- 頻繁に起きる耳の感染症、中耳炎(鼓膜チューブの装着に関係ない)
- ストレスやトラウマ(認識されない場合も)
- 頭の外傷(気づかれないまま経過したものも)
- 難産・未熟児
- 放置された過剰な耳垢
- アレルギーにより耳・鼻・のどの慢性的な炎症
去年8月半ば。
数ヶ月後に17歳になる次男は
オークランドにあるAPD専門の聴覚クリニック、
SoundSkillで朝9時半から聴覚の精密検査を受けました。
APDという言葉を初めて聞いてから
私は検査日までたくさん論文や資料で調べていて、質問したいことなど
検査の結果を受け入れる準備を整えてきました。
普段の病院関係は、いつも母親の私だけで
夫は付き添いにはほとんどついてきません。私に任せっきりです。
でも今回ばかりは、時間がなくて勉強不足だった
夫が専門家に直接説明してほしいと言うので、夫婦そろって行きました。
いざ行ってみると、聴覚士と私たちでヒアリングとコンサルタントが40分ほど。
本人がどんな風に困っているか、学校や勉強の様子、これまでのこととか細かくて、
ていねいな質問が続きます。
親の方も、子供が未熟児だったか、出産時や小さい頃のトラブルとか兄妹との違いなど細かく聞かれます。
なので、夫婦で行ってよかったです。
これから検査の予定があるおうちは、親一人じゃなく
一緒に暮らす家族何人か付き添うといいと思いますよ。
なんでかと言うと
息子に対して、気なることの視点が夫と私ではやっぱり違うんですね。
例えば、
息子の聞き間違いにイライラする夫に対し
私は繰り返したり言い直したりを、のん気に自然にやってしまうから
聞き間違いを問題視する観点が弱いんです。夫に比べると。
夫と息子がテレビで映画を見てて
夫はストーリーに集中してるのに、
息子はささやく会話は聞き取りづらいからか
画面のビジュアルに気が向いてしまったり。
このヒアリングでは、小さい時から今までの
「あれ?」って言う感覚を思い出す作業が必要だったんですね。息子本人も、親も。
その「あれ?」っていう感覚を、聴覚士が細く記録していって
時々それは、こういうことかもしれないですね、と説明してくれたりしました。
それが終わってからは、息子だけで聴覚検査が1時間か1時間半ほど。
その間、私たちは下の階のカフェで待ちながら、
息子のこれからを心配する会話が続きました。
検査では計算や言葉を使ったりして集中しなければならないそうで、
検査を終えた時の息子はちょっと疲れていました。
検査後、聴覚士から結果の説明がありました。
正式な検査結果のレポートは2週間後にメールで送られます。
*遠隔マイク補聴器:学校で先生がマイクを首から下げて、補聴器がクラスの雑音をシャットアウトして授業を受けられる。
試しに息子が遠隔マイク補聴器をつけて、聴覚士がマイクをつけて話をしてみると
周りの雑音をカットして聴覚士の声が鮮明に聴こえるそうで、
息子はすごくビックリ!
飛行機のコックピットにいるような感じなのだそうです。
試しに騒がしいカフェにも行って、雑音の中で夫がマイクにささやいてみると
かなり離れているのに鮮明に聴こえるので、息子はとても気に入っていました。
…..でも
せっかく気に入ったのに、この遠隔マイク補聴器はNZ$5000!
