Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

労働搾取と移住と学校教育と。

ちょっと前に、知り合いのマオリのお兄さんから「これどう思う?」って送られてきた。
 
クライストチャーチの日本食レストランのオーナーによる25名の従業員に対する賃金未払いに対して、雇用法違反のためERAから、
$70000の罰金支払い命令を言い渡された、というニュース。
 
労働者の搾取に対して「日本ではこうなんです。」
日本人オーナーは言ったそうな。

ジャシンダ&クラーク、赤ちゃんの誕生おめでとう!

昨日6月21日、
Jacinda Ardern ジャシンダ・アーダーンNZ首相・Labour党党首が、
無事に女の子を出産しました。
 
わーい!おめでとう!!!

 

 

 

届いたLabour通信によると、誕生は4:45pmだったそうで
朝お産体制に入っていったから、いい感じで順調に進んだみたい。
ホッとした〜(^^)
一般の妊婦と同じように、公立病院での出産です。
 
ジャシンダがタフなのはよくわかっているけど、
尋常じゃないストレスの中でギリギリまで働いていたから、本当によかった。
すごく楽観主義なところが、体にうまく作用したかな?
 
パートナーのClarke Gayford クラーク・ゲイフォードさんは、
本当にジャシンダを献身的に支え続けてきて
心ない中傷、やっかみにも辛抱強く耐えてきました。
そういう嫉妬は、人としてみっともない見苦しいものがほとんどでした。
オーストラリアの下品で気味の悪い、ゾッとするインタビューにも耐えて。
 
彼女が頑張れるのは、彼のおかげだなあというのがいつもとても伝わります。
 
尊敬するJohn Campbellジョン・キャンベルのCheckpointで。
 
元首相でLabour党元党首のヘレン・クラークに、
ジャシンダの出産についてインタビューがありました。
 
 
ヘレン・クラークは、ジャシンダのメンターとして大きな影響を与えた人。
 
私たちも彼女が首相だったから、NZ移住を決めたのに
移住したとたん、ジョン・キーに変わって大ショックだったのでした。
 
Helen:2人にだけではなく、NZにとっても素晴らしい日。
国の首相でありながら出産をするということは、国内の若い女性を始め他の多くの人々に「キャリアと母親業は両立することは可能」というメッセージ。
また、赤ちゃんの世話をするクラークも、若い父親のお手本として称賛するし、2人が現代の若い親の模範として影響を与えることを願っている。
 
John:あなたもジャシンダも「女性はなんでもできる」というメッセージを送ったが、つまりは「選ぶということ」「どんな人物になりたいか?」ということじゃないですか?
 
Helen:その通り。ジャシンダは彼女のやり方でやったのです。
 
 
首相の仕事は日に15〜17時間と激務だそう。
だけど、クラークとたくさんのサポートで乗り切ってほしいです。
 
逆に、2人が無理をしすぎないで
人の手をちゃんと借りて子育てしていくことが
若い親や、子育て環境を作る周りの大人に
良い影響になることでしょう。
 
それはNZから他の国へも。
 
女性としてどうありたいのか。
 
親としてどうありたいのか。
 
Who do you want to be?
 
そのメッセージは、ジョンやヘレン・クラークが言うように、
とてつもなく素晴らしいこと。
 
 
 
これまでのNational政権のNZ首相たちはどうでした?
ジョン・キー元首相は、
ウェイトレスのポニーテールを何度も引っ張り不快にさせ、
レイプをジョークにするような人物だった。
それでも長年首相に君臨させていたのは、誰なんだ???
選挙権のある国民じゃないの???
 
ビル・イングリッシュ前首相は、
「女性の堕胎は犯罪」とする法律(女性の体に起きたことを自己決定する権利がない)に問題はないと言い切っていた。
子供を産むことは到底ありえない男が、女の産む産まない権利を左右するの???
 
