Sparkling* 光ってるのどうする?

こんにちは、ウトです。こちらは 以前のBittersweet in NZ の続きです。主に、NZ暮らしでの体験や思いを言葉にして発したくなると綴る私感ブログです。

労働搾取と移住と学校教育と。

ちょっと前に、知り合いのマオリのお兄さんから「これどう思う?」って送られてきた。
 
クライストチャーチの日本食レストランのオーナーによる25名の従業員に対する賃金未払いに対して、雇用法違反のためERAから、
$70000の罰金支払い命令を言い渡された、というニュース。
 
労働者の搾取に対して「日本ではこうなんです。」
日本人オーナーは言ったそうな。

 

マオリさんが「How it is in Japanってなんだよ!日本に帰れ!」って大笑い。
 
後日、クライストチャーチにいる息子もこのニュースを聞いてて。
日本ではこう、ってなんなんだよ!と電話口の向こうで、だいぶ怒っていました。
 
以来この会社は、24ヶ月移住労働者のビザのスポンサーには
なれないのだそうです。その後はなるのか? 
ちゃんと働く前に、どういうところで働くのか調べましょうね。
だって、
同じ国出身者間の詐欺や搾取が、一番多いんだそうです。
 
日本人同士だから、信頼できる、大丈夫。って
もうないですよね。さみしいけど。
黙ってたら不正を認めたことになるから
この多くの労働者の方々が泣き寝入りしないで、主張が認められてよかったです。

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先日、ニュージーランド全体のホスピタリティ業界のニュース。
ホスピタリティ従事者全体の3分の1にもおよぶ人たちが
雇用主に対し、労働搾取と労働法違反の苦情をあげているのだそうです。
 
そこで労働監督当局は、一般市民に対し、労働者搾取をする店の利用を禁じました。
このニュースで取り上げられたフィリピン人男性は、防犯カメラに写っているように、雇用主に殴られ、気の毒にトラウマになるほどのショックを受けています。
 
証拠があるのに、この元雇用主は暴行ではないと反論。
ね?動かぬ証拠があるのに、平気で辻褄合わないこと言うんですよ。
本当に。
 
しかもビジネスオーナーになったばかりで、
労働法のことよく知らないとこの雇用主は言い訳していますが
そんな言い逃れは通用しない、と労働監督責任者。
 
被害にあった男性と家族は、より良い生活を求めて、移住してきたNZ暮らしをあきらめ
フィリピンに帰国することを真剣に考えているのだそうです。
 
労働監督局のホスピタリティ部門では、苦情件数が
2016/2017年度には247件だったのに
2017/2018年度には315件と、
 
27%増加しました。
 
当局責任者によると、
ホスピタリティ業界での雇用基準法違反は
日常的に行われていて急増しているのだそうです。現実に。
 
これは、英語ができて訴える気力のある人で3分の1だから
実際は表に出ていない件も、もっとたくさんあるでしょうね。
 
でもちゃんと、ニュース報道をチェックしていると
労働搾取が多いのは、ホスピタリティ業界だけじゃないですよね。
 
他の業種でもありますよね?
 
*****
 
私の不当解雇の体験も、公開することがERAで認められていて、広く注意喚起するべきだという声もあって
以前、ニュージーランドの日本語情報サイトに、注意喚起を要望したことがありました。
 
横行している不当解雇・労働搾取・移民詐欺に合わないように
サイト利用者に、十分注意するよう伝えてくださいと。
 
でも、断られました。
 
その日本語情報サイトにあるニュースは、
ニュース元が、出していいと許可したものしか出せないのだそうです。
ということは、日本語情報サイトにあるニュースを読んでいるだけではNZで起こっている現実や全体像が把握できないということになります。
 
もしそれらの限られたニュースから、NZは安全・公平・快適という印象を受けているのだとしたら、それは事実ではないですよね。
 
いや、ニュース元を利用するんじゃなくて
被害者本人の声を活用してください、ってお願いしたけど。
 
情報サイトも、利用する人に対して、ニュージーランドのマイナスイメージになるものは
なるべく載せたくはないでしょう。
 
。。。と思ったらこういうつながりでした。
 
ここの記事内にあります*基本中の基本の確認作業 をやってみると
気づく人は気づきます。
*基本中の基本の確認作業
イーストウィンドのMasatomo Ashikaga アシカガ・マサトモ(通称トム田中)故社長と
関係があった人や会社はいまだに活動していますので、調べておきたい場合は
この公的に閲覧できる、政府機関NZ Companies Officeの会社登記サイトで調べてみましょう。
 
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話を戻します。
だけど、これほどまでに多くの移民が、NZ移住してみたら「こんなはずじゃなかった」って
涙を流し、苦労したり悩んだりするのはどうしてなのでしょう?
 
