Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

光らないビザ。

新しくなったパスポートを、手にした時のこと。
 
あれ?永住ビザのピカピカは、もうついてないんだ。。。
 
ちょっと、さみしい。
 

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久しぶりに見たら「ピカピカ」もっとデカイと思ってたのに、こじんまりだった。
 
その永住ビザステッカーについては
Immigration NZ (移民局)に聞くものだそう。
 
 
そしたらニュージーランドでは、去年から
電子ビザ、eVisaの制度になったんですね。
 
ネットで申請できるのだそうです。
 
 
 
<ビザの移し替えの費用は?>
 
これまでのパスポートに、ビザのラベルがついてても
 
新しいパスポートをeVisaにすると、費用はタダだそう。
 
新しくラベルをつけてもらうのは、いくらかな?とチェックしたら、
 
$130。
 
 
やめやめ。
みんなでおいしいもの食べに行ったほうがいいよね。
 
 
でももし、新しいラベルつけてもらった人がいたら
「ピカピカ」かどうか、教えてください!
 
 
 
<ラベルがなくても、本当に大丈夫なのかな?>
 
eVisaは念のためにプリントアウトしておくようにね、と
移民局の人に言われていた私。
 
先日、日本からNZに戻ってきた時も
パスポートを見せる時に心配だったので
しつこく、プリントしたものを見せてたんだけど
(子供みたいに)
 
担当の人たち、全然見てない感じ。
ラベルがなくても、大丈夫なんだな。
 
 
<2018年で、変わったなあとしみじみ思ったこと>
 
去年も、ニュージーランドにやって来た
いろんな人に会いましたが
 
eVisaになったからなのかもしれないけど
エージェントなしで来て、自分でいろいろやっている、という人が多かったです。
 
しかも、去年出会った来NZの日本人のみなさんは
全員が、エージェントなしで来てました。
 
全員が、っていうのは2018年以前にはなかったから
その変化に、へえ〜と感心しました。
 
 
私たちのビザも昔は、自分たちだけでやったのですが
 
ワーホリも留学もその他も、今はネットで調べて自分で決めるそうです。
英語自信ないけど、eVisaはできた〜っていう人も。
 
そういえば、息子の日本時代の友だちが
大手代理店の語学留学パックみたいのでNZに来た時のこと。
 
語学学校の生徒の半分が日本人で、半分が韓国人だったので
不満爆発の日本人の子たちを、息子の大学の講義に連れて行った
ということもありました。
 
夫の韓国人の生徒さんは、エージェントが韓国にあって
しかも今時、連絡方法が「郵送」なので
やり取りが遅すぎるし、勉強が本当に続けられるのかわからない、と
しょっちゅう心配してたそうです。
そんなとこすぐにでも変えたほうがいいよ、とアドバイスしてたそうですが。
 
私たちもその昔、永住ビザ取るのに
怪しいNZのエージェントに引っかかりそうになったことが。
払った15万円はちゃんと返してもらったけど。
 
どの国の人からも、困った話を聞くから
 
誠実なエージェント選びって、難しい。
 
 
移住エージェントとか弁護士とかその道のプロに、お金出してても
不正につながっちゃうこともあるから。
 
とにかく。
「自分でできそうなことは、自分で」する人が、増えたみたいで
頼もしく感じた2018年でした。
 
 
<入国してからのほうが、大変。>
 
っていう声を、多く聞きます。
 
仕事仲間。
 
旅仲間。
 
勉強仲間。
 
子育て仲間。
 
困った時に、ピンチ回避のアイデア出してくれたり
こうしたいって燃えてるのを、大丈夫だよ!って背中押してくれる
 
「仲間」がいると、
「仲間」を見つけると、うまくいくんじゃないかな。
 
ただでさえ理不尽がふりかかってきやすいから、ニュージーランド暮らしって。
海外暮らしは、とも言いかえられるかもしれないけど。
 
 
「わからないことは、なんでも聞いてね。」って自分はよく人に言うんですが
 
自分で何がわかってないのか、わからない人も多いと思います。
 
気をつけていないと、マズイことにも
気づかないで、スルーしちゃうことも。
 
子育て中だと
自分一人生活よりも、もっとわからないことに遭遇するでしょう。
 
学校なんかは、あれでも説明しているつもりだけど
初めての人には、わからないこといっぱいだと思います。
 
もっと無駄を省いて、ややこしいシステムをやめて
わかりやすく説明すればいいのに
 
学校だけじゃなく、NZ暮らしの中で
「シンプルでいいのに、わざわざ複雑にして悦に浸ってる」現象を
いろんなところで遭遇しませんか?
 
たまに耐えきれなくなって、ついNZ人に訴えることがあるんだけど
すごく同意してくれて
彼らのイライラ話を、ぶちまけてきます。
 
 
トラブル回避の方法を教えたり
これは気をつけておくといいよ、
こういうのは気にしなくて大丈夫だよ、っていうのを
 
新しくやってきた人にも、
もっとシェアしていってあげたらいいのに。
 
それで、それぞれのニュージーランド暮らしが、もっとうまくいったらいいのに。
 
 
普段、子育て仲間とは
NCEAやらCambridge、
IB (International Baccalaureate)のこととか
よく話し合います。
 
どれがいいかは、その子の特性や性格にもよってて。
 
 
それと同じように、トラブルに遭う人にも
いろんな人がいて、解決方法もいろいろある。
 
大多数のやり方が、その人の「困った」に合うとは、限らないわけで。
 
 
これまで
NZでは、幼稚園から大学まで3人の子育てをしてきて
先生とはよく交流をするし、夫も長年教育現場にいるから
実際してきた経験や視点やアイデアが、
自分の中にいっぱいいっぱいつまっています。
 
 
それをご縁があって出会った人に、役立ててもらったり
一緒に考えて、力になることは、とても楽しい。
 
2018年を振り返ると、
誰かのお役に立つことができたことが
やっぱり、うれしかったです。
 
 
お人好しなのを利用されて、裏切られて
お人好しな自分を卑下して、追い詰められたこともあったけど
 
誰かのお役に立てて、やっぱりうれしいから、いいんだこれで。と
思えた2018年でした。
 
 
これからニュージーランドにやってくる人も
がんばりすぎて、疲れてしまっている人も
 
世話好きな人や、仲間をぜひ見つけてほしいです。
 
私を見つけたら、ぜひ声かけてほしいです。
 
まず、話を聞くことは、できるから。
 
これからの2019年も、ご縁のある人たちと
やさしい気持ちを分かち合いながら、暮らしていきたいです。
 
 
 
 
ビザは、光らなくなったけど。
 
海外で暮らすのに
自分で試行錯誤しながらやってもいいし
誠実なエージェントのお世話になってもいいし
味方を探して前進するのでもいいし
 
「ニュージーランド移住」もいろんな方法で
自分に合う方法で、やる人が増えてきて。
 
なんだかいいなぁと
 
しみじみ感じた新しい年の始まりでした。
 
 
 
eVisaでいいのに、ラベルをつけた太っ腹な方へ。
 
そのラベルは、どんなラベルか?ピカピカかなのか?
 
気になるので、ぜひ教えてください!
 
 
 
 
 
 

助けを求めていい社会へ。「自分には関係ない」でいいの?

先日、ニュージーランドの
Jacinda Ardern ジャシンダ・アーダーン首相から、メッセージが届きました。
 
「子どもの貧困削減法案」が国会の第3読会で可決され
じきに、法律になるそうで
 
子どもの貧困を減らす社会づくりに向かっています。
 
 
私はわが子の毎日のランチ作りで、
ランチが足りないよその子に、あげられるように
いつも多めに持たせてきました。
小中学校と7年間くらいでしょうか。
 
ちなみに、住んでるところは小中高デシル10です。
 
Decile デシルというのは、政府機関がNZの公立の学校を
10段階で評価したもので、生徒の保護者の
  • 年収
  • 職種
  • 一部屋あたりの人数
  • 最終学歴
  • 収入サポートを受けてるかどうか
 
で、決められます。
 
一般的に学校のデシルは、裕福な家庭が多いと高くて
貧困な家庭が多いと低いと言われています。
でも、高いと必ず教育環境がいい、というわけではないですね。
 
うちは裕福じゃないけど、裕福層が多いはずのこの地域でも
お弁当を毎日しっかり持ってこれない子が、いつもいたんですよ。
 
気づいたのは、ある日お腹すかせないよう多めに作ったら
自分じゃなくて、ランチほとんど持ってきてない子がいたから、あげたと
子どもが教えてくれたからでした。
それはいかん!と続けることにした「多めランチ」。
 