野党の現Nats党首はというと、大臣もやってたのに
その間放置してきた問題を正そうとする現政権に、いちゃもんつけることに躍起だ。
法改正には、改正案提出して議論してからで1年近くかかる
今抱える問題はNatsがほったらかしてきたのが、ほとんどだ。
汚物を撒き散らして放ったらかしていたのは自分たちなのに、
他の人がきれいにしてくれてる最中に「汚いじゃないか!」と
罵っているようなものだ。
 
現実を無視してきたのは、こういう政治家だけじゃない。
それでもまだこういう政党を支持する人たち、
ただの傍観者として、投票も考えることもしない人たち。
文句は言うのに、変えようとしない人たち。
そういう人たちが、問題を放置してきたのでしょ。
 
事実を直視することは
Andrew Little アンドリュー・リトル前党首も
David Cunliffe デイヴィッド・カンリフ元党首も
Labourが野党の時に、追求してきたこと。
それでも、メディアを牛耳るNats支持のメディアオーナーがほとんどだから
追求が国民に伝わることはわずかだった。
 
それでも、若い女性党首のジャシンダを
メディアは無視し続けることができなくなった。
アンドリューの時は、あんなにも無視し続けてきたのに。
 
やっと、首相になって
女性がありのままに、人がありのままでいること
認められようと変わりつつある。
 
やっと。
 
これは大きな変化じゃないだろうか。
 
本当は、女性男性なんて関係ないはずなのだ。「人」丸ごとであるべきだから。
 
***
 
ドットコムさんが、こんなこと言ってました。
 

 

ジャシンダが出産をした6月21日は、
エドワード・スノーデンの誕生日でもあるそうで
新たな「真実を語る者」の誕生として、この日を祝っていました。
 
事実と向き合う。
 
なんとなく生まれるのは、女の子かなあと感じてましたが
この子は。
ママの生き方を見て、意志を強く持つことを受け継いでいくでしょう。
パパの生き方を見て、支え合うことの大切さと力強さを身につけていくでしょう。
 
いつか振り返って、私たちも堂々と「真実を見つめ、語る者」を支え
今より良くしようと、共に活動してきたことを
誇りに思うことでしょう。
 
「なんにもしない」をしなかったことを。
 
 
***
 
ジャシンダに初めて会ったのは、党首ではなかった頃だけれど
その後話をした時は、私の体験や息子の聴覚障害の話を聞いてくれて
それからも、義務教育後期にわかった障害について話をする機会を
与えてくれました。
 
そうして引き続き息子の聴覚障害をどうにかしたいと、あちこち奔走していると
めったにない遠隔マイク補聴器の寄付があり、幸運にも候補者に選んでもらえて。
 
おかげで聴覚障害の脳トレーニングがスタートし、
私は学校・専門家のサポート体制を組んで
現在、改善・克服に向けて一歩一歩、努力中。
 
これほど素晴らしいサポートチームが組めたのは、
お母さんの熱意の賜物だと専門家たちは言ってくれるけど
首相になるほどの人に会いに行けて、話を聞いてもらえたのは
私にとってとても大きかったです。
 
「なんとかしなくちゃ」「なんとかなるかも」に変わったのは
あの時だったから。
人の痛みがわかる、話を聞いてくれる人が首相になって本当によかった。
 
このブログのことも、すごくいいねって応援してくれました。
 

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すごく話やしやすいジャシンダ首相
 
そういえば!
この前、Labourチーム一員で釣り番組の司会者でもあるクラークが、
魚料理を振る舞うLabourイベントがありました。
きっと美味しいのを作ってくれるに違いない!から行きたかったのに、行けなかった…
赤ちゃん生まれたから、もう忙しくてクラークの魚料理は当分無理だ…
残念。無理してでも行けばよかったなあ。
いつかどうか食べられますように…
 
 
ジャシンダの6週間の産休中は、
歯に衣着せない物言いの爽快なNZ First党党首の
Winston Peters ウィンストン・ピーターズ副首相・外務大臣が、
首相代行を務めます。頼もしい。楽しみ(^^)
 
*****
 
懐かしい。
 
あの甘ったるい
柔らかな赤ちゃんのにおいに包まれて
ゆったりと、一日一日を楽しんでほしいです。
 
ジャシンダ。クラーク。赤ちゃん。
 
心からおめでとう!
 