補聴器自体が$3,767.74(日本円で30万強)。試用してみて効果がなければ返金可能。
補聴器の試用とフィッティングに$1250(日本円で10万強)。返金なし。
NZ$5000もかかるのです。
せっかく本人気に入って、補聴器との相性もいいのに。
小さい時からAPDだったら、国からの補助が補聴器代のみ出るけれど(フィッティング代には出ない)
大きくなってから診断されたので、国からの補助は出ないとの事(当時は、教育費を削減しまくったNational政権)。
でも、後でわかった事だけどAPDというのは
成長するに従って、勉強などで使う言葉が複雑になってくると
小さな時には見逃されてしまったAPDが発見される事が多い障害なんだそうです。
だからうちの子おかしいな?と思っても
検査や治療を受けさせてあげられないままになっている子供達が、多いのだそうです。
そんな高額な出費(40万円以上)簡単には出せない、と夫が言うと
聴覚士も「そう言う家庭がほとんどで、この補聴器を使う子はあんまりいないんですよ。でもたまに中古品が寄付されることがあるので、それだとフィッティング代だけで済むから、それを待ってみましょうか?」と。
フィッティング代だけでもって、まだ10万するけど…
今後はこのクリニックの教育カウンセラーと、話し合いを続けることになりました。
検査結果のレポートは、2週間と言っていたけど、
聴覚士さんは、ありがたいことに急いで高校に報告するため
10日で送ってくれました。
それでも、このクリニックでの両耳分離聴トレーニングでは、
効果が出るのに息子には時間がかかってしまうので
高くても時間がないからできる事を早く、補聴器を使いたいと思う私と、渋る夫。
「お金がかかっても未来のある子のために、できる限りの事をしなさい」と
先日、NZのアーダーン首相が、
現在妊娠中で
6月に出産予定という発表がされました。
おめでとう!わーい!(^^)
ニュージーランドでは、去年10月にLabour(労働党)主導の政権となって
Labour党首のJacinda Ardern(ジャシンダ・アーダーン)が 首相になりました。
妊娠の発表されたその日は金曜日で、
多くの報道陣に囲まれてジャシンダと旦那さんのクラークが
家の前で ニコニコインタビューに答えていました。
ニコニコだけど、産後はフルタイムで赤ちゃんの世話をするという
クラークの方が、来たる責任を感じてか、非常に緊張していましたね。
いやいやあなたの周りには、
たくさんサポートしてくれる親切な人がいっぱいいるから大丈夫だよ。
それで、我が家には Labour党から いろんな知らせが来るのですが
その発表した金曜日の夜にも、
ジャシンダ本人から妊娠の報告が送られてきました。
報道各社への対応が大変だったのだから、もうゆっくり休めばいいのに。
ちゃんと送ってくるということが、この人は本当に律儀なんだよなあ。
緊迫した選挙戦を終えてほっとした頃にわかった
予期せぬ妊娠だったようで、
とてつもなくびっくりしたそうです。
ジャシンダのお知らせには、
産休中には副首相で、NZ First党党首のピーター氏が、
代理任務を快く引き受けてくれたこと。
ピーター氏とはとても良い信頼関係があること。
産休6週間が終わったら復帰すること。
一国の首相の出産と育児が、大変なことは重々分かっているけれど、
夫がフルタイムで育児を担ってくれるということが、
いかに恵まれているかということを痛感している、と。
それに、本当は自然に妊娠するのは難しいだろうと言われていたそうで、
驚きも格別だったでしょう。
余談ですが、私も一人目の後に流産を2回したので、
不育症ではないかと悩んでいた時期があり、
欲しい欲しいと思うとなかなかできなくて、
他のことで忙しくしていたら授かったんですよね。
それなのに去年の選挙中には、
37歳なので子供はどうするのか、など
散々バカなリポーターたちに質問されて
「2017年というこの時勢に女性だからという理由で、そんな質問をされるなんて許せない」と彼女は怒っていました。
この報道があると、NZの女性ライターたちが
「さあこれから、 性差別者達と戦うわよ。」と息巻いておりました。
世論調査によると、
ほとんどの人がこのニュースに好意的で、
首相としての任務にも影響がないと思う人が多かったのですが
やはりどうしても「乳幼児は母親が育児をするべきだ」とか
「私の時代には母親が 赤ちゃんにつきっきりだったのだからそうするべきだ」とか、ありました。
私は3人の子供に3年づつ、合計9年間母乳をあげ続けました。
9年間母乳を出し続けるということは、夜間授乳を休みなく続ける、ということ。
つまり、9年間コマ切れ睡眠だったわけです。
何より子供たち自身が望んだことだったから、やって本当によかったと思うけど
それを人に押し付けたいか?といったら、それは絶対にありません。
だってその人やその家族の状況や、考え方によって決められるべきです。
赤ちゃんや子供が幸せに育つためには、
快適な環境と
たくさん愛情をこめて、
ぬくもりと手をかけてくれる人がいればいいのです。
別にそれはお母さんじゃなくてもいいのです。
そんなことは、ちいちゃい子に接したことのある人なら、分かるはず。
去年の Labour党の集会では、赤ちゃんができたらできたで
みんなでサポートすればいいじゃんと、私も含め女性達は言ってましたよ。
国民に対する裏切りという海外メディア。何言ってんの?
ちゃんと仕事すればいいんでしょ?
いい国作ろうという人の足を何で引っ張るんだ???
