Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

Bittersweet な訳。

NZに移住してからよく聞かれる
 
「ニュージーランド、好き?」
 
見知らぬNZerには「YES」と答えるものの、心の底からの言葉じゃない。
 
 
同じ移民でも、母国の生活環境が劣悪だったり
夜中の物音を「襲われるんじゃないか」と怯えて暮らしてきた国の人たちには
NZの方が明らかにいいわけで、「YES」というその返事も明るい。
 
 
でも、ヨーロッパや北米とかからの移住者と二人っきりになって話すと
ちょっと違う。
 
 
ある日、アメリカから移住して来た彼女は、初めて会った私の
NZ好き?という問いにこう答えた。
 
「…うーん、半分半分かな…。住んでみたら、なんか聞いてたことと違うじゃんって。」
 
ほんとは彼女の方から先に、私にNZ好きかどうかを聞いてきた。
 
今は心から好きとは言えないな、という私の返事に
 
饒舌になってきた彼女は
あの時、彼女自身のモヤモヤを共感できる
 
誰かの言葉がほしかったんじゃないだろうか。
 

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東京で私は、イギリス人の夫との間に3人の子供達に恵まれて
「子供たちは、日本とイギリス(英語圏)の両方で育つ権利がある」という
夫婦共に強い思いがあった。生まれる前から。
 
 
子育て前半を豊かな文化の日本で過ごし、いざイギリスに移ろうとしたのだけど
夫の母国イギリスは、子育てするには治安が悪かった。
 
まだ小さかった時にあった友人の子供まで、殺人事件に関わるような。
 
荒れたロンドンで育った夫でも、帰国を思いとどまって
友人たちも「戻ってきてほしいけど、戻ってくるな。」というほどだった。
 
そして、一か八かで、NZの永住権を申請してみたら許可が下りたので
オークランドに移住した。
 
あっという間に、10年目に突入した。
 
NZでの子育ても10年ほどなので、子供たちの仲良しを通じて
ママ友達やその家族もひっくるめて、お互い助け合っている。
 
周りのママ友達は、ほとんどキウイやヨーロッパからの移民なのだけれど
のんびりNZで、のほほんと子育てしているか?っていうとそんなことは全然ない。
そんなこと言ったら、みんなきっと怒る。
 
我が家も子供のためにあれこれ考えて、がんばっているけど
周りには本当に長い間努力している人たちがいる。
 
だからしんどい時は、お互いになぐさめたり、励まさずにはいられない。
キツイのが少し和らいで、なんとか乗り越えられるように。
 
子供の教育に悩んだり、先生や学校と話し合ったり、もめたり
子供のいいとこ伸ばそうと、伸ばして将来自立していけるようにと
みんな一生懸命なのだ。
 
それは、どこにいてもおんなじじゃないだろうか。
日本でも。のんびりっぽいNZでも。他の国でも。
 
NZの生活を書いていくのに、いいことだけを書いていくのは
私にとっては、ウソだ。
 
暮らして見たら「なんか違う。」ってかなり多くの移民が思うのは
苦い部分を、移住前に知る機会が少なかったからじゃないだろうか。
 
それに私たちは、夫の方が特にそうだけれども
NZで生まれたり育ってきたりしてきた移民の子供たちから
 
英語のレベルが、環境・能力・仕事に十分だったり
自分の納得するレベルに達していないという悩みをたくさん聞く。
 
それはほとんどがアジア人だ。
その悩みの中には、かなり深刻な場合もある。
 
英語習得の明るい「成功例」は表に出やすいし、移民が信じたいこと。
「うちの子は、うまくやっているんだ。」と。
 
英語力がネイティヴのように身についていない
あるいは英語も母国語も中途半端な状態は、表には出にくい。
ほとんどが隠しているし、「親には言っていない。」から。
 
両方の言語が中途半端なのを「ダブルリミッテッド」というらしく
この呼び名を好まない人もいるようだけど、好き嫌いに関わらず
こういう状態に苦しんでいる人たちがいるわけで
 
その苦しさを聞いて明かされるたびに、本当に気の毒でならない。
親は何してきたの?
 
いろんな人たちの、たくさんの苦い思いを隠せない。隠すのは、ウソだ。
 
だから、苦しいのも、楽しいのも、書き残していこうと思う。
 
 
 
 

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