 
 

 

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続けて、ありがとうございます!

ちょっと前に。
 
2015年に不当解雇されて、
2016年にERAが$15000の罰金の支払い命令を下したのに
未だにまったく支払いを受けていない男性のニュースがありました。
私と似たような状況です。
 
 
ERAには法的裁決を下せても、
支払いを強制執行させるための権限がないからです。
 

ありがとうございます!

ウィンドウの右上の、赤いプチにふと目が止まった。これは何かな?
 
このブログでは、わが家のニュージーランド生活で直面したいろんな「困った」に
もがいたり、乗り越えた経験をどなたかの参考になったらいいなぁ、と書き残しています。
「ニュージーランドおいし!楽し!」という発信ではないので
2、3人でも読んでくれたらいいなという気持ちでいました。
 
でも、右上の赤プチを見ると、びっくりするくらい桁違いにたくさんの人が。
しかもあたたかいコメントまで… ホントにびっくりした。
本当にありがとうございます。書いててよかったです。

Northcoteの補欠選挙は、もう投票できますよ!!!

6月9日(土)は、
オークランドのNorthcoteノースコートの補欠選挙の投票日です。
 
そしてもう前日投票は、始まっています。
 
Northcoteで投票権のある人は、
あなた自身とみんなの生活のために、どうか投票してください!
 
そして
Labour党 のShanan Halbert シャナン・ハルバートに
ぜひ投票してください!!!
 

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 Shananは、Te Wānanga o Aotearoaという
主にマオリを対象にした高等教育機関で
 
中学高校で社会的経済的理由から
学力が十分身につけられなかった生徒たちを支援するため
熱心に活動しています。
 
若い人たちが社会で活躍できるように、強い情熱を持った人なのです。
 
私も息子2人の高校生活と、夫のたくさんの生徒たちを通して
高校を出ても、マオリでなくても
将来の自立の道が描けない子たちがたくさんいるのを知っているので
Shananの尽力しているその思いが、よくわかります。
 
[Shananの構想]
*Northcoteの地元住民として、「車移動」以外の交通機関を増やすことで
オークランドのノースショアの慢性的な渋滞を軽減
(地球温暖化の削減にもつながる)
 
*Labour党主導政権のKiwibuildプログラムで、手頃な価格で入手できる住宅の確保
 
*学校の財源を増やして、生徒数増加と学力向上に対応
 
*地元ビジネスのサポート強化
 
Labour党のShananなら、現在のLabour党主導政権と
 
積極的にNorthcoteの問題に取り組めます!
 
 
*******
 
 
そんなわけで先日、Northcote住民ではないけれど
Shananのお手伝いに行ってきました。
 

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実は去年もShananのお手伝いをしたので、
「これから行ってくるね〜。」って感じで、忘れないうちに写真をパチリ。
 
まだのんびりなうちに撮っといてよかった。
後では、人多くて多くて近づく気力もなかった....
 
この日は、選挙キャンペーンの開始日で
Jacinda Ardern ジャシンダ・アーダーンNZ首相も来るので
 
私「今日は長い1日だね。」
 
Shanan「うん、後で家に戻ってスーツに着替えてくるよ。」
 
暖色系のトパーズのようなきれいな瞳で
緊張した様子もなく、にこやかでした。
 
*******
 
お手伝いであちこち回った数時間後は、
キャンペーン開始発表会場の小学校にイベント開始時間ギリギリで戻ってくると、
 
たくさんの支持者とメディアでもう熱気がすごい!!!
 
嵐が来るっていうから、防寒準備して行ったので、汗だく….
 