それだけではないけれど、ずっとどこか胸を痛めながら
ニュージーランドで子育てをしてきているので
 
「子どもの貧困=家庭の貧困」という
根本的な現実に、やっとテコ入れできるのが
ジャシンダ同様、私も心から本当にうれしいです。
 
 
「子どもの貧困」を減らすことは、
NZ Labour党のずっと主張していた問題で
 
前・National党政権は、去年の総選挙の数週間前まで
子どもの貧困問題は存在しないと主張していました。
 
 
でも去年10月に、NZ Labour党主導政権が誕生してから
100日以内に法案が提出され、やっともうじき法律になります。
 
長年、経済政策を最優先にしすぎて
ゆとりのある一部国民に有利だった社会を
生活に苦しい国民にも恩恵が行き渡る社会にするには、時間がかかるし
社会的に苦しい人がみんな、一気に楽になるほど
それは、簡単なことじゃないけど。
 
それでも、助け合うことで慈悲深く、包容力のある社会づくりに
向かっていこうとしています。
 
 
子ども達が健康に育つ環境のための法整備は、
 
家族が十分に養っていけるよう経済面や生活面のサポートや
体の病気だけでなく、メンタルケアの医療サポートを増やしたり
学校や教師を増やしたり、教育制度の改善をしたり。
未来の世代のために自然環境を守ることまで、多方面に渡ります。
自然保護区域の採鉱やマイクロビーズも許可されません。
 
現在のNational党党首、サイモン・ブリッジが
以前環境大臣だった時に許可した
反対意見の多かった、油田・ガス探査削掘も、今後は許可されません。
 
そういえば、先日
彼が大臣だった時に、環境政策に反対していた
グリーンピース、Green党、IWI(部族)グループらに対して
グリーンピースに対しては、6年間もの間行われていたそう。
 
サイモン・ブリッジは、政権掌握のために
Green党に手を組もう、と図々しくラブコールを送っていたけど
無神経すぎる。。。
 
 
***
 
今年の10月に行われた、政党支持率の最新の世論調査。
 
 
NZ Labour 45%
National  43%
Green  7%
NZ First 5%
 
 
今回、NZ Labour党の支持率は、
去年まで9年間政権にあったNational党を上回りました。
 
でも、全然楽観できないです。
NZ Labour党メンバーとしては、
胃が痛いくらい、気が抜けない。
 
だって、まだ43%もNational党を支持する人が。
 
National党は、政権を握っていた9年間
経済最優先で国民の一部を優遇することで、貧富の差を拡大していった
責任があります。
福祉政策おざなりだったのに、まだまだ支持率が高いじゃないですか。
 
海外から移民をどんどん入れるのに
教育費削減で、教師の数はどんどん減って、負担だけ増えて
医療費削減で、治療が遅れたり受けられない病人が増えて。
住む家が足りないのに、まだ海外から移民をどんどん入れて
優遇した永住者を、党の支持者にすることで、支持層を固持して。
 
だから、「有権者の半分は、National支持」が揺るがないんです。
 
政権を握っていた9年もの間
ホームレス問題、住宅、教育現場、医療現場の危機
メンタルヘルス問題も「危機的状態ではない」と主張してきて
ちゃんと手を打ってこなかったのに。
 
 
圧倒的に教師が足りないし、生活に苦しむ国民が多い社会にした責任は?
こういう政党なのに、まだNational党を支持する人が 「43%」もいる。
 
National党を支持するということは、どんな理由であれ
ホームレスも、空腹でひもじい子供たちも
治療が受けられないで病気が悪化する患者も、
勉強がわからない生徒も、激務で十分に生徒全員に向き合えない教師たちも
泳げないほど汚染された河川も放置しながら
「クリーン・グリーン・ニュージーランド」ってを掲げつつ、進んでる環境破壊も
改善しないでほったらかしてきた政治を、社会を支持しているってことです。
 
私は、身近に精神を病んでいる若者がいるから
教師である夫の周りにも、精神的に苦しむ人が少なくないから
National政権のやってきた、ほったらかし政策は心底許せないのです。
人でなしですよ。本当に。
その人でなしに、権力を与える人たちも理解できません。
 
あるNational党支持者は、今年実際に
「貧乏な子供のことなんて、私には関係ない。」って
私に面と向かって平然と言い切りました。
でっかいボートが庭にある、でっかい自宅の前に立って。
 
自分たちが放置して悪化した問題を、
新政権が改善するための資金を、無駄使いと非難しながら
野党党首のサイモン・ブリッジは、3ヶ月超の演説外遊にリムジンに大金使って。
 
これは無駄使いじゃないの?
 
首相のジャシンダの外遊では、バンだったけど。
 
<自分(と自分のまわり)がよければ、いい。>
 
南青山に児童相談所が建設されることに、一部の住民が反対していますよね。
 
児童相談所じゃなくて
「青山ブランドの価値が下がる」って言ってる人の心が
青山ブランドの価値が下げてると思うんですけどね。
こういう住民の住んでる地域なんだなあ、って。
 
虐待を受けたりDVにあって、傷ついている子やお母さんを救う場を
地域社会の一員として、作りたくない人たち。
 
いつか自分や家族、友人、子孫が
虐待を受けたり精神を崩したり、生活が脅かされたりする状況に
おちいるかもしれないっていう、想像力がないんですよね。
 
夫の国のイギリスじゃ、ひどいことに
59人に1人がホームレスです。
 
困った状況になってしまうのが、自分かもしれないのです。
 
社会的強者だと思っている人とその身内が、
いつまでたっても何世代も、社会的強者であり続けるという
揺るぎない確信は、どこからくるのでしょうか?
 
想像力がないから、いつまでたっても他人事。
 
もう地域地域が、虐待だけにかかわらず
さまざまな現実問題を「自分ごと」として
直視して立ち向かわないと、未来はないんじゃないでしょうか。
 
 
偶然見つけた、田村勇人弁護士のブログの中に。
 
他人の子も自分の、自分が生きた社会を引き継いで自分を覚えていてくれる大切な存在と思えないのでしょうか。こういうときに感情に訴えかけて解決する政治家が欲しいです。
 
同じように思っていたので
そうだそうだ、とうなずきました。
 
先日亡くなった父がよく
「自分の子もよその子も、おんなじように可愛いもんだ。」と言ってました。
 
なんで、自分の子のように助けてあげようって思えないんでしょうね。
そういう人って想像力が足りなくて、思考停止してる感じです。
 
誰にでも起こりうることなのに
「自分には関係ない」と
苦しんでいる子やお母さんを、思いやりで手助けをして
包んであげる社会の一員になろうとしない人たちに
危機感を感じます。
 
でもこのことに関しては、日本では
「自分たちさえ良ければいい、温かみのない人」に
反対する人が多いようなので、ホッとしました。
 
 
 
でもここニュージーランドでは、繰り返しますが
「自分たちさえ良ければいい、福祉を軽視する政治」を支持する人が
今でも43%。
半数近くいるのです。有権者の、半分。いつもそうなんです。
 
リベラルだと「思われてる」ここニュージーランドで
半分の大人が、社会的弱者はほうっておいていいのだ、と
思っていることが、私は怖いです。
 
 
 
イギリスのメディア、INDEPENDENT インディペンデントを読んでいると。
 
 
ニュージーランドは、OECD加盟国の中でも
女性に対する性的・身体的暴力が多い国で
先進国中では家族間暴力の発生率はワースト1、なのだそうです。
 
NZでは、3人に1人の女性が、
パートナーから暴力を受けている。
 
そのうち助けを求めるのは、
暴力の被害者の20%、性犯罪の被害者の9%のみだと考えられるそう。
 
ジャシンダの率いる現政権では、前政権よりも家庭内暴力対策費を30%増やして
第一線の社会事業に4年間で7600万ドルを支出するそうです。
 
(これもNationalの政治家と支持者は、反対するの???)
 
ただし、ニュージーランドには
男性はタフであることを重んじる文化が根強くあって
その文化の中に女性の扱いが暴力的なことも含まれていることが、多々あるので
 
この根深い考え方を変えていくには、時間がかかるだろうということです。
 
 
ニュージーランドの数字が語るように、
暴力被害にあった人は、ほとんどが助けを呼んでいません。
 
だから、港区に児童相談所ができて
「助けて」って言いづらい人、言うのが怖い人が
人混みの中からフラッとでも、助けを求めに行ってくれたら
本当にいいことじゃないですか。
もっと逃げてきて。
 
 
大人たちが、子供達に伝えたい、残したい世界って?
 
