Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

「NZ ニュージーランド」に、だまされないために(1)前編

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母国だろうと海外だろうと、
どこにいても、なるべく健全で、風通しのいい環境で暮らしていたい。
 
ニュージーランドには、多くの日本人がいいイメージを持っていると思います。
大自然豊かで、おおらかで。
 
でも実際、ニュージーランド生活に目を向けると、どうでしょうか?
 
以前、移民問題に取り組むMP (国会議員)とそういう内容で話し合った時、
NZでも移民を搾取するのは、同じ国出身の移民が一番多いということでした。
 
 
「海外では日本人が日本人を騙す」とよく言われていますが、残念なことにNZも例外ではありません。
 
もしかしたら、他の国でも同じようなことが起きているかもしれません。
 
よく言われていることなのに、
なぜ「同じ日本人だから」といって、
盲目的に信じてしまう人がこれほどまで多くいるのでしょうか?
 
「日本人だから大丈夫」(誠実な人に日本人かどうかは関係ない)
「日本語対応だから、安心」(安心が日本語でしか得られないのなら、その多文化社会は本当に「自分の居場所」?)
 
母国を離れて、わざわざ海外生活。
というある意味、自由を求めてきたはずなのに、
わざわざ母国出身者同士で固まって、海外生活でそこしか安心できる居場所がなくて
逆に「搾取的な人間関係」にどっぷり浸かってしまう人達。
 
そこは濁ってて不透明だというのに、わざわざ「そこに」飛び込んでしまう人達。
そこではどんなにひどいことされても、
濁った海にいない人には何が起きているのか、よくわからない。
 
 
どうして気づけない?
なぜ自分と大切な人を守るために、
自分の持つ洞察力を使わないのでしょうか?
 
私はものすごく、強い疑問と危機感を持っています。
 
なぜならここ数年の間で、いろいろ隠されてきた真実を知ることになったから。
隠されてきた膿を、懸命に表に出して知らせようとする人達に出会ったことで
逆にその膿を隠し続けて、NZで搾取的な人間関係を続けていきたい人達が、
まだまだこの移民社会に潜んでいることを知ったからです。
 
国をまたがる人々の動きが少なくなっているこういう時期だからこそ、
隠蔽され続けてきた真実を知ってほしい。
そして、だまされない知恵と力をつけてほしいと、心の底から思っています。
 
いいイメージだけで作られた「NZ ニュージーランド」に、
新たに、誰かがだまされないように。
 
今ニュージーランドにいる人も、
いつかニュージーランドで暮らしたいと考えている人も、
または、特に海外とつながりはないけれど、たまたま読んでくださっている人も、
いつかあなたの周りの人が、新たな被害者にならないように、
このことを伝えてほしいのです。
 
***
 
私はこのNZで受けた、自分の不当解雇の体験をシェアしています。
それは、自分と同じような待遇を受けた人が
自分と同じように苦しんでほしくなくて、少しでも得た知識や経験を役立ててほしいからです
 
このころはまだ、移民として不当扱いを受けても、
また永住ビザ取得に利用されてだまされたとしても、
よくあることだから「我慢しろ、忘れろ」という風潮があって、
表沙汰にしないのが普通でした。
 
だけど、私はそういう常識とされていたことが、どう考えても納得できなくて。
 
「おかしい、間違ってる」と、法的に訴える行動し始めると、
よくあることなんだからあきらめて忘れなよ、という意見が多い中で、
逆に、「もっと行動しなさい」と背中を押してくれたのは、
初めのステップで相談した、5人ほどのNZ人の労働局の人達でした。
 
自分が不当扱いを受けたことを、明らかにして証明する。それは
それは最低限認められている労働者の権利です。 

https://www.employment.govt.nz/assets/Uploads/tools-and-resources/publications/0768a9d5d5/minimum-employment-rights-and-responsibilities-japanese-translation.pdf

 
そして新たな被害が起きないように、再発防止のために経験者として注意喚起をする。
「不正を許さない社会」全体のために、社会の一員として役割を全うする。
 それは人間として、ごく自然に湧き上がる思いやりであり、モラルだろうと思います。
 
実際、自分の身に起きると、想像していた以上にダメージを受けることの多い
労働環境での不当行為。
最近になっても、新たに不当解雇されてしまった人から、私の不当解雇体験記を参考にしてくださっているというメッセージをいただきました。
また別の人は、コロナを理由にされたものの不当に解雇されたと感じていて、実際に自分の身に起きると経済面だけでなく、想像以上に精神的ダメージが大きいことを痛感し、憔悴しきっていました。
 
