Bittersweet in NZ

こんにちは、ウトです。家族とNZで暮らしています。移住して10年近くは、多くの怒りやフラストレーションを感じていましたが、おかげで行動・経験・学びができて、最近はおだやかな日々がとても増えています。いろんな変化の流れが強いので、大切なのは何か?ということにも向き合っていたい。ここには、体験や感じたことを言葉にしておきたくなった時に綴っています。 Thanks for being here.

息子とAPD3。うれしい知らせ。

9月のYear 13のためのクラス編入試験も終わり、
自室のドアの向こうで、NCEA学外テスト(External)の勉強に励む次男。
 
または
おそらく勉強に励んでいるであろう息子。
 
APD、聴覚情報処理障害の影響で
試験など制限時間内で
考えや小論文を書き切るのが、同年齢と比べて遅い彼。
 
今回のNCEAテストで、息子に対する特別措置は国から出てないので
これまで同様通常の形式でテストを受ける。
 
厳しいけど仕方がない。
 
そう。大急ぎで専門医心理学者に診断してもらって、
学校が国の教育省に特別措置と支援を申請をしてくれたのだけど、却下されたのです。
幼少時からあった障害ではない、つまり先天性ではなく後天性なので、特別支援は受けられないとのことでした。
 

f:id:uto87:20180210180004j:plain

 
この頃は、NZ選挙があって
どの党も過半数を確保できなかったので
 
連立政権のカギを握るNZ First党が、連立政権を組むのを
既存のNational党か、
Labour党+ Green党の
どちらにするか決定するのを待っている状況で
 
Labour党メンバーの私は、なぜか夫より声をかけていただく機会があって
慌ただしくしていました。
 
なんでかな?政治に関心のある日本人は珍しいのかな?
 
同時に
Labour党に対して、
私たちの経験したこと、息子のように遅くに障害がわかった生徒に関して
政府の対応システムが現実的でないと訴えていました。
それは学校現場の意見でもありました。
 
高校の後の進路の方向を決める時期までに、時間がないという現実。
 
だからなんとか費用を捻出して
聴覚情報処理障害がわかった、わが家。
 
でも調べる費用が出せなくて、不便な症状を引きずったまま、成長している子供達はたくさんいるのです。
 
このブログにある私の不当解雇体験でもそうですが
対処してくれる行政機関や関係者の方は、
それぞれできるだけのことをしてくれました。
 
それでも皆、権限の範囲内のことしかできないのです。
 
だから問題の根本的なことが改善されないままになってしまう。
結局大元のシステムを変えないと、どうしようもないと
いつも思っていました。
 
わが息子のケースだけではなく、助けを求められない家庭のことも一緒に
Labour党に訴えていました。一番上の人にも。 

f:id:uto87:20180813184113j:plain

Labour党党首がDavid Cunliffe やAndrew Little の時も強くサポートしていましたが、
これだけ貧富の差を開いて貧困層を放ったらかし、
特に教育や医療費を削って招いた危機を
危機と認めない前National政権とそれを支持する国民には、本当に腹立っていました。
 
特に、治療が受けられず病気の悪化や死に至るケースが続いた医療危機に
ふてぶてしく対応しなかった前保健大臣に投票して圧勝再選させた
多くのNorthcoat住民には、自分がどのような人物に権力を与えたのか
本当に本当に理解しているのか?と問い正したい。
人として恥ずかしくないのか?
 
さて、いろんなことが重なって起きるわが家。
 
NZ First党がLabour党と組むことを決めて、Labour主導政権になって大喜び。
海外の友人達からのお祝いにも感謝のお返事。政治が変わったので、NZに移住したいという人も少なからずいて。
 
*だいたい。
NZ First党党首、ピーターさんの受け取っていた過重年金は、返金したにも関わらず
選挙中、彼を潰すためにNationalが情報を漏らして、
彼の地元の支持票を減らし、議席をNationalに奪われた。
 