「助けて」って言っていい社会を作れない大人たちは
 
苦しんでない人だけが、
一部の選民だけが生きていける社会を、残したいのでしょうか。
 
 
フランスの国民連合の政治家と、取り巻く支持者たちを取材した
AL JAZEELA アルジャジーラの潜入ルポを見てたら
 
やっぱりこんな考えの人たちが、大多数になったらいやだなあって。
「排斥」って言葉と考え方が、しょっちゅう出てきてて。
 
世界を見渡しても
「自分たちさえよければいい」が、少なくなくて
こみ上げるのは、怒り。
 
自分たち、に入ってない人たちは、どうなるの?
あなたの言う「自分たち」に、私は入っているの?
 
<一度しかない人生。
どういう社会で自分は生きていきたいのか、次の世代に残したいのか?>
 
ニュージーランドでは、移民であっても
永住権や市民権があったら、参政権があります。
 
ニュージーランドには、NZ LabourとNational、
政策の違う二大政党がありますが
 
こうだったらいいなという、社会づくりに移民でも参加できるのです。
 
だから、選挙権のある人は
この国がどういう国であったらいいか、
しっかり考えてみんな投票するべきだと、私は思います。
 
選挙権のない人たちの分のためにも。
 
選挙権のない人たちも、地域社会にとけ込んで
社会の一員になることで、できることいろいろありますよね。
 
できる範囲で、できることを。
 
「自分だけ良ければいい」感情って、しぶといから
 
「みんなが、自分とみんなのこと考える」社会にするには
努力したり、闘ったりしないと。
ぼーっとしてて自然には、ならないですよね。
 
だって、闘い続けてても
この国みたいに、半分は「苦しい人を助けたくない」で
占められちゃうんですから。
 
私の背中は、子供たちに見られているので
 
これからも、残していきたい社会のために
できることしていこう、と
 
強く確信する今日このごろなのでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

抹茶が堪能できる「辻利・オークランド店」に行ってきました!

抹茶大好きな私。
 
オークランドに「抹茶が味わえるお店」ができたというのを
小耳にはさんだので、夫と一緒に
「辻利茶舗 TSUJIRI」に行ってまいりました(^^)
 

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グローバルサイトには
まだ、ニュージーランドのオークランド店は載ってませんね….(汗)
 
でも大丈夫なのだ。がんばれニュージーランド!
 
 
「辻利」というお茶のお店は、萬延元年(1860年)創業の
京都の宇治茶の老舗だそうです。
 
 
そんな、すごいお店の抹茶がニュージーランドで味わえるなんて!うれしい!
 
***
 

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「辻利茶舗 TSUJIRI」
オークランドの10 Lorne Streetにあります。
 
週7日営業、朝11時から夜10時までやってるそうです。
Queen Street から
Victoria Street Eastを入って(Farmersとスターバックスの間の道)
1本目の道、Lorne Streetを右に曲がって歩いていくと
左側に、ICLビジネススクールがあるので
その隣に「辻利茶舗 TSUJIRI」の黒い看板が見えますよ。
 

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平日の夕方近くでしたが、外にも行列が。ワクワク。
 

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デザイン好きなので、お店の外観・内観もとても好みでした。
 

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壁には「抹茶のできるまで」が。
 

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列が進むにつれて、抹茶のロールケーキに目がクギ付け!
 
夫とロールケーキにしようか迷いながらも
メニューを眺めて、あれこれ考える私たち。

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アイスクリームやシェイクは「抹茶」じゃなく「ほうじ茶」も!
ほうじ茶のアイスってどんな味だろう???
 
それに、夫の大好きな「ゆず」が!
ゆず茶やシェイクになって。
迷ったから、行列の待ち時間があってちょうど良かったです。
 
結局、初めての辻利だったので
私の中で王道の「辻利かき氷 TSUJIRI Shaved Ice」$10.80に決定。
 

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写真撮ってて、アイスが溶けてきちゃったので、いただきます。
 

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抹茶アイスは、抹茶がちゃんと「ガツンと濃くて」
口の中に入ったとたん広がるインパクトがあるのに上品な味。
 
日本暮らしの長かった夫も、
「石臼で挽いたばかりの茶葉を食べてるみたいだね。」と。
そんな経験ないのに!(笑)
抹茶アイスを堪能していました。
 
でも、まるでそんな体験をしているかのような
イマジネーションを掻き立たせてくれる豊かな味でした。
 
あんこ大好きの夫が、あずきにも感動。
あんこは私も手作りしますが
(海外生活だと、和のおやつは手作りになっちゃいますよね)
今度のは、豆の形を崩さないで煮てみようかな?
抹茶かき氷とすごく合ってて、私も幸せ感いっぱいになりました。
 
久々に味わう栗も白玉だんごも、そのままで
「なんて美味しいんだろうねぇ。」しみじみ語り合う私たち夫婦。
 
味薄くなるかな?と思ってた、
抹茶のかき氷も、最後まで抹茶。
 
抹茶って、味も素晴らしいけど
「抹茶の緑」が素晴らしいのですよね。
思えば子供の頃から好きだったな。
 
そういえば、いつもの「ほぼ日手帳」も2019年のは、抹茶色。
自分の中では「原点回帰色」なのかも。
 
この前久しぶりに帰った日本で、
兄弟と抹茶スイーツを食べ歩いたのだけど、
楽しみにしてた抹茶アイスが、どれもおしとやかすぎて。
 
日本では物足りなかったのに、
NZで豊かな苦味に出会えるとは、思ってもみませんでした。
 
この日もおいしい物好きのアジア人を中心に、お店は賑わっていました。
 
 
前の女性が、本当に美味しそうに
「抹茶のロールケーキと抹茶(ダブル抹茶)」をていねいに味わってて。
また並んでおみやげに買っていったので、たまらず
わが家でもおうちでみんなで分けっこ用に、ロールケーキを買いました。
 
夫も、今度生徒さん達を連れて行くのだそうです。
 
ほうじ茶アイスやゆず茶も気になるので、
一緒にまた行くつもりです。
 
値段が高くて入れない所ばっかりじゃなくて
こういう「ステキな質の高いお店」が、
これからも増えてくれると
ニュージーランド住民としてもうれしいですよね。
 
 
「ステキな質の高いお店」のみなさま
ニュージーランドへの出店、どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
辻利さん、幸せ気分になりました。
どうもありがとうございます。
 
 
おいしかったので、ぜひ。おすすめですよ。
 

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「辻利茶舗 TSUJIRI」
 
10 Lorne Street, Auckland
朝11時〜夜10時 
週7日営業
 
 

ターニングポイント。

 
いつも鍛えてて、元気だった。
 
と思っていたガンコな父が、突然逝ってしまったために
11年近くぶりに帰った日本。
 
父は、同い年のスーパーボランティア、尾畠さんのように
まだまだ活躍できるような人、のはずだった。
 
終活をしていなかった父の膨大な後片付けがあるし、突然残された母のことが心配で
ママは家族をNZに置いて、ひと月半日本にいることにした。
 

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父が孫達をよく連れていったお寺。
 
その間に
初めての孫である私達の長男が生まれてから
何度も孫達を連れて、にぎやかにお参りに行ったお寺を
今回初めて、一人で散策。
 
静かだった。
 
父の体はもうないのに
ここに、父の姿をもう見ることがないという事実が
何だか受け入れられなかった。
 
何回もみんなで来た時と、一人歩く今が重なって
あれ、夢かな?と思ったりして。
 
違うんだけど。
 
 
「ごめんね。あんまり突然で。あんたが帰ってくるまで父ちゃん、
長生きさせられなかった。」
 
子育てや生活に追われて、一度も帰国する余裕がなかった私に
電話口でも実家に帰ってからも、そう謝り続ける母。
 
「お母ちゃんのせいじゃないよ。」と説得してわかってもらうのが
お姉ちゃんの最初の役目となった。
 
 
<自宅で亡くなる、ということ。>
 
「あの日に限って、なんで寝過ごしたんだろう。」
 
いつも超早起きの母が
その日の朝は
たまたま、遅く起きた。
 
父の骨の手術の準備のための病院通いで
母はくたびれていた。
 
前の晩には、いつものように薄いお湯割りで晩酌をし
いつものようにお風呂に入る、父。
 
昔は、お風呂が先で晩酌は後だったのに
いつの間にか変わってしまったらしい。
それを注意したところで、一切聞くわけもない父なのだけど。
 
「お風呂沸かそうか?」と言う母に
「いや、自分でやるからいいよ。」と返した父。
 
それが、最後の姿になった。
 
たまたま母が長寝した次の朝に、父はもう帰らぬ人になっていた。
 
たった2日前。
決して難しくない手術だけど、NZから電話で励ます私に
「手術が終わったら連絡するから。」と
いつものように、前向きで元気な声を聞いたばかりだったのに。
 
