「許せない!!!」
プリプリ怒って、夫が帰宅。
ニュージーランドで育ったアジア人で
外見はアジア人だけど、中身は西洋人のことを
「バナナ」と呼ぶそうで。
そんな呼び方が、この国では
平然と悪びれることもなく使われてるのを、耳にしたらしい。
受け持つ学生たちの中には、そういう人もたくさんいるから
腹立つのもよくわかる。
外は黄色で、中は白ってことね。
待てよ?うちの子たちも、そう呼ばれるの?
なんか薄い黄色だなぁ、とかって?
なんかやだな。
***
木々が芽吹いてきて、春に近づきつつある
9月のオークランド。
でもまだまだ寒い日があって、風邪を引く子供も多いようです。
クイーンズタウンの方では、雪の映像がありましたね。
この時期9月の高校では(Year9・13歳〜 Year13・18歳)、
来年度の教科選択のためのエントランステストや、
11月には学外テストの模擬試験が行われます。
特にYear12の生徒にとっては、
高校卒業後の進路に必要な教科選択ができるかどうかの
大事なテストでもあります。
エントランステストが上手くいっても、11月の学外テストで良くない結果だと
その教科の選択が認められないので、全テストが終わるまで気が抜けません。
4年前には、こんなことがあったので
うちでは全部の結果が出て来年の進学のことが確定するまで、
12月が終わるまでは、胃が痛いです…
試験を乗り越えるまでの体調管理が、特に大事なこの季節。
海外暮らしだと、周りには冬でも半袖の地元民がいたりして
「身体冷やさないように」とか「温活」の意識が薄い感じがします。
他の海外暮らしさんは、冷え対策どうしているのだろう?
どれだけ他の人は、お風呂に入れているのかな?
<NZ移住したら、体が弱くなった。>
ニュージーランドで暮らし始めたら、
緑もいっぱいあって人も日本より少ないし
「のびのびおおらかに、スクスク健康なくらしができそう!」って
イメージありませんか?
でも、わが家の場合。
移住して1年くらいしてから
日本では元気だった家族が、
あちこち不調を訴えるようになってしまいました。
特に、夫・長男・次男と
男性陣3人のアレルギー症状を始め、あちこち弱くなって。
そういえば以前、夫の生徒の日本人医師が連れてきたお子さんも
NZに来てからアレルギーがひどくなったって言ってました。
乳製品の使用が多すぎるからだろう、って。
乳製品減らしてよくなったそうです。
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小麦も多すぎるよなあって、自分は思ってるんですけどね。
次男は、日本ではなんともなく元気だったのに
ツライ全身のかゆみと、お腹の冷えと、ひどい偏頭痛に
何年も悩まされました。
愛用は、ほぼ日のハラマキ。
彼は中学でホッケーをしていましたが
入部した当日に練習なしのまま、夜の試合。しかも雨の中(NZによくある話)。
ずっと雨の中の試合は普通にあったから、冷える冷える。
そんなNZで「ハラヨワ男」への理解などあるはずもなく。
このサイトで「ほら見て!このラッパーのお兄さんも、ハラヨワ男なんだよ。だからちっともはずかしくないんだよ!」と
多感な時期のハラマキ着用をはげまし続けました。
学校ですら、雨にぬれても子供たちを放っておく。
体が冷えてるのに、お風呂に入れないことによる
「体の冷え」が悪いに違いないって。
わが家には、浴槽がなくてシャワーしかありませんでした。
その前の家の浴槽は長く、お湯がすぐに冷めてしまって
実用性のない意味のないお風呂でした。
とにかく「体の冷え」をどうにかしなければ….
家族の健康を守るには、お風呂がなければダメだ!
風呂に入れなければ、日本に帰った方がいい!と
真剣に考えていました。
それほどに、3人の症状は悪かったのです。(女性陣は、なぜか丈夫)
以前聞いた、お風呂恋しい人のアイデア。
子供用ビニールプールを二つ用意して
一つの底をくりぬいて、もう一つとつなげてお風呂にするというもの。
わかるわかる、私も同じこと考えた。
これは、リノベーションする前の図面。
よ〜く見てください。
このメインのバスルーム。
トイレと、シャワーと、洗面台が一つのエリアに。
ニュージーランドで、よくあるタイプです。浴槽は無し。
忌々しい….