なのに、連立政権のためにはNZ Firstと組まなければならず
手のひら返したように言い寄ってくるNationalに、
 
マオリの血を引き、礼儀を重んじるピーターさんが、
嘘をつき続ける不誠実なNational党と組むわけがない、と腹の奥で思っていた。
 
国会でNational政権の傲慢さを何年も鋭く追求し続けて来た、張本人が。
あの怒りを、私は何年も見続けて感じ取っていたから。
 
*****
 
そんな中、ある10月の終わり。
APD専門クリニックの教育アドバイザーから連絡が。
 
「遠隔マイク補聴器の寄付がありました。中古ですが、
希望でしたら息子さんに譲渡できますよ。」
 
???
よく読め、私。
よ〜く読んでも、遠隔マイク補聴器OKのメールだ!
 
調整師の費用だけ$1250(日本円で10万強)はかかる。
でも$3,767.74(日本円で30万強)は、寄付だから無料ですよ。と。
 
信じられない。
補聴器の寄付は滅多になくて、うちのクリニックに来るかどうかもわからない、と
言っていたのはつい2ヶ月前のことだ。
 
40万円以上する高額な
遠隔マイク補聴器、Remote Microphone Hearing Aid systemの利用は
ほぼ無理だろうとクリニックや学校とも考えていたから。
 
夫に興奮気味に連絡して、これでいこう!と確認して
クリニックに「ぜひお願いします!」とGO!メール。
 
そしたらすぐお返事が来て、
「来年度のTerm 1(1学期)初めから使えるように、学校にも手配しましょう。」と
言うので
「Dean(主任)の先生には説明をしてあって、事情をご存知なのでこの先生と連絡を取ってください。」と
連絡先と感謝を伝えた。
 
10月の後半。
日本だと3学期の終わりというところ。
 
ほぼもう授業はなくて、11月のNCEAテストは自宅学習。
テスト後は、長い夏休み・クリスマス休暇に入る。
 
それに年を越した2月頭に、NZでは新年度のTerm 1が始まる。
 
 
 
まさかLabourに訴えたから、奇跡が起きたのだとは決して思わないけれど
あちこちへの問い合わせの時点からすでに、必死さがにじみ出てしまっていたと思う。
 
高校卒業まで1年しかないことを、
クリニックも Deanの先生も気の毒に思っていたみたいだから
何人もの政治家に伝えるまでのおかんの思いの強さとか、混じって
 
高校最後の1年は、授業内容がちゃんと聞こえるはずだよ。
 
これまでは、ちゃんと聴こえていなかったから
 
「わからないことは、質問しなさい」って言われても、
何がわかっていないかが、わからなかったから
 
質問のしようがなかったよね。
 
 
聴こえなかったのが、
中耳炎の鼓膜チューブのせいか、APDのせいだったのか
昔から実はAPDがあったのか、それはよくわからないままだけど
 
過去は悔やんでも直しようがないから、これからできることに向かっていこう。
 
 
学校から帰って来た次男に伝えて、
 
「寄付された補聴器、ピンクじゃないといいね。」と冗談を言うと
 
“ Nah. I don’t mind. I just do it. (いや。別に気にしないよ。ただやるだけだよ。)” 
 
 
いいねえ。
お母さんは、キミのそのスパッと前を向いていくところが大好きだよ。
 
 
後日、日本のお母ちゃんに伝えると、
学校で補聴器をつけることで周りにからかわれるんじゃないか、と孫を心配していた。
 
でもあの子は大丈夫。
気にしないし、友達も着けてみたがるよ、きっと。と安心してもらいました。
 
APDのことがわかってからも、周りの仲の良い友達に伝えると、
笑って「ああ、だから時々天然だったのかあ。」と言う反応で。
 
そういうものがあるのか、と受け止められるだけで
別に変わらないそうです。
 
 
 
 
一方で、
教育心理学者に勧められたCogmed コグメドに連絡を取っていましたが
一向に返事が来ません….
 
NZではしょっちゅうあることなので、気にしない気にしない
(時々ブチッとなるけど)。
 
独自でCogmedを指導できる人を探して見ると、
 
希望通り11月のNCEAテスト終了後に、会って話し合いましょうと
反応してくれた専門家がいました。