教育者の夫を通しても、子供たちの学校関係、友人知り合いにも。
老若男女、出身国関係なく。たくさん。
 
来る前に、ちゃんと事実を知っておこう。いいことも悪いことも隠さずに、知っておいたほうがいい。その上で判断すればいいことだから。
 
今は、私たちが来た時よりもっと情報が入ります。
いろんな現地のNZの報道を読みあさって、現実をなるべく把握しておいたほうがいいです。
 
新聞社1社しかないからって、ヘラルドしか読まないのはお勧めしません。
ヘラルドははっきり書かなかったりするので、
教員の間ではあんまりいい評価聞きません。
「読んでてイラつく」「ゴシップが無駄」とか
「窓拭きにしか使えない」と言う先生も。
私もイラつく時あるけど、でも出来事を把握するくらいは。
 
他にもあるけど、NZ国内だと絞ってこれくらい。
一つのサイトだけじゃなく、いろいろ。
 
 
*****
 
<<4つの『ない』の度合いが強いと、つらい。>>
  1. 英語力が足りない
  2. NZや外国暮らしに、なじめない
  3. 経済的な余裕がない
  4. 公平な機会が与えられない
 
これまで移住で悩む、みなさんから感じました。
 
1がないと2の「なじめない」につながるんだけど、
1がOKでも、2が強い人もいます。
4があるから3につながるのも、よくありますね。
 
あるドイツ人の生徒さんは、移住エージェントに
月$4000で家族4人生活できるって言われていました。
オークランドのNorth Shoreで。 それは無理でしょ?
 
多くが「家族でNZに永住」したいと口にしますが
根本的には、より良い生活で家族が幸せになるのが目的で
それは、NZ永住とは限らないなあって、思えてくることがあるんですね。
 
家族の幸せが、NZ永住とは限らない。
 
夫も私も移住エージェントや観光関係者じゃないし
私たちも移民だから、NZの現実を誤魔化してよく言う必要もないので
NZ生活のウソは言わないし、現実しか言えません。
 
結局、そのドイツ人家族は
NZが思っていたような国ではなくて、家族のメンタルも不安定になったので
他の国に移住しました。で、元気にしています。
 
他にも親がいろんな英語圏の永住チャレンジをするので
カナダ、イギリス、アメリカ、オーストラリアとか子供の頃から転々として
最後に(笑)ニュージーランドに来て永住ビザ取れたけど
大人になって、やっぱり他の国がいいから行く人も、少なくないです。
 
NZでしか永住ビザ取れなかったから、暮らしてるけど
別に好きで暮らしてるわけじゃないっていう、本心もよく聞きます。
 
1の英語力。英語力はやっぱりあったほうがいいです。ほんとに。
でないと「どうぞダマしてください。」って言ってるようなものです。
 
英語ができないと、壁ができちゃう。
壁を作っているのは、周りじゃなくて、話せないあなた自身。
 
夫のとこに来る人や、夫はイギリス人で教師ですって言うと
「顔がアジア人なのは変えられないので(!)、ブリティッシュイングリッシュを教えてほしい。」と言われることも度々。
会社社長やビジネスパーソンが多い。
笑って言ってくれるといいんだけど、真顔で言われるとちょっとびっくり。
よっぽどいやな何かがあったのかもしれない。
 
アジア人以外が、アジア人を
アジア人が、自分より不慣れなアジア人を、見下したりだましたり。
英語力は最低限、自分や誰かを守るために。
 
労働搾取が多いホスピタリティ業界には、移民が多いですよね。
従業員の権利を強くする改正案がこの前提出されたのですが、
先日の移民・労働大臣の話でも、議論して改正案が今年中に通ることを
目標にしているって言ってました。
だから現行は、前政権の施行した法に基づいています。
変えるのには時間がかかる。
 
雇用法では、雇用主と従業員が対等に扱われるべきと、定められているのですが
「現実には、従業員には生活がかかっているので、不利な雇用契約でもサインを強いら
れることが多いので、現行法では対等とは言えない。」と
Labour国会議員と話した時、言ってました。
 
例えば、移住してきたばっかりで英語もままならない状態だと、
雇用主が雇用契約書作成時に使う「契約書のフォーマット」を
都合のいいように変えてあっても、気がつかないでしょう?
 
