Bittersweet in NZ

こんにちは、ウトです。家族とNZで暮らしています。移住して10年近くは、多くの怒りやフラストレーションを感じていましたが、おかげで行動・経験・学びができて、最近はおだやかな日々がとても増えています。いろんな変化の流れが強いので、大切なのは何か?ということにも向き合っていたい。ここには、体験や感じたことを言葉にしておきたくなった時に綴っています。 Thanks for being here.

ERA行く前、忘れずに。

以前、Employment Relations Authority(ERA)へ行った時のことを書いたのですが
書き忘れていたことがありました。
 

 

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<<解雇されてからの就職活動>>
 
不当解雇を訴える時は、主に次の請求をすることと思います。
 
  1. Loss of wages:一方的な解雇によって支払われなくなった、支払われるべき賃金。
  2. Compensation for hurt and humiliation under section 123(1)(c)(i) of the Employment Relations Act:(不当解雇によって)与えられた精神的苦痛と屈辱に対する賠償金
 
1のLoss of wagesが認められるためには、
解雇されてから就職活動をしたかどうかを証明します。
 
なので、
  • その就職活動した時期は、解雇されてからいつのことか?
  • 就職活動先の会社名と職種。そして結果。
 
これらを答えられるようにしましょう!
 
私は、元雇用主の数々の矛盾や嘘を証明することに、すごく神経使っていたので
この「解雇後の就職活動について」聞かれたのは、寝耳に水でした。
思い出して答えられたのでなんとかなりました。
 
みなさんも、答えられるように記録を持って行ってくださいね。
 
Investigation meeting 審議については、ERAのサイトに
裁決の動画があるのでチェックしましょう。
 
 
3分くらいのところから、裁決が言い渡されるのですが
 
解雇された元従業員さんは、
解雇されてから3ヶ月、就職活動をしていなかったので
Loss of wageの訴えは認められませんでした。
 
だけど、実際は解雇されてショックを受けているのに
90日以内にPersonal Grievance書いて出さないといけなくて。
 
主張を裏付ける証拠集めや、
法律・過去の判例とか調べることいっぱいあるにもかかわらず
次の仕事探しのアクションは起こさないといけないんですよね。
 
Investigation meetingの流れがわかる動画があるので、
雰囲気も予習していくといいです。
 
この人たちは、弁護士がいていいなあ。私は自分話して、がんばりました。
 
動画の人たちは、演技でしょうが、まさにこういう緊張感で。
冷静になれなくても普通だと思います。
 
やっぱり、冷静に話そうとするんだれど。
自分の権利を認めない人を前にすると、腹も立ってくるし
緊張の中で主張をするのは、感情的になります。
 
前の記事で、私と似たような状況の塗装工の男性のニュースをのせました。
 
2015年に不当解雇されて、
2016年にERAが$15000の罰金の支払い命令を下したのに
未だにまったく支払いを受けていないということです。
未だに許せていない感じの男性。
 
 
このニュースの37秒あたりにあるように、ERAはこの男性に
 
(a) 未払い賃金 $390 
(b) 逸失利益(賃金) $7000 
(c) 不当解雇による精神的苦痛に対する賠償金 $8000 の
裁決を下しました。
 
 
そして、私も2016年に裁決が。
 
(a) $10000 不当解雇による精神的苦痛に対する賠償金
(b) $5400 逸失利益(賃金)
 
 
同じ$15000くらいなんだけど、内訳がちょっと違います。
 
塗装工の男性より
私の精神的苦痛に対する賠償金の方が、多いんですね。
$8000と、$10000。
 
この差、って何かなあって考えると。
 
私のことは、2年間フルタイム従業員として雇用し
賃金を払い続けることで、元雇用主の永住ビザ申請に可能になりました。
 
そしてビザの許可確定と同じ日に、解雇通知。
 
それに加えて
私たちの子供とその友人たちが毎日、1年間
元雇用主の子が学校に慣れるように、お世話していました。
うちの子も友達たち、そのママたちも協力して
「あの子、早く慣れるといいね。」と見守っていました。
 
それでも、移民同士助け合いましょうという健全なはずの関係を悪用され
このように解雇されました。
 
$2000の差って、
私だけじゃなく、元雇用主の家族に
協力してくれた他の人たちみんなへの仕打ちに対してじゃないかなあ、と思う。
 
なんでまたこのことを書いているかというと、またこのことを話す機会があったからです。
 
別に友人でも、世話になった人でも、家族ぐるみの友人でも
裏切る人は平気で裏切ることができるのです。
 
情があると、裏切られた方は、裏切られても
「裏切りは、なんかの間違いじゃないか?」とか
「訴えたら、悪くない相手の家族にまで悪影響が出るんじゃないか?」
と思い込もうとします。
 
そんな人情を、裏切る人間はなんとも思いません。
 
前、コメントくれた読者さんも、元雇用主に罪をでっち上げられて解雇されました。
 
情があっても、自分の権利を守るために、気を抜かないでいること。
自分の権利を守るための証拠は、たくさんなるべく書面で残しておくこと。
 
それをこの前伝えたし、ここでも強調したいのです。
 
だってねえ。いけしゃあしゃあと嘘つきますよ。平気で。証拠があっても。
 
だから証拠は「第三者」にあなたの主張が正しいか
確認してもらうために必要なのです。
 
*****
 
受けた精神的苦痛は、ほったらかしにされたまま。
だけど、この体験を話して、だれかを励ますと
これが私に起きたのには、ちゃんと意味があるんだって感じます。
何度も自分に言い聞かせるように。
 
思い出して吐き気がして、この前愕然としたけど吐いてはいない。まだ。
だから大丈夫。
 
日本語で書き残すことで、誰かの助けや知識になってほしい。
でも普段この事を話し合うのは、日本人以外が多いです。
 
それが、Personal Grievanceですら出せないほどに
意気消沈している人、けっこういるんですね。
自分の主張をしない理由を、わざと探している感じもするし。
それがもどかしくて。
 
前出のニュースで
ERAに行ったら裁決は公開されるので、ボスをすぐ訴える従業員だと思われて
再就職が難しいと悩む不当解雇の被害者が多いというのは、前にも書きました。
 
被害にあったから正当な主張をしているのに。
そんな真実が理解できない雇用主は、従業員と公平な関係を結ぶことに、高い関心があるのだろうか。
 
それでもやっぱり、自分がどう思われようと
誰かにこの体験を活用してもらったほうがいいです。
活用し続けてもらわないと、しんどい。っていうほうが当てはまるかな。
 
地元新聞に、マオリのシングルママさんが差別を受けた話が載ってて。
「(受けた差別を)黙っていることは、差別を認めていることになるから主張していく。」と言ってました。そうよね。
 
なかったことにしようと、無理やり押し込めて、黙って内に秘めてるほうがしんどいです。
 
外に出したほうが、痛みはずっと軽くなる。
 
 
 
 
 
 

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