Bittersweet in NZ

こんにちは、ウトです。家族とNZで暮らしています。移住して10年近くは、多くの怒りやフラストレーションを感じていましたが、おかげで行動・経験・学びができて、最近はおだやかな日々がとても増えています。いろんな変化の流れが強いので、大切なのは何か?ということにも向き合っていたい。ここには、体験や感じたことを言葉にしておきたくなった時に綴っています。 Thanks for being here.

親の頭が痛くなる? NZ小学校の「オーラルリポート」

ニュージーランドの学校では、
1年間で4学期あるうちの1学期(Term 1)の半分が過ぎましたね。
 
そろそろ小学校のYear 3・4(7・8歳)では、
オーラルリポート、つまり「自分の考えを発表する」という課題が
出され始める頃じゃないでしょうか?
 
この頃から
地元のNZerのお父さんお母さんも
「親の宿題か〜〜〜〜!!!」ってキレるほど
 
家庭で勉強指導していかないといけなくて
 
本当に親の負担が大きいんですんよね。
 
 
夫は大学などでアカデミック英語を主に教えていますが、
最近は大学でやっていくだけの「書く力・ライティング」ができてない学生が
増えてるのを実感しているそうです。
 
「高校出るまでの教育はどうなってるんだ?」と。
 
ニュースでも去年だったか「読み書き能力」がここ数年で一番低いとか言ってました。
 
 
他の国でもそうだろうけど
NZの教育では「ライティング」がものすごく重要です。
 
数学でも理由づけとか、物作りでも、この作品を作る意図とか
「文章が書けない」というのは大変なことです。
 
どんなにいい作品を作っても、プランやら説明やら(これがまた長い)が書けないと、
学校では評価されないんです。
 
Not Achieve(不可)になっちゃう。
 
そこで
我が家でやってきた、子供達へのサポートを書き残しておこうと思います。
 

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夫や大学がいつも示している「高校出たらここまでにはなっていてほしい」
というレベルまでにたどり着くために
 
逆算して、小学校のうちこういうポイントは押さえた方がいいだろうな、というのを
母としてあれこれ実践してきました。
 
 
 
我が家は、子育て前半を日本でしてきたので
 
NZの教育を受けてきた10年間で、
 
長男は、大学で自分の好きな分野のHonors Degree(優等学位)を勉強中 。
次男も、聴覚情報処理障害があっても来年は進学を目指していて
末娘は、小学校高学年の時の読み書きが、高校生レベルでした。
 
なので、おうちサポートの成果は書く力に出ていると思います。
 
ちなみに移住するまで、長男だけ少し英語がわかるものの
みんなほぼ英語は話せませんでした。
 
長男11歳の終わり、次男7歳、娘は3歳でした。
 
 
日本では当然ですが、英語より日本語が最重要。
 
まわりの日本人家庭より
我が家には日本語シャワーが圧倒的に少なくて、
家の中で日本語を話すのは、母親の私だけだったので
 
とにかく豊かな日本語を身に付けさせるのに、一生懸命でした。
 
4秒おきにくる子供達からの質問に答え続けたり
学校の勉強に遅れないようにと。
 
「ハーフだからいじめられないように」と心配していたこともあって。
 
 
 
「英語の先生のお父さんからライティング教わってるから、できて当たり前。」と
思われるかもしれませんが、
 
お父さんは主に大学レベルを教えているので、高校までの子供の勉強をみるのは
私です。
 
しかも息子達は特に、父親に教わるのがイヤで
よその人はお金を払って夫に学びに来るというのに、頑固に拒み続けました。
 
でも、かろうじて私のサポートは受け入れてくれていました。
 
それに、
学校のお迎えでお友達を含め、子供達がどんなレベルの言葉を話しているか、
他のお母さんたちはどんな指導をしているか、先生とも話をして
あらゆる情報を収集して、
 