雇用主は契約書を正しく作成して法を守っているものだと、
私だってすっかり思ってたんですから。
 
例えば私の元雇用主は、正しい雇用関係をNZ Immigrationに提出することで
永住権を狙っていたわけだし、法律を遵守してるはずだと思ってました。
だけど元雇用主は、その契約書を自分に都合よく(間違えて)解釈して
費用を支払って雇った弁護士も間違えて助言していたから、法的に不当解雇認定される。
 
お金もらって、違法解釈を正しいと言い続けてた日本語はできるらしい移民弁護士。
他にも金さえ払えば、加害者側の妄想だけで被害者に脅しの文書を送る
弁護士(Lawyer)や法廷弁護士(Barrister)がいることをNZでは体験しています。
不当解雇でじゃなくても、脅し文書送られてきたことがあります。
うち被害にあったのに。もちろん然るべき報告をして、対応してもらいましたが。
弁護士だからって、日本語ができるからって、弁護費用が高かったからって、
いつも正しい助言をしてくれるとは限らない。
 
*****
 
それから、これちょっと、母としていやなことなんですが。
高校ではホスピタリティの教科の選択は、ドロップアウトがするものだっていう
間違った観念が生徒たちの間でまかり通っているんです。数年前も現在も。
アカデミックな教科より簡単だからという理由で。
それはおかしいでしょ?っていろんな子に聞いてみるのだけど
だってそうだから、って返事がくる。
 
しかも、高校では新学期前に、
名前が伏せてあるものの生徒の選択した教科がわかってしまうように
なっていて、傾向が読み取れるんです。
 
それで実際の学年より、
学年の低いESOLクラスにいて、英語が追いついていない生徒は
日本語とホスピタリティの教科を選択していることが、
かなり多いのがわかります。(中国語も同じ)
 
移住して来た子たちだと思います。
日本語を選択することで、NCEAのクレジット(点数)を
上げようとしているのでしょう。
 
ちなみに、1つの科目のクレジットがすごく高くても
全部をNECAクレジットに加算することはできません
一つの科目でカウントできるクレジットに上限があるからです。
 
だから特にYear 13のNCEA Level 3 では
選択科目全体で、しっかりパス(Achieved )するのが大事です。
 
これだけの子たちが、風評に負けず
意欲的にホスピタリティに進みたいのなら素晴らしいのですが
 
もし、他に選択肢がないから仕方なくホスピタリティに進むのなら
気の毒に思います。
 
そこまでして、無理して現地校に通わせる必要があったのだろうか?
親御さんたちが、本当にしっかり把握して
力つけるようサポートしてきたのか?気になります。
帰国するのか、ここにとどまるのかわからないけど。
 
高校5年間って本当にあっという間で。
バタバタしてる間に、あっけなく終わっちゃいます。
 
だから高校終わったらどうするのか、ちゃんとビジョンを持って、自立するために
力つけていけるようサポートが必要だと思うんです。
 
これは、決してアカデミックかどうかではなく、
コミュニケーションをとったり「子供が持ち味を生かして、自立していけるかどうか」です。
 
周りのネイティブの友人たちは、小中学校の頃からそう育てていて
高校は「いざ、本番!」という感じ。フォーカスしてます。
学校に任せるなんていう感覚は、ないです。
 
うちでは、一番上の子が12歳になったかならないかという時に移住してきました。
夫や教育・児童心理の専門家の友人が多くいるので、
子供第一に、海外移住するのはその時がタイムリミットだと。
夫はこれ以降じゃ遅いと、頑なでした。
ESOLクラスは、本人が努力して1年でクリアしました。
 
夫のところには移民の子が、30代になってやっと「自分のやりたい進路に進みたい」と
英語力強化のためにやって来ますが、そういう選択が20代終わりから30代でできるのは
とっても裕福な親御さんを持った生徒です。
 
海外での子育ての教育課程で子供ほったらかしとか、逆に無理強いさせないうえで。
 
ネイティブ家庭以上に必要なサポートと、親のビジョン。
 
子供にちゃんと与えられているでしょうか。
 
*****
 
ホスピタリティ業界は移民が多く、英語ができても労働搾取が後を絶ちません。
 
夫はよく、最近の学生のつながりから、
以前教えた学生の近況を教えてもらうのが好きですが
 
教えていた時は、希望を持ってビジネスなどを学んでいたのに
卒業したら仕事がなくて、最低賃金以下のホスピタリティで働いてる。
そういう近況を聞くたびに悲しくなるそうです。
 
せっかく海外に来て、せっかく大学出たのに。多額の借金をしてきたかもしれないのに。
 
労働搾取する人間が、のさばれるから、ホスピタリティが、労働搾取の温床になって。
労働搾取がなくなれば、純粋に、質の高いホスピタリティのプロを目指す高校生や
新しい働き方として選んだ若者が、肩身の狭い思いをする必要はないんじゃないだろうか。
ホスピタリティのプロフェッショナル。いないと、困るし。 
堂々と誇りを持って、従事できるように。
 
移民の抱える問題は、それぞれが別々じゃなくいろんな場面で関係しています。