Bittersweet in NZ

こんにちは、ウトです。家族とNZで暮らしています。移住して10年近くは、多くの怒りやフラストレーションを感じていましたが、おかげで行動・経験・学びができて、最近はおだやかな日々がとても増えています。いろんな変化の流れが強いので、大切なのは何か?ということにも向き合っていたい。ここには、体験や感じたことを言葉にしておきたくなった時に綴っています。 Thanks for being here.

NZ不当解雇体験記21。「隠匿」と「労働の搾取」1

先日、NZ在住のドイツ人でインターネット起業家のキム・ドットコムさんに、
 
国外追放の可能性があるらしいというニュースがNZヘラルドに載っていました。
 
派手なことして面白い風をこの国に吹く人だなあと思っていたので
残念だなと思っていたら
 
危険運転の前科があるのに、永住ビザ申請に申告しなかった、
つまり犯罪歴の前科を「隠匿した」からなのだそうです。
 
専門家の意見では国外追放の決断が下されるだろうという見方が強いとのこと。
 
なんでも
危険運転の前科(50km区域を149km)を申告しないで、ドットコムさんが永住ビザ申請したことを、このNZヘラルドが裁判の記録を基に明らかにしたことで、移民局の調査につながったらしい。
 
まあ、もともと外国で著作権侵害などの容疑がかかっているのに、
永住権が取れたことが不思議でしたが。
大金持ちならいいのか(National党政権は)?って言われてましたね。
 
居住許可申請した時に、NZ保安情報局(NZSIS)が申請を阻止しようとしたのに、
「政治的圧力」がかかったそう。
 
同時期に新しく設けた居住許可制度での入国者数が伸び悩んでいたので、
当時National党の移民大臣、ジョナサン・コールマン(またこいつだ!)が
「金遣いの派手な人物」を入国させるのに躍起になっていたらしい。
 
(このコールマンは、この前の選挙の時に保健大臣だったのに医療福祉の危機への責任を認めず放置していた。
こんな無責任な奴をこの前Northcoteの選挙区民は圧勝で当選させてしまった。人として本当にそれでいいのか?)
 
 *****
 
話はドットコムさんに戻って。
その後、2014年の選挙の時には、インターネット党を立ち上げマナ党と組んで
議席獲得はなかったけど政治にも関心があるそうで、
この国が好きなんだろうなというのは伝わります。
 
 
居住権については、控訴や司法審査が終わってから移民大臣の判断が下りるらしい。
国外追放か本国送還かわからないけど。
 
ドットコムさんは、
(新しい移民大臣は)スピード違反切符なんかでうちの家族を国外追放なんかしないよ、とツイートしていたけど50kmの所を149kmは、やっぱ、まずいよ。。。。
  
ドイツ人はオートバーンがあるからか、
友達も生徒さんもスピード出すことに悪気がない人が多くて、なんだかなあ。
 
そんな躊躇なくスピード出されて、巻き込まれたらたまったもんじゃありません。
 
それにドットコムさんの前科の隠匿がOKだったら、他の「隠匿者」はどうなるの?
 
「嘘ついて隠したっていいじゃん」が溢れる一方。収拾がつかなくなっちゃう。
 
ただドットコムさんは、報道を読む限り、隠匿はしたけどNZ労働者の搾取はしていない様子。
 

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そして、新政権が削減に力を入れ始め調査することを宣言した「労働力の搾取」
 
「格安。または無料で長時間こき使える、
都合のいい移民労働者。」
 
最近ではマレーシアからの不法建築労働者が200人近くが、
国外追放や入国不許可を受けました。
 
 
その前はフィリピン料理レストランオーナーが。
 
 
その前はインド料理レストランオーナーだったかな。
 
永住者である雇用主が、立場の弱い移民労働者を、奴隷のように扱う。
 
でも「よくある話」「よく聞く話」ですよね。
 
….って、なんでよくあるの?? よくあっちゃダメでしょ。
 
 
人権を踏みにじって労働者を搾取するような雇用主は、国から追い出せばいいんじゃないの?
 
悪い奴が許されてるから、罪を負わせないから、野放しだから、いつまでもなくならないんじゃないの?
 
9年間続いた、前National政権では、移民搾取や詐欺に対して調査が行われなかったり、調査されても起訴や強制執行がされないケースが非常に多かったそうなんですね。
 
2017年までの6年間で調査された5700件のうち、
起訴に至ったものはわずか150件。
2016年には、前年より1000件以上の1363件の申し立てが
Immigration NZ(移民局)にあったそう。例年に類を見ないほどの件数で。
 
ところが、有罪判決を受けたのは
2015年より10件少ない、たった22人だったそう。
 
せっかくの申し立ては匿名が多く、追跡調査が難しかったからだそうです。
あと予算不足。 ここにグラフがあります。 
みなさーん!
移民搾取や詐欺の報告するんだから、ちゃんと名前と連絡先ぐらい書きましょう!
 
それに通報者が誰かなどの個人情報は、
雇用主など対象者に知られないよう保護されています。
 
さらに質問されたらちゃんと答えて、搾取・詐欺行為の軽減に協力しましょう!
 
***
 
その新しいLabour党の移民大臣兼労働大臣、
イアン・リース ギャロウェイ(Iain Lees-Galloway )は
 
移民と留学生に対する権利侵害の正式な調査を開始するそうです。
 
リース ギャロウェイ大臣は
移民に対する搾取に関し、移民自身の口から聞きたいそうで
新政府の最優先事項なのだそうです。
 
移民が意を決して自分の経験を話したり苦情を申し立てるのは簡単なことではないし、
多くの人が精神的にも弱い立場にあるので、その経験を話せる機会を設けたいそうです。
 
***
 
そう。私の経験を話し続けようと、私に決心させたものはここだったんです。
私が経験を話している時に出会った、似たように搾取されている(いた)人たちの
その弱々しさ。
 
搾取する側や搾取できる環境を作り放置している関係者達は、
ふてぶてしく暮らしているのに、
搾取されている方が、その人の尊厳とか生きる力を吸い取られていて。
 
それが、猛烈に頭にきたんです。
本来なら一家のお父さんとか、応援したくなるような生徒さんとか
チャレンジに燃えてていい状況のはずなのに、
もう、悲しいほどに弱々しい。
 
こんなのおかしい。
 
不正や詐欺ができる環境、法の抜け穴があり続ける限り、私に仮に賠償金支払われて(まだ払われてないけど)、メデタシメデタシになったとしてもそれだけでは私には意味がないことなのです。
 
移民環境・システムを変えない限り。
 
被害にあった人達がみんな救われない限り。
 
 

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