これが私たち、ずっと大嫌いで。
シャワー入ってる時に
誰かがトイレ大至急で
歯みがきして早く寝たい子がいたら?
トイレと、シャワーと、洗面台。
3つの用途が、ひとつずつしか使えないじゃん!
子供たちが小さいうちはいいけど
みんなあっという間に、お年頃なるのです。
人生のうちで「裸体を洗う行為」のと「排泄行為」は
共有しない期間の方が、圧倒的に長い。
それなのに、こんな安易な暮らし設計がまかり通っている。
バカなの?
こんなに不便で、家族アンフレンドリーな設計が
ニュージーランドではありふれていることに、本当に耐えられなかった。
しかも、温水タンクは5人家族には小さすぎて
シャワーはおよそ2.5人分。
しかも、よりによっていつも私のシャワー中に
温水が冷たい水になっていく…
家族一、寒がりなのに!
<家族の健康を、守らなければ!>
お風呂に入る夢を叶えるためには、増改築をする必要がありました。
そのために、まず
日本の家とは大きく違う「ニュージーランドの家」に
戸惑っていたこともあって、リサーチすることにしました。
…と言うか、好きだからやってたんですけども。
当時参考にしてた、おうちマガジンです。
『green』
オーストラリアの雑誌。環境に配慮したデザインやアート性が強い。
間取り図があるので、一番参考にしたお気に入りの雑誌。
『INSIDE OUT』
これも、オーストラリアの。クリーンラインを多用したデザインが豊富で、実用的。
『HOME NEW ZEALAND』
広大な風景を活用した建築が多いので、わが家には実用的ではないけど、
アート性が高くてインスパイヤされる。
『Your Home and Garden』
ニュージーランドで人気ある雑誌。時々扱うデザインが安っぽくなるのが残念だけど、最近立ち読みしたら持ち直したみたい。
日本ではいいデザインも、そのまま海外に持ってくるとこじんまりしすぎて、
せせこましく感じられてしまう、というのに似ています。
『homestyle』
NZのクリーンラインが多くて、満足度が高い。間取り図も役立つお気に入りの雑誌。
『urbis』
建築とアート満載!面白いし、部分的にも参考にしました。
*
このころはニュージーランドの方がオーストラリアよりも、
シンプルでクリーンなラインの建築が多かったので
移住当初は、受け入れられなかったニュージーランドの住宅建築だったけど
モダンなNZ建築は好きになっていきました。
それでも、日本のようにお風呂場全体が防水加工してあるものは
なかなかありませんでした。
でも、地道に
雑誌などから建築研究をしていくうちに、とうとうオーストラリア雑誌で
お風呂場=ウェットルームが台頭してきました。やったー!
そしてその一年後に、ニュージーランド雑誌でもウェットルームが登場!やったー!
「風呂作るぞ!!!」と燃えてから
実際、増改築が現実に着工できるようになるまで、5年の月日が流れました。
<アイデアを図面にしてくれる建築家探し>
長年の下調べの成果で
大嫌いなバスルームエリアを、効率的に変えるデザインは
夢にまででくるほど、私の頭の中にしっかりできていました。
でも増改築のためには、私のアイデアを理解してくれて
図面に起こしてくれる建築家が必要で。
探すのにとても時間がかかりました。
そうして、やっと見つけたNZerの建築家。
ミーティングで、アイデアをちゃんと伝えて決定したのに
それでも限りあるスペース内で収まり切らない…と悩んでいました。
「こうやったらどうですか?」私が描き直したら、素晴らしい!と喜んで
私の長年思い描いていた通りのデザインで
建築許可取れるよう実現可能な図面に、仕上げてくれました。
今ではCADで通常描かれるので、手描きの平面図は珍しいそう。
トイレと、シャワーと、歯みがきスペース。ちゃんと分かれました。
もういちいち待たなくていいのです :)
家族の動線や、性格、生活リズムを熟知している住人(うちでは私ですが)の
アイデアを住まいのデザインにしっかり練りこんでいくのって、
すごく大事だと思います。
住まう人のアイデアや理念を
しっかりわかってくれる業者さん探しが、とても時間かかりました。