Bittersweet in NZ

こんにちは、ウトです。家族とNZで暮らしています。移住して10年近くは、多くの怒りやフラストレーションを感じていましたが、おかげで行動・経験・学びができて、最近はおだやかな日々がとても増えています。いろんな変化の流れが強いので、大切なのは何か?ということにも向き合っていたい。ここには、体験や感じたことを言葉にしておきたくなった時に綴っています。 Thanks for being here.

「Basic Rights・基本的権利の確保」への長い道のり。1

NZでは4月1日から、エイプリルフールじゃなく
 
最低賃金が、時給16.50ドル(75セント賃上げ)になります。
 
約13万人の労働者とその家族が、
増えた週30ドルをおそらく生活費にあてることでしょう。
 
 
数週間前、会ってお話しさせていただいた
Labour党のイアン・リース ギャロウェイ労働・移民大臣が発表しました。
 

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労働者の権利に情熱を持つ、イアン・リース ギャロウェイ労働・移民大臣です。
 
この日、イアン大臣は
「労働者の基本的権利を、まず確保することが大事。」
強く主張していました。
 
労働者の基本的権利のために、ユニオンで長年奮闘してきた大臣にとっては
これはまだ始めの一つに過ぎず、これからも闘いは続くでしょう。
 
労働法の改正案にしたって、半年以上検討討論されて、実施できるのは
なるべく今年中に、というくらい改善には、時間がかかるのです。
 
 
 
 
南アフリカ人でNational党支持者の知り合いは、
「最低賃金が時給$16.50になったら、人なんか雇うもんか!」と怒っていたけれど
 
だったら、人を雇わないで
仕事は全部1人でこなすといいでしょう。
 
あなたのような雇用主には、雇われたくないし
まして、うちの子は絶対あなたのとこで働かせたくない。
 
 
 
夫は
英語ネイティブでも、NZの教育制度で十分な英語力がつかなかった
キウイの大人達の英語スキルの向上にも携わります。
 
親が、低賃金で長時間いくつも仕事を掛け持ちしていたので
子供の勉強を見る余裕が、まったく無かった家庭で育った人達が多かったそうです。
 
でも夫と学んでいくうちに
「自分の周りにも、勉強し直したい奴らがいっぱいいるから、もっと教えてやってくださいよ!」
キラキラした笑顔で自信をつけて、プログラムを終えるのだそうです。
 
 
食べさせるだけで精一杯の親達が、
少しでも子供の勉強を見てあげて、力を伸ばしてあげられるようになったら
 
自信がついて、自己肯定感につながっていくはず。
 
子供も親も、子供だった大人達も。
 
 
 
大切な人や、守りたい家族がいてもいなくても、
多くの人は、すこやかに、より安全な環境で暮らしたい。
 
だから、家族のために
体にいいおいしいごはんを作ったり
暮らしやすいように毎日を工夫したり
 
より良い環境や未来のために、
できるだけ政治にできるだけ関心を持つことは
 
特別なことでもなんでもなく、子供を持つ親として、私には自然なこと。
 
 
 
 
最近、National党では
主要政治家が続けて辞任を発表しました。
 
3月には、前保健大臣で、オークランドNorthcoteの
Jonathan Coleman ジョナサン・コールマンが
 
民間医療会社、Acurityの経営に就くため、辞任することになりました。
 
 
彼は、保健大臣だった当時も選挙時も
現在も続く、医療現場の危機はないと主張し続けていました。
 
周知の事実として問題になっていた、
病棟の老朽化放置による衛生状態の悪化した病院についても
 
辞任を発表してから、元担当大臣として質問されましたが
「政治から離れるので…」とインタビューを中断して、答えませんでした。
 
 
6ヶ月前に投票してくれた、多くのNorthcote選挙区民に対して
政治家として報いることよりも、
 
たった6ヶ月で、もっと儲かるいい話に乗って
保健大臣の座から、時間をあけずに民間医療会社の経営を選びました。
 
納税者ユニオンは「誠実さにかけた行為である」と批判しています。
 
「回転ドア」のようにいとも簡単に
公職から、民間の関連企業に天下りできてしまう問題点を
ビクトリア大学のブライス・エドワード教授が指摘しています。
 
 
 
元国会議員が、
新しい就任先の事業利益を大きく上げるために
以前のコネや情報を利用するのは、想像に難くありません。
 
事実、多くの元政治家が、
現在NZで展開している中国企業や関連企業の取締役に就いています。
 
元National党のルース・リチャードソン、ジェニー・シップレー、ドン・ブラッシュ、クリス・トレメイン、
 
そして元首相のジョン・キーも。
 
 
去年の4月に辞職した、前々首相のジョン・キーは
今はニュージーランド航空と
ANZ銀行のニュージーランドとオーストラリア両方のトップだそうですが
 
首相の時に中国から移民や企業を含めて、大きくドアを開きました。
 
その恩恵を受けた大量の移民は、
根強いNational党支持者となり、支持基盤の確保に成功しました。
 
 
ジョン・キーが首相だった時、国会討論で
オークランド住民のフィル・トワイフォード現住宅大臣が
 
中国人移民の大量流入による、オークランドの住宅とインフラ危機に対する
繰り返し責任追及をしていたけど
 
当時ジョン・キーは、のらりくらりと「住宅危機なんてない。」って
言い続けてました。
 
フィルさんが訴えていたように、
うちでも「オークランドに来てよく見てみろ!」って叫んでました。
 
 
そしてLabour党が、ホームレス問題を訴えてた
去年9月の選挙直前には
 
ジョン・キーは、「中国在住のバイヤー」に不動産の一部を売って
手にしたのは、約2000万ドル。
 
 
ナイトの爵位を受けてサーの称号までついている、ジョン・キー。
 
そういえば、労働者階級の星だと、昔は夫のおばあちゃんまで信じていた
イギリスのジミー・サヴィルもサーがついてるよなあ。
性的虐待と小児性愛で被害者は数百人にものぼるほどで、
悪魔のような人間だったのに。
 
(続く)