Bittersweet in NZ

こんにちは、ウトです。家族とNZで暮らしています。移住して10年近くは、多くの怒りやフラストレーションを感じていましたが、おかげで行動・経験・学びができて、最近はおだやかな日々がとても増えています。いろんな変化の流れが強いので、大切なのは何か?ということにも向き合っていたい。ここには、体験や感じたことを言葉にしておきたくなった時に綴っています。 Thanks for being here.

ニュージーランドの誇らしい女性たち、 男性たち。

先日、NZのアーダーン首相が、

現在妊娠中で

6月に出産予定という発表がされました。

 

おめでとう!わーい!(^^)

 

ニュージーランドでは、去年10月にLabour(労働党)主導の政権となって

Labour党首のJacinda Ardern(ジャシンダ・アーダーン)が 首相になりました。  

 

妊娠の発表されたその日は金曜日で、

多くの報道陣に囲まれてジャシンダと旦那さんのクラークが

家の前で ニコニコインタビューに答えていました。

 

youtu.be

 

ニコニコだけど、産後はフルタイムで赤ちゃんの世話をするという

クラークの方が、来たる責任を感じてか、非常に緊張していましたね。

 

いやいやあなたの周りには、

たくさんサポートしてくれる親切な人がいっぱいいるから大丈夫だよ。

 

それで、我が家には Labour党から いろんな知らせが来るのですが

その発表した金曜日の夜にも、

ジャシンダ本人から妊娠の報告が送られてきました。

 

報道各社への対応が大変だったのだから、もうゆっくり休めばいいのに。

 

ちゃんと送ってくるということが、この人は本当に律儀なんだよなあ。

 

緊迫した選挙戦を終えてほっとした頃にわかった

予期せぬ妊娠だったようで、

とてつもなくびっくりしたそうです。

 

ジャシンダのお知らせには、

産休中には副首相で、NZ First党党首のピーター氏が、

代理任務を快く引き受けてくれたこと。

ピーター氏とはとても良い信頼関係があること。

産休6週間が終わったら復帰すること。

 

一国の首相の出産と育児が、大変なことは重々分かっているけれど、

夫がフルタイムで育児を担ってくれるということが、

いかに恵まれているかということを痛感している、と。

 

それに、本当は自然に妊娠するのは難しいだろうと言われていたそうで、

驚きも格別だったでしょう。

 

余談ですが、私も一人目の後に流産を2回したので、

不育症ではないかと悩んでいた時期があり、

欲しい欲しいと思うとなかなかできなくて、

他のことで忙しくしていたら授かったんですよね。

 

それなのに去年の選挙中には、

37歳なので子供はどうするのか、など

散々バカなリポーターたちに質問されて

「2017年というこの時勢に女性だからという理由で、そんな質問をされるなんて許せない」と彼女は怒っていました。

 

この報道があると、NZの女性ライターたちが

「さあこれから、 性差別者達と戦うわよ。」と息巻いておりました。

 

世論調査によると、

ほとんどの人がこのニュースに好意的で、

首相としての任務にも影響がないと思う人が多かったのですが

やはりどうしても「乳幼児は母親が育児をするべきだ」とか

「私の時代には母親が 赤ちゃんにつきっきりだったのだからそうするべきだ」とか、ありました。

 

私は3人の子供に3年づつ、合計9年間母乳をあげ続けました。

9年間母乳を出し続けるということは、夜間授乳を休みなく続ける、ということ。

つまり、9年間コマ切れ睡眠だったわけです。

 

何より子供たち自身が望んだことだったから、やって本当によかったと思うけど

それを人に押し付けたいか?といったら、それは絶対にありません。

だってその人やその家族の状況や、考え方によって決められるべきです。

 

赤ちゃんや子供が幸せに育つためには、

快適な環境と

たくさん愛情をこめて、

ぬくもりと手をかけてくれる人がいればいいのです。

 

別にそれはお母さんじゃなくてもいいのです。

 

そんなことは、ちいちゃい子に接したことのある人なら、分かるはず。

 

去年の Labour党の集会では、赤ちゃんができたらできたで

みんなでサポートすればいいじゃんと、私も含め女性達は言ってましたよ。

 

国民に対する裏切りという海外メディア。何言ってんの?

 

ちゃんと仕事すればいいんでしょ?

 

いい国作ろうという人の足を何で引っ張るんだ???