私とボランティアチームとのやりとりを、
ジャシンダ見たさに来た人たちにも、見てもらうのはいいことです。
「(アジア移民でも)いい国作るためにがんばってるよ」っていうのを。
 
 

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Jacinda首相が登場すると熱気が最高潮!
妊娠後期のきれいなぽっこりお腹で。
「あら、見事にぽっこりね。」と、そばで話すお姉様方に
「まだ位置が高いから、(お産は)まだ先ですね。」と私。
 
みんなやっぱりほほえましくて、うれしいのだ。

 

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ステージの上には、多くのLabour大臣や議員や候補者が応援に駆けつけて。

 
社会発展大臣の膝には、膝に乗り切れない息子くんが座ってて
たまにウロチョロするので、ママさん大臣がやめなさい!ってたしなめてて。
わかるわかる。ほほえましい(^^)
 
こういう「あたりまえの生活の中に、政治がある」
っていうのを
Labourにいると、すごく感じるから
Labourって大好き。
 
現実をちゃんと見てて。
 
********
 
この補欠選挙は、前政権のNational党で
保健大臣だったJonathan Coleman ジョナサン・コールマンが
 
当選してたった半年で、民間医療会社の経営に就くことを選び
議員辞職したことで行われます。
 
当選して短期間で、投票してくれた支持者を裏切る形で
割りのいいポジションに乗り換えたせいで
 
私たちの税金が多額の選挙費用に消えていく。
 
保健大臣だった時も選挙時もColemanは
医療現場の危機はないと主張し続けていました。
 
Northcoteは長い間、National党の強い地域でした。
 
それでも、地域住民の声を歩いて聞くと
Colemanの裏切りに怒ってる人たち、多かったです。
 
 
Colemanの去った後、National党から立候補している候補者Dan Bidoisは
 
オークランドのひどい交通渋滞を緩和するために
多くの地元住民が支持している調査結果が出ているSkyPathについても
「地元住民は全員一致でSkyPathに反対している。」とか。
それフェイクニュース???あなたたちお得意の。
 
シティ側からTakapunaタカプナまで続くSkyPathなのに
間にあるNorthcoteを通ることを理解していない発言をして
記者に突っ込まれたり
 
ほんとにNorthcoteを代表する気あるのか?という無知っぷり。
 
 
しかも自身のキャンペーン開始イベントでは、
 
交通渋滞問題にまったく何もしなかった元交通大臣だった、
張本人のNational党党首のとなりで
交通渋滞問題を重要課題として、声高に文句言っていた。
 

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となりのNational党党首の顔.....そりゃあんた、気まずいよなあ......

だって記者たちみんな気づいてるし。

私だってすぐわかったし。

 

ミームはあんまり使わないつもりだけど
FBのミームがあまりにもその通りだったので。
 
あんたが文句言ってる渋滞は
何にもしなかったとなりにいるあんたのリーダーのせいだよ!っつうの。
 
こういう無神経ぶりなところが、
現実見てなさすぎなところが、Nationalの嫌いなとこなのです。
 
このNational党党首は、前政権で交通大臣だった時は
大規模な道路建設計画しか出せなかったし
 
環境問題大臣だったこともあるのに
車利用を減らす未来プランは描けなかった。
 
しかもクジラの聖域の汚染の心配があって、国立指定公園もエリアに入っているのに
深海掘削を許可するような、軽率で
同性間婚姻に反対した、国民の基本的人権を守ることができない人物だ。
 
国のビジョンが描けない人たちなのだ。
 
Northcoteを歩くと、National党支持者とも話をするけど
「子どもの貧困についてどう思いますか?」と聞いても
冷たいくらいに無反応。
 
高級住宅に暮らすこういう人たちが
こうやって子どもの貧困を放っておくのだから
はらわた煮えくりかえるけど
 
苦しむ人を減らすためには、私の「腹たつ!」は横に置いとかなきゃいけない。
でないと、後悔する。自分が。
 
そして金持ち優遇National党支持者の住む、おっきな家のすぐそばに
失業者や生活の厳しい住民が暮らしているNorthcote。
 
こんな風にお手伝いに行くと、なんだか胸が痛い。いつも。
 
 
Nationalの放置してきたNZの抱える、たくさんの問題を解消していくには
十数年以上時間がかかるから、
 
今始めないと、間に合わない。
 
もう現実見て、変わらないとダメなのです。この国は。
 
 
どうか投票権をムダにしないで。
 
Labour党 のShanan Halbert にぜひ投票してください。
 
Labour党をサポートしてください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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外国育ちの子供の中の、日本。

 
ただ単に「海外で育つ」というよりは
 
親の話す言葉とも文化とも違う環境で
よその国「外国」で育つ子供にどんな風に「母国」を伝えていますか?
 