父は「自分はこうやって死ぬ」ということを伝えていたのは
家族の中で、どうやら私にだけだったらしい。
 
だからその通りに本当に死んじゃったから、仰天した。
しかも、こんなにも早く。
周りの誰もが、しぶとくあと10年20年
生きるに違いないと思っていたのに。
 
当日も、長年の日課の筋トレをちゃんとしていた。
 
自分がつらい姿を見せるのをすごく嫌う人だったので、
父らしい最期といえばそうなのかもしれない。
 
 
母は、驚きとショックで呆然としているのに
自宅で人が亡くなったということで、
検視やら何人もの警官からの質問責めに、対応しなければならなかった。
 
昔は石原裕次郎ばりで、プライドの高い夫の
変わり果てた最後の姿。
寒いだろうからと、毛布をかけてあげることも
さすってあげることもできなかったそう。
それが母には、すごく応えた。
 
父の最期は、多くの人から
「ピンピンコロリ」で理想的な死に方だと言われた。
 
でも残された母には、元看護婦であっても
あの夫の最後の姿は、相当やりきれないものだったらしい。
 
「庭の竹林を眺めながら、迎える穏やかな死」を願っていた母は
家で死ぬのはイヤ、危なくなったら病院に入れて逝かせて、と言うようになった。
 
 
<尊厳死の法制化の動き>
 
葬儀や後始末、手続きに追われていると
ありがたいことに、たくさんのご近所さんが声をかけてくれた。
 
その中で
『尊厳死宣言をする人が増えている』から私もするわ。」と言う声がいくつかあった。
自民党が終末期医療のあり方に関する新法制定を
検討するというニュースもあった。
 
連れ合いが亡くなるのは悲しいことだけど、70代80代にもなると
生きている人間の「これから」を考えるほうが大事だ、という。
そんな先輩未亡人達と母の会話に、横で耳を傾けた。
痛いのは嫌だけど、家族に迷惑かけたり
たくさんのチューブに繋がれてまで自分は生き続けたくない、と。
それは、私でもそう思う。
 
母も自分の母親を
「なんであの時、あのまま行かせてくれなかったんだ」と
言われながら看取ったのを悔やんでいる。
100歳近くまで生きた義母も、もういいから早く逝きたいと願っていた。
だから母は、自分はあんな風に、自分の意思に反して生かされたくないと思っている。
 
終末期医療で、延命措置を望まないことを自ら意思表示するための文書は
事前指示書や意思表明書とか
リビング・ウィル、とか言うそう。
 
 
尊厳死宣言公正証書
 
 
初めて葬儀を出すことになった私達実家の家族には、
知らないことがいっぱいあったので
兄弟が「親の没後の手続きの本」を買ってきた。
そこにも終活準備やリビング・ウィルの作成方法とかが書いてあった。
 
突然父ちゃんが死んで猛烈に後悔して悲しいというのに
母ちゃんの死ぬときのことまで、考えなくちゃいけないのは嫌だったけど
母ちゃんの意思を可能な限り尊重したいから、それは大事なことだった。
 
 
長男の嫁として、それなりに嫌な思いをしてきた母の愚痴を、延々と聞いた日々。
 
NZで同じように、いつも電話で聞いてたことだけど
「母ちゃんの不満の毒出し」が必要だろうと思った。
ひと月半、思い切って日本に帰ったのにはそういう理由もあった。
 
長いこと母や兄弟の話を聞いていると、今年に入ってからの父は
本来の父とは違うようだった。
 
人に言われていることがちゃんと理解できなくて、チグハグな返事になって
周りが自分の言ってることを理解できていないのを
父自身も感じていた、と兄弟は教えてくれた。
それでも兄弟のおかげで、父はギリギリまで仕事を続けていられた。
 
本当は優しいのに、もともと口が悪く頑固だったから
母と言い合うこともよくあった。
 
そのせいで、このところ父の頭は混乱していて
怒りっぽくなったかと思うと、子供のようになったりして
本来の父とは違っていたことにも、母は気がつかなかった。
 
得意な事、仕事、車の運転はしっかりできていた。
それ以外が、頭の切れる父が、チグハグになっていった。
何度も私や孫達に咎められて、やめる努力をしていたタバコは
たがが外れたように、起きてる間はずっと吸っているような状態になってしまった。
 
手術するからタバコは厳禁、と
お医者さんにきつく止められていたのに
全然やめるどころか増量していった。
案の定、タバコのせいで起きる症状が出てしまって
あっさりと父をあちらに、連れていった。
 
でも死んで、やっと落ち着いて振り返る余裕ができたから、
この頃混乱してて、不自由でつらかった父のことを
家族で考えることができた。
だから、大変だった父の言動を持ち出して
もう腹立てる必要はないよね。母ちゃん。
 
長年溜まっていた母の中の淀みを思い切り吐き出した後で、
もう(口うるさい)父ちゃんはいないんだよ、
母ちゃんの好きなように生活していいんだよ、とわかってほしかった。
ずっとそばにいることはできないから。
 
うわさ通りおもしろい「チコちゃん」に、母娘で笑いながら。
 
これからは、好きなように暮らしてね、と話した。
 
 
<年輩者を食い物にする消費社会>
 
父の片付けをしていたら、
今どきこんなに複雑な、スマホやインターネットの手続きあり???とか
お年寄り一人の体に、こんなに摂取する必要があるのか???
というほどの大量の健康食品を、あちこちから定期購入していて。
 
母はまったく把握していなかったので、
スマホ解約にも代行業者マルトクに、違約金一万円
ネット回線のための光デジの違約金も、九千円以上。
とにかく出国ギリギリまで、解約手続きが続いた。
 
本当に私でもイライラするあんな複雑な手続きを、お年寄りにさせて
混乱させて解約しづらくして、
他の安くていいサービスに移行させないようにしているのが
見え見えで、悔しい。
 
お年寄りが拒否しても、丸めこもうとするのが多くて
こんな業者に、私たちの親は狙われているのだ。
 
 
固定電話も、勧誘ばかり。
ある日なんかは、夜9時に大きな声で電話がかかってきて。
 
バカ:あのね〜!北海道の漁港でカニの販売をしてるんだけど、おたく〇〇〇〇さんちだよね〜?
 
私:…..どういうご用件でしょうか(怒)?(〇〇〇〇は父の名らしいが、読み方が全然違う)
 
バカ:もうすぐ年末だから、〇〇〇〇さんカニどうかな〜と思って!
 
私:…..あのですねえ!!!(怒怒怒 本人死んだんですけど!)
 
バカ:あああぁ。もういいや。(ガチャン、と切れる)
 
 
こんなの、私が出たからよかったけど
母が出たらきっと怖かっただろう。
別の日には、無言電話もあった。
だから固定電話もなくすことにした。
そういう奴らを許せない兄弟達が、近くで目を光らせてくれるだろう。
 
<終活の大切さが、身にしみた。>
 
職人気質の父は、とにかく息苦しくなるほどに物が多い。
それを処分するのも大変だけど、
後始末で困ったのは、銀行口座の名義人死後の解約だった。
 
預金額が少額だと、通帳とハンコといくつかの書類記入で解約できた。
 
本来は夫婦である相続人の母が書くべきなのだけど、
母は疲れ切っていたので、私の手続きでも大丈夫だった。
ただ母を、銀行や役所には連れて行かないといけなかったけど。
 
数十万円以上になると、父と相続人全員の(妻・子供)戸籍謄本と
相続協議同意書、実印、印鑑証明が必要になった。
 
戸籍謄本を請求しても、役場によっては
父と子供の関係が記載されていないところもあって
「原戸籍」というのを請求しないといけなかった。
 
そして、日本で実印のない私は
NZに戻って日本領事館から、サイン証明と在留証明を請求して送らないといけない。
 
仕事や小さい子の育児で忙しい、日本の兄弟達の負担にならないように
できる限りの面倒な手続きを、私が済ませたかったんだけども。
 
家の重要な書類のありか、印鑑、暗証番号や通帳や預金、保険があるのか?
いくつあるのか?
名義変更は誰にとか。
元気なうちに家族に分かるように
「書面やノート」に残してもらうのって、とても大事だなって思った。ホントに。
 
うちの母も、子供達があちこち駆け回ってるのを見て
「いざという時のための指示書」をこれから残すつもりだそう。
残った子供達が大変だから。
 
 
<親の死を受け入れられるのは、いつだろうか。>
 
どうしても、後悔の念は押しよせてくる。
波のように。
 
NZ移住の時、成田空港であわただしく握手をしたのが
あれが最後の父の力強いぬくもりになろうとは、露ほども思わなかった。
 
10年以上も、日本に帰らなかった。
 
ごめんなさい。
 
育児と生活で精一杯だった。精一杯すぎてた。
 
あの頃。不当解雇にあったことも労働搾取も
何年もかけて闘わないで
他の人みたいに「なかったこと」にして
両親の元気なうちに、顔見せに帰ればよかったんじゃないか???
バカじゃないか?私。
 
よその国の政治に首突っ込んで、
国全体のためだとか政治活動してないで
両親との時間を過ごせばよかったんじゃないか???
 