 

子供いなかったらいないで叩くし。できたらできたで叩くし。

人間は生き物だから、人生は思い通りにはいかないの。

 

計画通りにもいかないの。

 

本人たちがちゃんと考えてるし、何かあったらみんなでサポートするんだから。

 

よその国のことより

もっと自分の国どうにかしなさいよ。

 

 

それに政権がNational党からLabour党主導に変わってから、

国会ではこんな光景が。

 

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SCREENGRAB: TVNZ

赤ちゃんを抱っこする国会議長Trevor Mallard。うれしそう(^^)

6人のお孫さんがいるのだとか。

 

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NEW LABOUR MPS KIRI ALLAN, LEFT, AND WILLOW-JEAN PRIME WITH THEIR BABIES IN PARLIAMENT THIS WEEK. SCREENGRABS: TVNZ

Labour党国会議員の2人。 赤ちゃんもすやすや。

議長に抱っこされてたのは、右の議員の赤ちゃんだったと思います。

 

 

私がものすごく尊敬しているジャーナリスト、

John CampbellのCheckpointという番組で。

youtu.be

 

泣き出した赤ちゃんに、ジョンがうれしそうに

「まさに人生って、生きるってこういうことですよね。」

 

議長も、国会を

働く親のためにサポートできる職場のいい例として

国民をリードしたいと、いうことでした。

 

ジョン・キャンベルJohn Campbellは、

以前Campbell’s liveと言うテレビのニュース番組を持っていたのだけれど、

ジョン・キー元首相(National党) への追求が激しすぎて、

テレビ番組を降ろされて(圧力圧力)

今はラジオ番組をやっています。

でも今の方が、もっと自由に報道できてる気がするな。

 

さらに去年、グローバル放送賞のトッププレゼンターとして選ばれました。やったー👍

 

ジョンはいつも一般の人の味方で、

ニュージーランドの心を象徴する代表的人物だといつも痛感する。

 

何と言うか、出さなくていいのに

人として熱い血が通っていますよというのが、ボワーっ!と溢れ出ている人なの。

もう心底、尊敬しています。

 

日本では、市議会か県議会に赤ちゃんを連れて行った議員に

厳しい声があったようだけど、

会議なんだから子供が静かにしてればいればいいし、

むずがったら 別室に移してあげるサポートがあれば済むことじゃないだろうか?

なんでそんなに堅苦しいんだ?もう、少子化で困ってるのに。





それから突然ですがNZでは、堕胎は犯罪だって知ってましたか?

 

夫が前、大学で学生から聞いてびっくりして、私に話してさらに驚愕

 

堕胎が認められるのは、

妊娠した女性の命や肉体的精神的に害を及ぼす場合や、

妊娠の継続によって胎児の身体障害を負う危険がある時。

 

さらに二人の医師による承認が必要だそうです。

 

望まない性行為や

望まない妊娠の時はどうしたらいいんだ?

 

いつも友達に聞いてみようと思って、忘れちゃう。他の話題で。



先日も議論してて、

 

性交渉の時に No と言えばいいという(妊娠したのは女の責任)

小さな子供のいる女性がいたので、

 

「女性みんながあなたのように No を受け入れてもらえる健全な関係であればいいけれど、現実には、拒むことすら許されないような関係にあったり、そこから逃れられない女性もたくさんいる。同じ女性であるあなたが、想像力が乏しいがために、その人たちのことまで考えてあげられないことは、とても残念 。」と発言したら、

私に賛同してくれた女性や男性が考えをどんどんつなげていってくれた。

 

「ガイジン」の私が指摘すると、

「あ、やっぱりおかしかったんだ。」って気づくみたい。

 

人の苦しさを想像できない人は、どこの国でもいるのだ。

 

胎児であっても命があるのだから、堕胎してはいけないと

思うのは間違いではないけど、

それを人の人生に押し付けるのは、おかしい。

 

他人に、人の人生を決める権利が、なんであるんだ。

 

望まない妊娠で、母になりたくない人が

優しいお母さんになることは、もちろんある。

 

でも、悲しいことに虐待したり毒親になったりしても

堕胎反対論者は責任を取ってくれるわけではない。

 

生きながら苦しむ子供たちを、助けようともしないのに。

 

子供を持つかどうかは、男性にもそうだけど

特に、女性に決める権利があると思う。

 

ビル・イングリッシュ前首相(National党)は、

去年の選挙戦で堕胎が犯罪であることについて「特に問題ない」と言っていたが

ジャシンダは「犯罪であるのはおかしい。」と言って改憲する意思があると言ってた。

 

女性の権利は守られているようなイメージのニュージーランドだけれど、

 

よーく見てみると、結構おかしいとこがある。

 

だからいつもよーく見ているのが、大事。



移民として、この国に子供達を連れてきた以上、

環境を良くするために、

政治に関心を持ってできるだけ活動することは、

 

私自身は親としての責任だと思うし、

 

「お母さんがする、当たり前のこと。」のうちの一つ。

 

高いスマホや車を買ってあげることはできないけれど、

 

確固たる信念があることは、子供たち、みんな背中見てて感じ取ってくれている。

 

いや、もうみんなでかくなりすぎて

元大女だった母の背中を、見下ろしているな。

 

 

いい動きを、強くしよう。

 

広めよう。

 

すばらしい活動をしている人たち。

 

ジャシンダのこれからは、NZのためにいい風になるはずだから

 

とても楽しみ。

 

応援できることが、うれしい。








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