうな、と思うから。
 
この家は、国内でも良い学校と評価されている小・中・高校の学区内にあります。
これまで書いてきたように、改善してほしいところはあるけれど
それでも、国内で比べると、これらはとてもいい学校なのです。
 
そして人口増加は今後も進むから、学区外からこれらの学校に入るのが
将来厳しくなることは、避けられないでしょう。
 
だから、この家は子育てをするのにちょうどいい。
 
私たちの子育ては後半に入っています。
私たち家族が暮らしやすかったら、
いつの日か暮らすであろう、別の家族にも暮らしやすいはずです。
そう誰かさんのことも考えて、改築しました。
 
 
だからいつか、初めから自分たちで好きなように全部建てて
グランドデザイン作りたいね〜と
夫婦2人で夢みています。
 
ケヴィンが来てくれるような?いや、NZだからクリスだな。
いや、やっぱはずかしいから静かに作ろう。
 
大きすぎる夢なんだけど、いつか。