私の不当解雇体験記のシェアが、公共の利益として、
この社会の誰かのために役立っている。そのことをとてもうれしく思っています。
 
これまでも
「ウトさんの行動に頭が下がります。記事にしてくださってありがとうございます。」
「ブログに綴っていただいてありがとうございました。」
「貴重なお話をありがとうございます。本当にご苦労されましたね…敬服するばかりです。参考にさせていただきます。」
「ウトさんに続けるよう、全力で頑張ります。」など、励みになる言葉をいただいています。
 
本当にありがとうございます。
 
***
 
不当解雇体験記を読んで考えたり行動してくれた人達は、
だいたい大きく2つに分かれています。
 
1)このニュージーランドという移住国で、不当解雇を受けた日本人移民。
 
 
このNZのイーストウィンド と関連会社7社というのは、清算手続き中で
無認可業者のことです。
 
<清算中のイーストウィンド関連7社>
  • Best Invest NZ Company Limited (5471092)
  • East Wind Holdings Limited (1175814)
  • East Wind Company Limited (825991)
  • East Wind Nominee Company Limited (5417162)
  • East Wind Medicare Limited (1217865)
  • East Wind Programme Limited (1175817)
  • Japan Business Consulting Company Limited (2199985)
 
( )内はNZ会社登記番号 
 
イーストウィンド と関連会社7社は、
弁護士・会計士・不動産業者その他様々な業種の業者らと「組織的に」
NZ移住コンサルタント業・金融取引業を、無許可で20年以上もの長い間、営業を続けていました。
それが突然、2019年2月末にトム田中(アシカガ マサトモ)社長が死去したということから、会社は利用者に一切の報告もないまま突然業務停止となり、その後、被害者達の訴えにより会社清算手続が開始され、
さらには、現在ニュージーランドのSFO(Serious Fraud Office 重大詐欺捜査局)で捜査中です。
SFO捜査では、捜査対象となる関連事業が上記7社であると限定していませんから、関係者広範囲が捜査対象になることが考えられます。
 
確認できているイーストウィンド被害額は、4,500万NZドル(約30億6千万円以上)。
日本人顧客の被害は、200人以上。
でも報道にあるのは金融関連の被害で(日本の報道はこちらこちら)、
実際は、移民ビザ詐欺もあります。
それを含めると、もっと多数の被害者がいて、被害額もさらに増えるはずだと、
内情を知る複数の被害者達自身が話しています。
 

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「あなた達の夢は叶う」と呼びかけて、集客していました。
問題なのは、イーストウィンドだけで不正行為を続けられていたのではなく、長年の搾取連鎖を可能にしていた組織関係者らが存在していたこと。
 
イーストウィンドと関連会社とスタッフは、無認可業者であるにもかかわらず、20年以上営業を続け、
 
さらに問題なのは、NZ観光庁、移民局、大使館、銀行、弁護士会計士などが、この無認可業者と一緒になって、
日本人にNZ投資と移住の勧誘をしていました。
過去の被害の当局への通報も重視されなかったし、
不正を知っていたのに、隠して傍観し続けてきたり、被害を明るみにしようとする動きを揉み消したりして、
長年表面化させないようにしてきた、日本人移民や利害関係者がニュージーランドには数多くいるのです。
 
関係者らは、報道後も、何事もなかったかのように平然と暮らしています。それどころか、元関係者や模倣者が、手口を現代的に変えて勧誘集客を可能性が高いので、
被害者達・協力者は非常に危惧をしています。
 
長年放置されてきたせいで「組織的に日本人を搾取する構造」ができてしまっていて、
その搾取体質を引き続き持つ人達と、つながりはまだNZに残ったままなのです。
 
今でも機を狙い、あるいはすでに誰かを搾取しているかもしれないのです。
 
<不当解雇を受けた日本人移民>
不当解雇体験記をシェアをしていると読んで参考にしてくれる人だけではなく、中には相談をしてくる人もいます。私は体験者であって弁護士ではないので当然無償で、自分の体験から得た知識を伝えたり、精神的につらい人、ギリギリの状態だった人を励ましたりしてきました。
 