 
ある人が、父親の死を受け入れられるまで3年かかった、と
この前教えてくれた。
それくらいは、かかるものなんだろうな。
 
 
本当は、葬儀にも出られないかもしれないピンチがあった。
 
ここには書かないけれど、
ピンチを救ってくれたNZの人達の思いやりのおかげで
通夜には間に合わなかったけど、
葬儀には間に合うことができた。
 
骨になる前に、父ちゃんの顔を最後になでてあげることができた。
 
骨壺に全部入りきらないほど立派な骨は、全部入れるために
火葬場でバキバキ砕かれてしまうことに、私達は驚いた。
 
それでも残った立派な骨を分けて、NZに連れて帰ってきた。
生きている時は、来ることのなかったNZに。
 
忙しい私達に気を使って、遊びに来なかった私達の家に。
 
念のために、火葬許可証を翻訳して持ってきたけど
空港で「父の遺骨なんです。」というと
同情されたのか、それはいいよと言われて。
翻訳を見ることもなく。
 
 
ほんとは、もう少し子育てが落ち着いたら
ミルフォード・サウンドとか連れて行ってあげたかったんだよ、父ちゃん!
 
ほんとに、もう、逝くの早すぎるよ。
 
 
「お前は、一番父ちゃんに似てフロンティア精神があるから、頑張れ。」と言って
NZ移住に送り出してくれて、孫たちの成長を喜んでくれていた父。
 
私が簡単に帰れないのを知っていて
会えなくて寂しいのを、言わないでいてくれた。
 
 
海外暮らしじゃなくても、親と離れて暮らしていれば
後悔すること誰にでも、起こり得る事だろう。
 
これを読んでくれているあなたに、ご健在の親御さんがいたら
ぜひ、会って話す時間を作ってくださいね。
 
元気だ元気だと思ってたら、
別れの時がきてしまうのはあっという間だったから。
 
 
さあ。
日本に帰るのに、仕事辞めなくちゃならなかったから
新しく仕事見つけなくちゃ。
 
がんばろう。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

親の死に目には、会えなかった。やっぱり。

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主のいなくなった、サボテン達。
 
 
親と離れて暮らしていると、なかなか親の死に目には会えないらしい。
 
海外暮らしだと、もっとそうなんだろうな。
 
***
 
突然、父はこの世から旅立っていった。
 
11年近くも会えていなかったのに。会わないままで。
 
近所でも人一倍元気そうで、まだまだこれからというのに。
 
死ぬ2日前の電話では、いつも通り元気に笑い合ったのに。
 
本人もまさかこんなにあっけなく逝くとは、思わなかったのだろう。
終活なんて全然してないで、放ったらかしで。
 
職人の父のモノと道具が、家中所狭しとあふれ
家の外にまでこれ見よがしに、牛耳っている。
 
俺は、ここに居たんだ。
 
「片付けできないから、あと頼むよ。」と言ってるのだ。きっと。
これまでのように、私ならなんとかしてくれると勝手に期待して。
 
悲しむ余裕もないほどの後始末に、追われる。
悲しまないよう、山のように後始末を残していったのは
父ちゃんの優しさ?
 
主のいない、息苦しくてめまいがするほどに魔境化した「俺の城」を
一人黙々と、呼吸ができるように片付けていくのは
 
家族の中で、一番の適任者の娘である私にとっても
突然の別れを消化していくのに、必要なプロセスとなった。
 
毎日を共に過ごしていたからこそ、気づけなかった母のためにも
いろんな小さなことでも、気づきやすい私が引き受けた。
 
この頃は、こんな風に動けて整理ができてた。
この頃には、こんな風に動けなくなって、整理もできなかった。
 
もどかしいさ、あきらめ、怒り、悔しさ、思いやり、希望。
 
本人はいないのに、うずまく感情の中で
黙々と作業をする。
 
頑固で人に弱々しいところを、見せるのが大嫌いな父は
どうしようもなく弱くなる前に、人生を終えた。
 
あっけなく幕を引いたけれど、父ちゃんらしい。
 
人にも立派だった、うらやましい死に方だったと言われるから
エンドレスのような片付けに
うんざりしながらも、少しづつ現実を受け入れてきている。
 
会えなくて寂しかったのは、よくわかっていたよ。
 
小さかった孫達とは過ごせたし、
その孫達はそれぞれ夢を持って、未来に向かって生きている。
 
父にとっては、それが大きな希望で
何よりも楽しみなことだった。
 
自分の思いが、孫の世代にも伝わっていくことを
確かに噛みしめて
最後まで生きることはできたのだから、よかった。
と、思うことにしよう。
 
 
それにしても、およそ11年ぶりの日本はすごい違和感….
 
実家も自分が育ったとこなのに、すごく変な感じ。
 
久しぶりすぎて慣れない感覚が、落ち着かないけど。
 
強烈な浦島太郎体験は
 
なんだかおもしろい。
 
 
「俺が死ななきゃ、〇〇は帰って来ねえんだよ!」って
 
言ってるよね、きっと。
 
 
ごめんね、父ちゃん。
 
 
もう体なくなったから、いつでもニュージーランドに飛んできてね。
 
 
 
 
 
 
 

息子とAPD11。トマティストレーニングを続けてみて。

 
はぁ....風邪ひかないって、大事だな。
 
 
去年の今頃、診断された次男の聴覚情報処理障害(APD)。
そのあと、Tomatis トマティストレーニング
クリスマス前に始まって、9ヶ月が経過しました。
 
できれば、NZの高校卒業後の進学に重要な、今年11月の校外テストまでに
全部終わるといいなぁと期待していたけど、
 
最後の4回目セッションが、延期になってしまいました。
 

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原因は、この冬2ヶ月ほど続いていた風邪
 
この時の風邪はしつこくて。
APD障害の原因らしい中耳炎になった
4年前の風邪とそっくりでした。
咳と鼻水と、熱が上がったり下がったりして
嫌な感じがしていた。
 
治ったと思っててこの前受けた、トマティスの聴覚テスト。
指導してくれている先生のエスメに、
残念だけど、この前の風邪で中耳炎になってるかもしれないから
GP(かかりつけ医)に行って診てもらって、と言われました。
 
で、GPに行ったら
中耳炎ではないけれど、「鼓膜にハリがない」から、
鼓膜の向こう側に分泌物があると思う。
春になってもっと暖かくなったら、ひと月くらいで
自然に流れてクリアになるはず。とのこと。
 
次男にまったく自覚症状は(鼻水が出るとか)ないけど。
 
鼓膜、DULLって言ってた(泣)
 
ともかく鼓膜が、通常の健康な状態じゃないので
とにかく、今は鼓膜の回復待ち。
 
進学したい次男の希望を
高校最後の年だから、できる限り後押ししたいと言って
4回目のセッションを追加料金なしでしてくれるエスメ先生
いつも本当に、ありがとう。
 

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From: https://www.tomatis.com/en/sessions

トマティスのプログラムは、
1セッションが通常は
1日2時間で脳トレーニングを13日間(または1日1時間で20時間)。
そのあと、
定着期間(トマティスはお休みで、フォーブレインで発声トレーニング4〜6週間)。
 