「とりあえず学校では、どんなことを求めているか」をつかむには
 
毎日お迎えに行く、母親の私の方が都合がよかったんですね。
 
「とりあえず」だからその枠にはまらなくても当然いいんですが。
 
 
宿題:オーラルスピーチ
 
 
それぞれの学校で違いはあるかもしれませんが、
 
大体Year 3・4(7・8歳)で「自分の言いたいこと」からテーマが出て
 
「調べたものを発表する」に移ってくるでしょう。
 
そんな宿題が出て、学校からも「おうちでの指導、よろしくお願いします」
なんて言われますよね。
 
お母さんかお父さんが、始めのうちはつきっきり
文章を書いて発表の練習までをチェックしているでしょうが、
 
つきっきりで(親が?)文章を書いて、っていうのは
 
3回目くらいからは減らしたほうがいいように思います。
 
 
そして文章構成を意識して「序論・本論・結論」が書けるように
「イライラしないで、怒らないで」見守ってあげましょう。
 
ある先生が
「自分の考えをまとめて言葉にして書き出すのが、苦手なのは、男の子に多い」と
言ってました。
 
確かに四半世紀以上
夫の横で多くの生徒を見てきても、そう感じます。
 
例えば小さい頃、
次男は「自分の考えをまとめて言葉にして書き出せる」ようになるまでに
時間がかかったのですが、
娘の方は、くたびれた私のうたた寝20分間で、
すぐにサラッと良い文を書き上げるような子でした。
 
長男に書く力がきちんと身についていたのは
明らかに、日本の小学校6年間で読み書き能力がしっかりついていたからです。
 
子供はみんな違ってて、それでいいので、
 
考えや調べたことを、文章構成を意識しながら
書けるようになるまでに時間のかかる子は
 
急かさないで、少しでもできるようになったら
メチャメチャほめてあげてください。
 
子供をほめたい時は、きっと親の方も指導がんばった自分を
ほめたい気持ちでいっぱいのはずです(^^)。
 
そんな風に時々、親仲間とグチ言って発散しながら、
見守り続けていって
 
Year 5では、自分の意見が文章構成の基本の「序論・本論・結論」に沿って
書けるようになっているのがいいと思います。
 
この頃にはかなりちゃんとしたものを書くように、学校でも要求されるのでね。
 
これ、高校や大学でもできていない人が時々いて、
とても苦労していて気の毒なことなので
 
小学生のうちに親が気をつけてあげるだけでも、ものすごく違うと思います。
 
だって高校や大学の小論文を、親が見るのはもうかなり大変なレベルですよね。
 
 
例えば、次男がYear 6の時には
先生は「(書く力は)大丈夫ですよ」と言っていたんだけど、
 
私がどうしてもどうしても
書く力を強化するのをゆるめたらいけない感じがしたので、
 
特別にライティングの指導を、先生に出してもらっていました。
 
子供を一緒に伸ばしましょう!と親が熱心でいると
たいていの学校の先生は、協力してくれますよ。
 
それに息子がまじめに頑張って、力をつけていってくれたので
先生も「打つと響くからやりがいがあるわ!」と喜びながら、
特別指導をしてくれていました。
 
だから「うちの子ここが弱いかも…」と思ったら、
早めに面談の時でもいいので、先生に相談するといいですよ。
 
 
夫のところに相談に来る家庭も、子供が7・8歳の時期と13〜15歳が多いです。
 
間違った英語がクセになって染み付いていたりして、
直すのに時間がかかる場合があるので
NECA Level1の15歳、14歳でも、気づくのが遅いかもれません。
 
気づくのが早いに越したことはありません。
 
NECA Level1から結果出してクレジット(点数)取っていかないといけないので。
 
NECAは、Cambridge ケンブリッジ方式や日本の中間期末試験に比べて
早いうちからテストが始まり、しかも多いので
 
Level1からレベルが上がるにつれて
子供達のストレスも強くなります。
 
 
「学校にまかせとけば、何とかなるだろう」っていうのは、
 
一番やめてください。
 
そうやって大人になって、力がついてなくて悩む
気の毒な学生がいっぱい、夫のところに来るのです。
 
こうなる前に、おうちでできたこと
たくさんあったはずなんです。
 
学校からも「おうち指導」をするように何度も言われますよね?
 
それにはちゃんと理由があるんです。
 
だからちゃんとやってあげてください。
 
 
小学校のオーラルリポート・発表は
親の方がキーッとなることもありますが、普通です。
 
だから親は、大人同士でグチりながら
 
うまく発散してくださいね(^^)。
 
そのうち終わるから。