Bittersweet in NZ

こんにちは、ウトです。家族とNZで暮らしています。移住して10年近くは、多くの怒りやフラストレーションを感じていましたが、おかげで行動・経験・学びができて、最近はおだやかな日々がとても増えています。いろんな変化の流れが強いので、大切なのは何か?ということにも向き合っていたい。ここには、体験や感じたことを言葉にしておきたくなった時に綴っています。 Thanks for being here.

NZ不当解雇体験記13。国の司法機関 ERA にたどり着くまでの葛藤

突然解雇されて、調停をして
労働雇用関係の司法機関、ERA(Employment Relations Authorityで審議をする。
 
ここまで順調に来たのかというと、決してそうじゃないんです。
もうそれはそれは、苦しかった。。。

 

納得してないのに、元雇用主の勝手な都合で解雇されて、
普通だったら、どうしますか?
 
移民の場合「忘れて、次の仕事生活に移ろう」ってなるだろうし、
人にもそうしなよと言われませんか?
 
そんなんだから、
 
理不尽を主張しないから、
理不尽は繰り返されるんじゃないでしょうか?
 
どうして、自分の権利を主張するのと、
次の生活を始めるのを同時にできないんでしょう?
 
元雇用主がたった1人でやってる会社に働くことになった時、
 
私は、何かおかしいよなってふと思ったけど、その何かがわからないまま、
乗ったほうがいいって、感じた。
 
元雇用主が永住権取ったとたんに、私をクビにしようとした時、
「納得してないし、ものすごく傷ついた」と面と向かって何度も訴えたのに、
「どうしてそんなに怒ってるのかわからない」
「こんなことになって自分の方がつらいんだ」と彼は言っていた。
 
裏切った方が全然悪びれるどころか、自分の方がつらいと繰り返す。
 
その虚しさに
 
「ああ、私はこういうずるい人間と闘って
その汚さを、明るみにする役目があるんだ」と感じた。
 
自分の方がつらい??
 
裏切ってクビにして、給料払わなくてすんで
永住権手に入れたから、インターナショナルの料金じゃなく
子供3人の学費も安くなるし
医療費も安くなるし、将来年金ももらえるのに?
 
得しかしてないんじゃない?
 
笑いが止まらないんじゃない?
 
私を解雇したのは、元雇用主は社員を雇えないほどビジネスがうまくいかず
仕事のコネもなくしたのが理由でしたね。
 
私たちの仕事ぶりには、これ以上もなく満足し感謝していると。
 

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私を解雇した時、
「永住権取得のために、従業員になってくれてありがとう」
元雇用主は感謝の言葉をメールで伝えたのに、
 
日本語のできる彼の弁護士は「永住権取得と解雇を混同している」と
まるで私を、頭の混乱した人間として扱っていた。
 
元雇用主とその弁護士の変わらぬふてぶてしい態度に
 
 
ずっとずっと、深い沼底にいるようだった。
 
 
***
 
Ministry of Business, Innovation & Employment (MBIE)が、
「早く不服申し立てして、調停へ」と強く後押しするから、そうしたけど
 
夜遅くまで貪欲に調べ物をして、隙あらばいつもいつも考え事をしている私に、
 
夫は見るに見かねて「もう忘れて、次行こう」と言っていた。
 
自分の奥さんは、決めたらあきらめることを簡単にしない人だと知りながら。
 
「調停以降に進むことで、相手のビザにどう影響が出るかはあなた(私)には関係なく、
それは相手本人が心配すること。だからとにかく、まず調停に行くように」
 
最初に、あれほどMBIEにガツンと強く言われたのに。
 
私もお人好しが、ずっとぬぐい切れず
夫の方はもっと、しつこく吹っ切れないでいた。
 
「これをやらないと、私死ぬ時に絶対後悔するから、納得いくまで頼むからやらせて」
 
何度も夫に訴えて、
反対する夫をなだめすかして、やっとここまできた。
 
だから元雇用主のしたことを表沙汰にする手段を、貪るように調べながら
 夫も説得し続けなければなくて、
 私はずっと、独りで、
 小さな小さな光を頼りに、表沙汰にする場までやっとたどり着くことができた。
 
嫌がる夫の自分の話を、話そうという気にさせ
追い風を送ったのは、他でもない。
突然解雇してからも、信じられないほど、
無礼で傍若無人を繰り返す元雇用主の態度でした。
 
自分がこういう目にあって、人に話すと
「よくある話」とあちこちで言われました。
 
Citizen Advice Bureau(CAB)では、
「その人ひどすぎる!何それ、中国人?」と言われ、
夫が、
「いや、20年近く日本で暮らしたけど、直接こんなひどいことをする日本人初めて」と。
 
 「そんな血も涙も無い人に、同情なんかする必要は何一つない。できることをとにかく徹底的にするように。」と力強く後押ししてくれました。
 
常日頃よくある相談事だから、相談員ももどかしくて
どうにかしたいと強く言うし、ひしひしと強く感じた。
 
だってこの人たちは、どんなに悔しくても
被害者の後押しをすることしかできないのだから。
  
でもよくあることなのに、なんでそのまま
「裏切りがよく起きる状況」がまだ存在してるんだろう?
 
多分ほとんどの人が、あきらめてしまうからだ。
 
傷ついた人が、あきらめると、
 
誠意のない裏切者たちは、
 
まるで善人のような顔をして、
 
傷ついた人を踏みつけて、
 「何も悪いことしてませんよ」と生き続けていくのだ。
 
私がもがいているうちに、他にもたくさんの人に会ったり話を聞いた。
 
闘う英語力のない人。
 
大黒柱で、家族を支える収入を得るのに精一杯の人。
 
精神的に打ちひしがれてしまった人。
 
家庭が不穏になってしまった人。
 
そして、自殺しようとしてしまった人。
 
 自分のしたことで、私がそこまで精神的に追い詰められたとしたら
どうするつもりだったのだろうか?
 
私には、働いてくれる夫がいたから、私が、死のうとしなかったから
たまたま大丈夫だったのだ。
 
たまたま。
 
不当な扱いを受けた人へ。
 
傷ついたのに、立ち上がって自分の正当性を主張するのは、
簡単じゃないでしょう。
 
きついことの方が多いですよね。
 
きついんだけど、私の心はきつい逆流の方へ行こうとして
 
私の勘がどうしても「こっちへ行け」と強く導いて
 
正当性を主張する場、国の司法機関 ERA までたどり着きました。
 
暗闇の中をもがきながら、
私を引っ張る「勘」と
私の中の「芯」が
あきらめることを許さなかったんです。
 
私は、やらない後悔をするより、
やって後悔をしたほうがいい、といつも思っています。
 
おかげで、結果がどう出ようとここまできたから
いつか死ぬ時に後悔することは、きっとないです。
 
あなたも、もしそう感じていたら
 
あなたの心に従ったほうがいいです。きっと。