で、聴覚テストしてそれぞれの状態に調整されたプログラムで
3〜4回セッションが続きます。
 
 
<トマティスをやってみて、よかったのか?>
 
次男は
一年前、障害があることがわかった頃にはすでに
その前に3年半、「プールに潜っている」ように耳の聞こえが悪かった。
 
だから進路を決めないといけないのはわかっていても
自分の成績で将来何ができるのか?
自分はどんな道に将来進めばいいのか?わからない
様子でした。
 
そして、障害があることがわかってから
ジタバタする私がこぎつけた、
トマティス(教育)と遠隔マイク補聴器(医療)のサポート。
 
その教育と医療の専門家が
「APDは、脳の障害だからトレーニングできるんだよ。よかったね。」
励ましてくれたおかげで、
堰を切ったように、
進学して「ある道」に進みたい、それしか考えられないと私たちに訴えました。
 
もちろん止めも反対もしないけれど
それは、去年までの成績では叶いそうにもない厳しい道でした。
 
でも一年経った今。
 
叶うかもしれない、に変わってきました。
 
去年のNCEA Level2と今年のLevel3の成績は、全然違います。
もちろんLevel3のほうが難しいのに、断然よくなっているのです。
 
それに、本人のやる気が全然違います。
 
険しい道だとはわかっていても、そっちに進みたいのが
ひしひしと伝わる。
 
私たち親は、止めも反対もしないけど
今は、もしや可能性がないわけじゃ、ないんじゃないか?という気持ちです。
 
そんなにやりたいのなら、とりあえずそっち方面に行ってみたらいいよと。
行くなら、本気でいけ!って。
 
だから私たちは、トマティスをやってよかったです。
 
「やるしかない」という危機感と
「面白そうだからやってみようよ」という好奇心が
私の中に両方あって、それを信じてついてきてくれた
次男本人と、夫にも感謝です。
 
<人間の体だから、合う合わないはあるはずで。>
 
「障害がある」と言われた去年の今頃は
日本でいう高校2年の終わり。
 
最初の改善法の可能性、遠隔マイク補聴器が高額で無理だろうと言われて
私には時間がなくて急いで「なんとかできる」方法を
早急に探し出さなきゃいけなかった。
 
それが、トマティスでした。
 
体験者の意見だけではなく、
研究論文と検証をたくさん、夜遅くまで読んで
勘で「これでいこう!」って、決めました。
 
選択するのは自分の責任。
 
結果はどうであれ、「何か」をやるしかなくて。
やらなきゃ、きっと後悔すると思ったから
結果が変わらなくても、自分が(母として)決めたこと。
あの時の衝動に従ってよかった。
 
だから、もしトマティスをやってみることを考えている人は
ぜひ研究や検証を英文だけど、読んでみることをおすすめします。
 
人のせいではなく、自分が納得して、決めること。
 
 
障害の診断と
進路決定と
改善サポートとの出会いが
たまたま一度に起きたことが、幸いだったのかもしれないけれど。
 
この一年で確実に、次男に変化が起きて
本当によかった。
 
成績が良くなっているのは、もちろんなんだけど
彼が、難しそうでもあきらめなくて
自立して生きる道を進みたがっていることが
親としては、一番うれしいんですよね。
 
***
 
このブログでは、「障がい」ではなく「障害」と書いています。
 
それは、この漢字の使い分けの話を次男にした時。
 
このニュージーランドで英語で
Disorder 障害
Difficulty  困難、と
気を使って使い分けられるのに、似ているかもしれないのだけど。
 
「どんな言い方にしたって、害は害だろ?鬱陶しいのに、変わりないよ。鬱、陶、しいの。」って
イライラして彼は言いました。
 
もちろん「障害」じゃなくて「個性」だという考えもあります。
 
でも、“Disorder IS DISORDER."って困っている本人がそう言っているので、
ここではそうします。
 
Tomatis トマティスでは、聴覚情報処理障害(APD)だけではなく
発達障害や学習障害、不安障害などにも対応しています。妊婦さんや言語習得にも。
 
ADHD
自閉症やアスペルガーなどのASD
全般的発達停滞(GDD)
強迫性障害(OCD)
反抗挑戦性障害(ODD)
不安障害
うつ
トラウマ
聴覚過敏….
 
学習障害(LD)では、
ディスレクシア(読解)
ディスグラフィア(書字障害)
ディスカルキュリア(算数)など。
 
 
聴覚情報処理障害(APD)は、ADHDやディスレクシアと混同しやすいそうです。
 
ちゃんと指示が聴こえていないからなのに、ADHDの注意力散漫だと思われたり
思考を書いて表現するのが、同年齢と比較して遅れがあるので
ディスレクシアだと思われたり。
 
なので確実に判定するために、APD専門の聴覚士だけではなく
教育心理学者による検査と診断が必要でした。
この次男のレポートだけでも10ページ以上あります。
 
その結果、息子にはADHDやディスレクシアはなく
聴覚情報処理障害(APD)のみ、です。
 
最近、日本でも発達障害や学習障害が語られているので、
よかったなと思っているのですが
APDの症状が
ADHDやディスレクシアに紛れて語られているような感じがして
どうも気になります。
 
次男のお世話になっている専門家たちも、
他の発達障害・学習障害などとの判別はとても難しいので、
適切な指導のためにも正確に判断されるべきだ、ってよく言ってました。
 
ADHDでは投薬をすることもあって、APDでは薬治療がないのに
ADHDと誤診されて不要な投薬をされでもしたら、大変です。
 
 
<「障害」じゃなくて「個性」だという考え>
 
次男は、友人やよその人に障害があっても
それは個性で、別に悪いことじゃないと思っています。
 
だけどいざ自分が、よく聴こえないようになって
イライラするその症状が障害だとわかってからは、
自分の身に起きているこれは、「障害は障害だ」と言っています。
 
本人が嫌気がさしてるから、私は懸命に改善法を探してきて
本人もまっすぐに取り組む。
母親の私がいくら「障害じゃなくて個性だよ。」と言っても、スルーするでしょう。
 
社会全体としては「障害」を「個性」と捉えてほしいと思います。
 
だけど本人の言う「障害の鬱陶しさを、できるだけなくしたい」
と思う気持ちも、尊重してあげたいのです。
 
親がいくら「障害」は「個性」だよと思っていても
 
子のほうは、成長したら
なんで障害をどうにかしてくれなかったんだ?と思うかもしれない。
 
移住者の英語習得において、夫の生徒たちからも
同じような意見を聞くことがあります。
親に対して、なんでどうにかしてくれなかったんだ?って。
 
本人が「生きづらさ」を感じているかどうか?もそうだけど
その本人が思ってなくても
本人の周りの大切な人が、カサンドラ症候群のように
「生きづらさ」に至るまで、苦しませてしまうのはいやだなと。
 
 
次男はこれまで、たくさんのいい友達に恵まれているけれども
最近よく聞く、カサンドラ症候群の人の葛藤や、つらさには
考えされられました。
 
次男の障害の場合、
彼のこれから出会う人々に、障害のせいで理解し合えない経験は
なるべくしてほしくないと思うから、できるだけのことはしていきたい。
 
「個性かもしれないけど、障害ではある。」と本人は、とらえています。
 
 
移住したばかりの土地で、
知らない文化と言葉と勉強についていくのに必死だった頃。
サポートの必要な生徒たちのサポートを
大人からのプレッシャーで
せざるを得ない状況だった長男。
 
娘のクラスでは
ある生徒の、小学校から高校でも変わらない症状に
日々困惑している、他のクラスメイトたち。
周囲に迷惑をかけてもわからないから、よく思われていないことも。
悪い子じゃないのに。
 
母親の私も、小学校から高校に入るまでずっと
知的障害のある友達の隣の席や同じクラスになっていた。
先生が、その子が私のそばにいると落ち着いているからという理由で。
それはその通りだったし、友達なのでちっともいやな訳はなかった。
だけど私の母のほうが、その子の親から
ありがとうの気持ちも何もないことを、よく思っていなかった。
 
その子がある日興奮して、私を突き飛ばしてしまい私が骨折した時も
その子の親からは謝罪も何もなかったから、母は怒っていたけど
母も、その子のきれいな心が好きだった。
残念なことに私が子供を持ったことを、なかなか理解してもらえなくて
家庭を持ってから会えなくなってしまったけど、40をとうに過ぎた今も
会えないけど元気でいてね、と願っています。
 