そして「外国」と「母国」のバランスってどれくらいですか?
 
 
 
この前、ある中国人パパのMさんとおしゃべりしてました。
 
同じ中国人の奥さんとの間に小さい子供が2人。
ニュージーランドに来て4年目とのこと。
 
 
Mさん曰く、中国人コミュニティーの子育て世代は
「NZで子育てをしていく上で、中国人らしさをどうやって育てていくか?」
 
ということが一番の関心事で心配のタネなんだそうです。
 
なので、Mさん一家は休みのたびになるべく子供を中国に連れて帰っています。
 

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そう、そうだよねえ。
それは、私たちも子どもが生まれる前からすごく考えてたのです。
 
わが家は、親の生き方で(ある意味身勝手とも言える)人種の違う同士なので
「子供には、日本とイギリスの両方で育って、両方の文化を知る権利がある。」と
子供を持つ前から、強く私は思っていて、それに夫も同意してくれました。
 
夫婦が中国人同士や日本人同士だったら、家庭内ではその国の言葉を話して
「母国の心」みたいなものが伝えられるかもしれないけど
 
親がイギリス人と日本人のわが家では、
私1人ではとてもとても、伝えたい日本が子供たちに伝えきれない。
 
伝えるには、日本の土地や風情や、育んでくれる人々と環境が必要でした。
 
だから、子供たちが小さいうちは夫の強い希望もあって、
日本で育てました。
 
豊かで独特な、日本の美徳や文化や情景を
 
繊細な子供の心の奥に、ていねいに種を埋めるように。
 
 
 
日本で育ててよかったと思うのは、
 
まず第一に子供たち、特にお兄ちゃんたち2人が
「日本で育ったことを誇りに思っている」ことです。
 
 
そしてもちろん
おじいおばあには、孫たちのやんちゃ盛りをかわいがってもらえたし
なにしろ、友だち、子育て仲間、ご近所や幼稚園学校がものすごくよかった。
 
感謝してもしきれないほど、最高に恵まれた子育て環境でした。
 
日本での子育ては、私たち夫婦の「かけがいのない宝もの」で、
とにかく濃い経験でした。
 
NZの子育ては幼稚園から小中高大学までしてきたけども、日本のと比べたら
とにかく、あっけない。薄い。
よその家庭では違うかもしれないけど、うちではそうです。
 
 
 
Mさん一家は、子供が幼いうちからNZ育ちで
 
それぞれの家庭で家族のあり方があるので、子育てに正解はないと思うから
(子どもが不幸な間違った子育てはあっても)
自分たちに合う家族のあり方を模索していくのがいいよねって話をしました。
 
っていうか、そうするしかないよねって。
 
 
 
「中国人らしく」を大切にするあまりに
中国語はネイティブレベルだけど、英語は中途半端、でもいい?
 
たぶん違いますよね。
 
国際結婚した人の間では、子供の言葉がどっちつかずにならないように
「中途半端にならないように育てる」っていうのはもう常識というくらい大事なこと。
 
セミリンガルとかダブルリミテッド、っていう
呼び名のニュアンスはさておき
 
「中途半端でつらい」「どっちの国にも属せない自分がつらい」と
打ち明ける生徒たちの悩みの存在が、少なくないことを知っています。
 
 
意思疎通以上の「完璧なバイリンガル」、
「英語もネイティブのアカデミックレベルで、中国語もネイティブレベル」
 
っていうのを親は子供に求めるかもしれないけど、
それってとても難しいことらしいです。
 
できる人もいるけど。
できない人の方をたくさん見てきました。
サクセスストーリーばっかり見て、自分の子もそうなると信じてるみたいで。
 
 
「英語はネイティブのアカデミックレベルで、親とは中国語では意思疎通ができるレベル」ってのはどうでしょう?
 