<イーストウィンド の被害者達>
不当解雇体験記をシェアをしていたら、あるつながりに気づいた人達が、私にイーストウィンド情報掲示板を読むように強く勧めてきました。
そこで初めてイーストウィンドと関係者らの長年の悪行を知ることになりました。
同じエリアに住んでいても、まったく気がつかないくらいに、隠されてきたのです。
「どうして同じ日本人にここまでひどいことができるのか!?」と本当に驚きました。
 
ここから私は情報提供や関係機関への通報など、具体的行動に出るよう呼びかけたり励ましたりするようになりました。自分ができる行動も取り、そして警察の捜査から移行して、現在SFO重大詐欺捜査局で捜査中になったのです。
 
そんな中、不思議なことに、被害者の中に、情報掲示板立ち上げがイーストウィンド 関係者によるものかもしれないと疑う人々が出てきました。
イーストウィンド には、疑いもせずに大金を預けてしまった人達が、トム田中の死んだ次の日に彼の妻が会社解散して連絡もなく突然事業停止になったことで、一気に助けようとする日本人のことも疑うようになってしまったのです。それまであった「同じ日本人だから大丈夫」という信用が、一気に崩壊してしまったのかもしれません。
ところが私に対しては、たまたま司法決定の報道内容不当解雇体験記の公開があったおかげで、信じて被害を打ち明けることができて、即行動してくれる人、躊躇しながらも説得に応じてくれる人が出てきました。
そうして当局への通報、重大詐欺捜査局の捜査へとつながりました。
ある人々にとっては、被害に向き合うことが、傷口をさらに広げて深く見つめ探っていくようなつらい行為でもあります。業務停止になって預けた財産が戻ってこないかもしれない事実を、何ヶ月も直視できなかったという人はよくいました。
 
不当解雇体験記の読者からの、この「気づきのメッセージ」をもらっていなければ、私はイーストウィンドによる被害の実態を知ることも、被害者達をこれまでのように支えていくことも、十中八九なかったと思います。もしNZヘラルドで記事を見ても、普段日本人コミュニティと接点がないので「ヘ〜社長(トム田中)ってこういう人だったんだ。」で終わっていたでしょう。
  
 
不当な労働環境への行動の取り方や経過、精神的な葛藤があってもいいことを伝えられて、
 
読者のおかげでNZで第二の被害規模と言われる詐欺被害を知ることになり、
 
被害者達に、自分だったら具体的行動をどうとるか?
ということを全体的個人的にやりとりすることができて。
そうしていろんな人の努力と重なって、NZ SFO重大詐欺捜査局の捜査につながりました。
 

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*無断転載・引用禁止です。

 

不当解雇体験記をシェアしていたから、こういう組織があることを知りました。
イーストウィンドと関係することで、それで生活をしているつながりと、
イーストウィンドと対立を装って生活しているつながりがあったそうです。
この組織図には表記できないことも、まだまだあります。
 
シェアしていると、前出の労働者の最低限の権利である「不服申し立て」をしたことを、
非難する日本人達が出てきました。
黙ってればよかったのに、と。
NZ法律で決められた権利で、行政にも強く勧められた権利の行使を、上の組織図にある関係者やグレーの人達が、非難して
「これまで『隠してきた何か』を隠し通そう」とするわけです。
 

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イーストウィンド 事業運営に便宜を図るために存在していたサポートグループ「シタデル」のイベント。(被害者提供)
例えば、イーストウィンド関係者らが有利になるように働きかけていた「シタデル」という、
イーストウィンドの移住ビザアドバイス利用者へのサポートグループがありました。
 
親切な対応で、和気あいあいとしたグループであっても、
イーストウィンドの無許可業務の継続のために運営されていました。
その記録は数多く残されています。
そして中心人物だけではなく、その身近な人物も積極的に関わっていたことなど、
その他多くの情報が集まるようになりました。
 
それでも、明らかになっているのは「まだ被害全体の一部」のはずです。

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イーストウィンド 事業運営に便宜を図るために存在していたサポートグループ『シタデル』のイベント。(被害者提供)
 
さらに言えば、私が不当解雇にあったことで、弁護士依頼しないで、自分で司法措置に出るために、自分で文書作成したり法を学ぶことができました。
トラブルではあったけど、逆に成長するチャンスだったし、チャンスに変えるために猛進していました。
 
それがあったからその経験と知識と、結果を出すまであきらめない持続力を、誰かのために社会に発信することで、役立ててもらうことができるのです。
 
(長くなるので、続きは後編で)