 
障害のある人を包む周りの環境が
いつでも、あたたかくあってほしいけど、そうとは限らない。
包むほうだって、感情のある、人だから。
 
何も、APDの症状を一切無くそうとしている訳じゃなくて。
絶対に聞き間違えはしない、とか
プランニングは完璧!とかそんなパーフェクトにならなくていいから。
 
APDがある人は、聴いて理解しようと人一倍集中するから
1日の終わりには、脳が人一倍疲れて
耳からの音の情報をシャットアウトしてしまうこともあるのです。
 
だから彼が自立してからも、このことで生きづらくならないようにと
できる限りの事をしているのです。
 
次男のこれから出会う人々が、不必要に困らないように
彼もそのことで、心を痛めないように。それだけなのです。
 
次男は、改善トレーニング始めてからたった9ヶ月で
本当に毎日が、ずっと楽になったのが見ててもわかります。
 
トマティスは、あと1セッションあるし
遠隔マイク補聴器も、最低2年は使用することになっています。
 
アメリカでは、5〜10人に1人
ニュージーランドでも、把握できているだけで20人に1人の割合に起きるAPD。
多くの生徒が、クラスの最前列で授業を受けるだけの指導しか
受けられていないそうだから
次男は、とても恵まれています。
 
だから多くの人に知ってほしい。
 
もし、つらさをどうにかしたいと思っていたら
 
こういう方法も、あるんですよって。 
 
 
トマティス・コグメド指導員のエスメ先生も
発達障害・学習障害者への教育指導をしているそうです。
 
だからAPDだけではなく
発達障害や学習障害、不安障害などがある人も
Tomatis トマティスで、症状を軽減、改善したい人がいるかもしれないので
本人の許可を得て、綴っています。
 
これはニュージーランドでの体験談ですが
どの国でも大体似たように、進められるんじゃないかなと思います。
 
 
 
 
 

こんなニュージーランドは、イヤだ。

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NZの10ドル札で見つめる女性活動家、ケイト・シェパード Kate Sheppard。
 
NZで暮らす人だけではなく
 
1年、3年、5年後
いつか、この国で暮らしてみたいあなたへ。
 
ちょっと、考えてみてほしいんです。
 
 
ニュージーランドが、他の「海外暮らし」とちょっと違うところは
 
「移民でも、永住権があれば投票できる」ということ。
 
 
***
 
1893年9月19日。
この日、ニュージーランドでは選挙法1893が制定され、
世界で最初に全女性に選挙権が認められました。
 
NZの婦人参政権運動団体の主要メンバーであり、イギリスから移住してきた
ケイト・シェパード Kate Sheppardを始めとする活動家たちの
長く厳しい闘いの末に、勝ち得た権利です。
 
そしてこの9月には、
ニュージーランドでは女性の参政権125周年記念がありました。
 
 
人気コメディ「The Funny Girls NZ」の記念番組のコメディタッチな予告編に、
ジャシンダ・アーダーン Jacinda Ardern首相も参加。
 
スタッフ全員女性でそろえたから、人件費が安上がりでいいと言ってるとこに
ジャシンダが、ちゃんと払わないとダメとツッコミ入れてます。
 
この中のジョークで、ケイト・シェパードが喉にパンチしたという元首相は
実は、夫の大親友の祖父か曽祖父。
家族ぐるみで長い付き合いの元首相の孫たちの政治観は、おじいちゃんとは違うけど。
 
あの時代に、長年の友人のおじいさんが首相として尽力した国、ニュージーランド。
 
 
現在では、女性だけではなく
18歳以上のNZ国籍保有者とNZ永住権保有者が、投票できます。
 
永住権があれば移民でも、投票できるのです。
 
トランプ政権になったアメリカの選挙では、
あの坂本龍一さんや野沢直子さんも「投票はできない」って言ってたような。
野沢さんなんかは、トランプが勝ったら
アメリカから引っ越したいっていうほど嫌がっていたから、大ショックだったろうな。
 
移民だから、長年暮らしても政治参加で
国を良くすることができないのが、ほとんどでしょう。
 
でも、ここでは
移住先の国の政治に、参加できるのです。
 
 
 
***
 
<もしNational党が、今も政権を維持していたら?>
 
前回のニュージーランド総選挙では、
昨年2017年10月に
9年間のNational党政権から、Labour党主導政権に変わりました。
 
が。
 
「もしNational党が、今も実際に政権を維持していたら?」という仮定した
デヴィッド・コーマック David Cormack の論評が、わかりやすかったので
おおまかに載せておきます。(カッコ内は、私のつけ足した説明)
 
自ら「政治オタク」という、デヴィッドさんは
Labour党、Green党だけでなくNational党のビル・イングリッシュ前党首とも仕事した経験があるそうです。
 
***
 
「前回の選挙で、もしNational党が政権を維持していたら?」
 
National党が(選挙戦で)掲げた減税は、今ごろ実施されている。
高所得者がより多く恩恵を受ける減税のため、貧富の格差がさらに拡大する。
Labour党の社会保障の拡大は実施されないので、低所得層は少額(週$11か$20)受給できるが、ファミリーパッケージに貧困層は対象外。
所得に関係なく高齢者対象の「冬期の暖房費の補助金」は支給なし。
出産時の両親の有給休暇は、減額される。
大学の入学者数は、ほぼ同じの見込み。
 
世界で最も高額な道路がオークランドに建設され、車両数が増加する。
特にNational党は、公共交通機関の整備を拡大する気がないので、車の利用者も増加して交通渋滞はさらに悪化する。
トランプに端を発した貿易摩擦と、資本主義経済下の好不況の波が自然に終焉を迎えて、世界の経済状況は悪化。
にもかかわらず、ビジネスリーダー達はNational党を強く支持しているため、景況感が揺るぐことはまずない。
そのため、National党は安心しきっている。
 
社会福祉受給者にとっては、承認プロセスの厳格な制度とWork and Incomeからの公的手当が削減されるので、厳しい状況が続く。
未確認ではあるが、貧困層からの信頼はどん底であると予想される。
生活状況が悪化の一途を辿っている下層階級の救済に対応するための協議会を、ナショナル党が組織することは決してない。
 
最低賃金は物価上昇に追いつかず、希望も持てない貧困層の生活は改善しない。
 
保健大臣(ジョナサン・コールマン)は、相変わらずメンタルヘルス問題には干渉せず、対策を取るべき意見すべてを無視し続ける。
National党政権の提示した賃金は、現レイバー主導政権の提示した賃金の半分以下であったが、それでもストに入った可能性はある。
あるいは、National党政権が(医療危機)をまったく気にも留めていないことを看護師達は知っているので、ストライキを起こさないことも考えられる。(注:ある看護師団体の看護師が教えてくれたことによると、National党政権時にストを起こせなかったのは、契約書で制限されていたからで今年になってその期限が切れたそう。)
 
気候変動に対しては、暗黙の了解で「気候変動は、ホントは我々のせいじゃない」政策のため、同意するのは口先だけである。
パリ協定は、ビジネスと国の経済にダメージとなるのでほとんど無視される。
焦点はビジネス第一に当てられるので、景況感も安定。
National党政権も楽観。
 
労働団体の方針決定をアドバイスするナショナル党外部の専門家が不在なので、労働団体の約4000団体が減る。
それどころか、ジョナサン・コールマンJonathan Coleman(前保健大臣)が、医療分野で(コールマンにとって)最善の対策を指示する。(コールマンは公共医療危機を放置し続けた張本人で、現在は民間医療会社を経営している。)
 
病院や学校などの公共インフラの失策は、市場マーケットによって最終的に解決されるという考えを(ナショナル党は持っている)ので、大規模な道路建設以外は、眼中にない。
 
刑務所は倫理的・財政的な失敗であったと、ビル・イングリッシュ(前)首相が事実語ったにもかかわらず、特大刑務所は建設される。
刑務所制度の倫理的・財政的な失敗は続くだろう。
事実、厳罰化による経過の悪化が証明されていても、法と秩序の厳罰化計画に変化はない。DV被害者に対する休職の援助も制定されない。
引き続き、住宅危機の存在を否定するので、住宅価格はとどまることなく上昇し続け、不動産所有者の裕福感の上昇も続く。
この住宅価格の上昇によって、不動産所有者はクレジットカードからの借入や借金を今まで以上に増やす。
失望する住宅の未所有者数も増え、かわりにアボカドや現実的に利益の出せる商品に貯蓄を投資するように。
車の購買も「初めて買う家」同様に厳しくなる。
 
ナショナル党員の多くが中絶の現行制度について、なんら問題ないと考えているので(注:現行の犯罪法で中絶は「犯罪行為」)中絶法の改正は、決してあり得ない。
 
ニュージーランドの中間層にとって、目に見える変化はない。
大したことは起こらない。ただ退屈で効果のない政策が、継続される。
 
その間ずっとNational政権は楽観し続け、景況感も安定するだろう。
 
 
 
*****
 
デヴィッドさんの論評は、National党政権が9年間で
「困ってる人に手を差し伸べない」をやってきたことの続きと、
選挙戦で言ってきたこと。
 
私がLabour党を支持しているのは、
こんなニュージーランドに住みたくないから。
 
日本でのあたたかな人間関係と環境を絶って、選んだ生活。
移民としては、苦しむ誰かの存在を見ても見ないふりして
当然なこととして呑み込んで、暮らしていかないといけないのだろうか?
 