 
 
フランスで暮らす、作家の辻仁成さんが
周りのバイリンガルの「一つの言語に基軸を置くことが大事」という意見を聞いて
 
家庭内で親子の会話は日本語だそうですが、息子さんの基軸言語はフランス語なので
大学を出るまでは日本に移れない、という記事を目にしました。
 
息子さんは純日本人であっても
「自分の能力をより強く表現できる言語」としてフランス語を選んだことを
辻さんが親として、尊重しているのが素敵だなと思いました。
 
バイリンガルかどうかということよりも
「自分の能力を思う存分、より強く表現できる『基軸言語』を身につける。」
ことの方が、大切だと私も思っていて。
 
だから3人の子供の「日本の部分」は3人3様です。
 
 
ノーベル文学賞を受賞した、小説家のカズオ・イシグロさんも
日本語を話す日本人のご両親のもとで育って、
 
5歳でイギリスに移住したので、親と話す時は
5歳児の話す日本語だとインタビューに答えていましたが
 
カズオさんの中の、イギリスと日本のバランスも
おそらくご本人の意思ではないでしょうか。
 
その繊細なバランスが、類まれな表現力につながっているんじゃないかと。
 
 
異国で育つわが子にも、いろんな人の心にも
それぞれ日本の種があるんだけど、どう育てていくかは、本人が決めたらいい。
 
 
 
だけど子供の意思とは別のところで
完璧なバイリンガルになることを勝手に求めて
なれなかったら、罪悪感や劣等感を持たせる親が当たり前のようにいるのは
どうしてか。
 
親自身はほとんどの場合、完璧なバイリンガルじゃないのに。
 
Mさんには「〇〇人らしく」を大切にするあまりに、
子供を支配して、いいとこ伸ばしどころか足引っ張る大人に
ならないでほしいなって思いました。いっぱいいるのでね。ここには。
 
 
 
さらにMさんは、息子が内向的で
幼稚園の時から小学校低学年の今も
同じ中国人の友だち1人としか遊べなくて、
 
Mさんも、家族ぐるみで交流できるのがその一家族しかなくて
そこも困っているそうで。
 
でもMさんはこうして英語で私と、初対面なのに悩みを打ち明けるほど話せるので
 
子供が、っていうより
親がまず中国人以外の人と楽しんでて
それを見せるのがいいんじゃないかな。
 
なんだか、楽しそうなお父さんを。
 
優しい子になってほしかったら、大人がまず親切にしているのを見せて
勉強好きだったら、親が率先して学んでその姿を見せるように。
 
ありきたりのことだけど、わかっているのに
けっこう実行できてないなあ、って思うことあるんです。
海外暮らしで10年20年経っても、英語で意思疎通ができない親
いっぱいいますしね。
 
 
以前、NZ育ちなのに読み書きの力が弱いっていう子のお父さんがいて、
厳しい人だったんだけど
 
ある日、たまたまその子の妹が、わが家の本棚を見て
「うわー!!こんなにたくさん本がある家、見たことない!」って。
 
それ聞いて「ありゃ〜。お父さん、子供に勉強勉強ってキツく当たるけど
自分が本読んでないんじゃダメだよ。。。」ってつい、心の中で小さく叫びました。
 
 
子供の成長を心配するMさんは
心配する気持ちはよくわかるけども、心配は子供にも伝染るから
 
同じ伝わるなら、おもしろがってる、を伝えたほうがいいよって。暗いのはまずい。
 
Mさん真面目な人で、なんだかシュンとしてたので
また私をつかまえてお話聞かせてね、と。
 
そしたら後日、
近所の南アフリカン一家を休日BBQに招待したそうで、とても喜んでいました。
 
少しずつでいいから、楽しく溶け込もう。
 
 
でないと、こんなことが…..
 
十数年とNZに溶け込まないままの親に対して
いろいろあって、堪忍袋が切れたNZ育ちの子の反乱。
 
そしてその子の友として加勢する、正義感の強いわが息子。
 
そしてなぜか、成り行きで巻き込まれる私…..
 
息子よ、ママは巻き込まないでくれ。