それが自分には、できない。どうしても。
 
Labour党メンバーになって、ドアノッキングとかして
不支持者とも話をしてきているのは
文句ばっかり言って、何もしない人間でありたくないからだ。
 
子連れで任務をこなすワーキングママ首相がいて、
ニュージーランドはリベラルだとかいうけど
それは何もしないで、空気のように自然に流れるものじゃない。
誰かの長年の努力や奮闘を見ようともしないで、ただただ満喫するだけの人たち。
 
それは女性参政権のために闘った人々のように、
フェイクニュースやデマや、変化を嫌う人たち
時代に合わない価値観、Me Me Me Me Meの
濁流に逆らい続けて、やっと勝ち得た権利だ。
 
 
Labour党の飲み会で、意気投合した大先輩が言っていた。
 
「投票できるのに、投票しないのは『生きていないのと同じ』」だと。
 
子供たちには、「バカな大人に、生活をコントロールされないように。」と
伝えているから、わが家では投票しないなどということはない。
 
 
 
論評にあるように、ビジネスリーダーと数年前から大量移住を許可した
主に中国人富裕層に、National党支持者が多い。
だから、全体の4割占める支持率は非常に固い。
 
「よくわからないけど、Nationalに投票するように言われたからNationalに投票する。」という中国人インド人の、なんと多いことか。
何言われようとも、苦しい立場の人たちの話をしても
(肥えた自分の懐は誰にも分け与えたくないので)
National以外に決して投票しないという富裕層も。
 
よく自分で考えるように説得しても「同じ国の〇〇さんに頼まれたから….」と
とにかく、自分の頭で考えない。
 
みんながそういうわけじゃないと思いたいけど、本当にうんざりするほど多い。
 
だから「今のジャシンダ政権いいな!」って思ってる人がいても
今後の選挙でくつがえされる可能性は、大いにある。
 
「困ってる人は放っておけ」政党に投票して
「困ってる人は放っておく国」作りに加担しているのに、
困ってる層から人種差別で攻撃されると、助けを求める。
 
???
 
貧困層が、外国の富裕層に国を乗っ取られていく無力感を
放っておくほうがおかしい。
 
移民が人の国に入って
我が物顔で自分のことばっかり考えてたら、受け入れたくないでしょう。
 
日本でも、そのうち在日外国人がどんどん増えて
うちの親兄弟とか、元々いる国民ないがしろにして
自分だけに有利な政党に投票したら、困る。
 
 
移民が自分の立場最優先で投票するのなら、
デヴィッドさんや、政治に熱心な住民のように
それによって何が起きるのか考えてみたらいいでしょう。
 
以前、中国人と間違えられて日本人が襲われたという被害があったけれども。
 
たくさんのアジア人学生を受け持つ、教員の夫も
いつも学生たちに注意を促しているけど
去年には、とうとうアジア人の元生徒が悲惨な襲撃を受けてしまった(閲覧注意)。
 
詐欺まがいや搾取する移民も
真面目に移住してきた移民も
 
自分と一部のことしか考えない移民も
みんなのために行動する移民も
 
外見からはわからない。
 
みんなのためにと思って行動する私も
いつか怒りの矛先を向けられてしまうことも、あるかもしれない。
 
 
10年以上の移住する前には、たくさんの日本人や非日本人の友人から
「人種差別目的の襲撃に気をつけろ。」とさんざん言われた。(あと、自殺の多さと)
 
残念なことに、今も無くなってないわけだから
もう移民は、ただ入ってきて暮らしてるだけじゃダメなんじゃないだろうか?
 
 
***
 
身近で、韓国人同士の搾取があった。
 
体験者として、負けないよう、気をしっかり持つように励ますけど
精神的に不安定で
闘おうと血気盛んになるのと
劣等感で無気力になるのと、早いペースで交互にやってくる。
すごく心配。
 
ニュースでも、中国人同士とか、インド人同士とか、なんなんだ?
またかぁ〜って思うのが、また嫌で。
 
労働雇用法の改正案が、国会で審議されていますが
イアン・リーズ ギャロウェイIain Lees-Galloway 移民・労働大臣が
「将来、政権が変わってしまったとしても揺るがない労働者の権利を、確保したい。」って、力説してました。
 
でも、ここで暮らしている人だけではなく
3年、5年、10年後
いつか、この国で暮らしてみたい人へ。
 
私もイアン大臣の言う通りだと思うし、支持しているけれど
新法をかいくぐるズルイ奴が、どうしても出てくると思うんです。
汚い奴は、とことん汚い。
 
だから、被害者を守る法律も大事なんだけど
被害に遭わないように
被害に遭う前に、食い止めたり避けてほしいんです。
 
自分のした嫌な体験を、他の人にさせないためにはどうしたらいいか。
 
私も不当解雇されてからも、元雇用主が責任逃れで重ねられるウソの数々と
国の機関の指示を無視したり失礼な言動の数々は
見聞きするこちらの方が、ビクビクさせられるほどだった。
 
イアン移民労働大臣に、元雇用主にされたことを話した時に
急変した空気と、あの怒り。
あれを横で感じて、確信した。
 
私が体験したことは
今後も「被害を食い止めるための体験談」として、
 
これからも不正行為を防ぐために、被害者を増やさないために
その手口を公開し続けるつもりです。
 
フツーに考えれば
賠償金支払いを逃れればいいと思っているだろうけど、とんでもない。
 
私の得たかったのは、自分の体験を公開する権利。
被害を食い止め、泣き寝入りしないよう、誰かの力になること。
夫ですら、もう諦めろと言っていた中で
弁護士なしで闘い抜いて、勝ち取った私の権利。
 
賠償金よりも、自分の周りの環境の誰かに変化を起こすこと。
 
ここで暮らしている人だけではなく、いつかこの国で暮らしてみたい人が
被害に遭わないよう、目を見開いてもらえるように。
3年、5年、10年後でも。
 
 
***
 
時々、
「日本の教育は良くない、海外の教育はいい」と
決めつける声を聞くけど、本当にそうでしょうか?
 
日本で子育てしてた頃は、
ミックスの子どもがいじめられないように
心配な私は、幼稚園や学校ご近所ママ友、
あちこち動いて話をして、理解をしてもらうと
あの頃の子育て環境は本当に良かった。
 
親の自分が育った時代と、今の教育は違っているところもあるのに。
決めつける人は、状況を変えようと
実際にたくさん行動して、話し合ってきたのだろうか?
 
日本もやだ、移住先もやだ、じゃどうしようもない。
 
 
でも
こんなニュージーランドは、イヤだって感じたら。
 
環境を変えるには、まずシステムを変えて
人々の意識も変えないといけないから
 
それが、移民でも永住権があれば
政治参加からできるのが、ニュージーランド。
ヤキモキしても傍観してないで、ちゃんと投票できる。
 
NZでは、Nationalが最大政党で
Labourが次で、NZ FirstやGreenなどの小さい政党があります。
 
もうほっといても、Nationalは最大政党。
だから、前出のデヴィッド・コーマックさんの指摘する政策がイヤだったら
Labour党を支持する、大きなたくさんの力が
もっともっと必要なんです。
 
先日、オランガ・タマリキのソーシャルワーカーたちが
元々が、最低賃金並みだったそう。
 
前のNational政権が、現場の声なんか無視し続けてきたから
やっと聞いてもらうための協議やストが、行われている。
溜まりにたまった問題を、一気に解決することはできなくても
もう変化は起き始めています。
 
投票権を生かさないで、起きる影響も
国民一部のために投票して、起きる影響も
国民全体のために投票して、起きる影響も
 
それは、一人ひとりの責任。
 
元々いる住民のせいにして、傍観者でいることはできないのです。
 
移民であっても。
 
 
でも、そのほうがよくないですか?
 
 
ともあれ、昔の首相の孫たちは
今のニュージーランドの政権を、喜んでくれています。