子供いなかったらいないで叩くし。できたらできたで叩くし。
人間は生き物だから、人生は思い通りにはいかないの。
計画通りにもいかないの。
本人たちがちゃんと考えてるし、何かあったらみんなでサポートするんだから。
よその国のことより
もっと自分の国どうにかしなさいよ。
それに政権がNational党からLabour党主導に変わってから、
国会ではこんな光景が。
SCREENGRAB: TVNZ
赤ちゃんを抱っこする国会議長Trevor Mallard。うれしそう(^^)
6人のお孫さんがいるのだとか。
NEW LABOUR MPS KIRI ALLAN, LEFT, AND WILLOW-JEAN PRIME WITH THEIR BABIES IN PARLIAMENT THIS WEEK. SCREENGRABS: TVNZ
Labour党国会議員の2人。 赤ちゃんもすやすや。
議長に抱っこされてたのは、右の議員の赤ちゃんだったと思います。
私がものすごく尊敬しているジャーナリスト、
John CampbellのCheckpointという番組で。
泣き出した赤ちゃんに、ジョンがうれしそうに
「まさに人生って、生きるってこういうことですよね。」
議長も、国会を
働く親のためにサポートできる職場のいい例として
国民をリードしたいと、いうことでした。
ジョン・キャンベルJohn Campbellは、
以前Campbell’s liveと言うテレビのニュース番組を持っていたのだけれど、
ジョン・キー元首相(National党) への追求が激しすぎて、
テレビ番組を降ろされて(圧力圧力)
今はラジオ番組をやっています。
でも今の方が、もっと自由に報道できてる気がするな。
さらに去年、グローバル放送賞のトッププレゼンターとして選ばれました。やったー👍
ジョンはいつも一般の人の味方で、
ニュージーランドの心を象徴する代表的人物だといつも痛感する。
何と言うか、出さなくていいのに
人として熱い血が通っていますよというのが、ボワーっ!と溢れ出ている人なの。
もう心底、尊敬しています。
日本では、市議会か県議会に赤ちゃんを連れて行った議員に
厳しい声があったようだけど、
会議なんだから子供が静かにしてればいればいいし、
むずがったら 別室に移してあげるサポートがあれば済むことじゃないだろうか?
なんでそんなに堅苦しいんだ?もう、少子化で困ってるのに。
それから突然ですがNZでは、堕胎は犯罪だって知ってましたか?
夫が前、大学で学生から聞いてびっくりして、私に話してさらに驚愕!
堕胎が認められるのは、
妊娠した女性の命や肉体的精神的に害を及ぼす場合や、
妊娠の継続によって胎児の身体障害を負う危険がある時。
さらに二人の医師による承認が必要だそうです。
望まない性行為や
望まない妊娠の時はどうしたらいいんだ?
いつも友達に聞いてみようと思って、忘れちゃう。他の話題で。
先日も議論してて、
性交渉の時に No と言えばいいという(妊娠したのは女の責任)
小さな子供のいる女性がいたので、
「女性みんながあなたのように No を受け入れてもらえる健全な関係であればいいけれど、現実には、拒むことすら許されないような関係にあったり、そこから逃れられない女性もたくさんいる。同じ女性であるあなたが、想像力が乏しいがために、その人たちのことまで考えてあげられないことは、とても残念 。」と発言したら、
私に賛同してくれた女性や男性が考えをどんどんつなげていってくれた。
「ガイジン」の私が指摘すると、
「あ、やっぱりおかしかったんだ。」って気づくみたい。
人の苦しさを想像できない人は、どこの国でもいるのだ。
胎児であっても命があるのだから、堕胎してはいけないと
思うのは間違いではないけど、
それを人の人生に押し付けるのは、おかしい。
他人に、人の人生を決める権利が、なんであるんだ。
望まない妊娠で、母になりたくない人が
優しいお母さんになることは、もちろんある。
でも、悲しいことに虐待したり毒親になったりしても
堕胎反対論者は責任を取ってくれるわけではない。
生きながら苦しむ子供たちを、助けようともしないのに。
子供を持つかどうかは、男性にもそうだけど
特に、女性に決める権利があると思う。
ビル・イングリッシュ前首相(National党)は、
去年の選挙戦で堕胎が犯罪であることについて「特に問題ない」と言っていたが
ジャシンダは「犯罪であるのはおかしい。」と言って改憲する意思があると言ってた。
女性の権利は守られているようなイメージのニュージーランドだけれど、
よーく見てみると、結構おかしいとこがある。
だからいつもよーく見ているのが、大事。
移民として、この国に子供達を連れてきた以上、
環境を良くするために、
政治に関心を持ってできるだけ活動することは、
私自身は親としての責任だと思うし、
「お母さんがする、当たり前のこと。」のうちの一つ。
高いスマホや車を買ってあげることはできないけれど、
確固たる信念があることは、子供たち、みんな背中見てて感じ取ってくれている。
いや、もうみんなでかくなりすぎて
元大女だった母の背中を、見下ろしているな。
いい動きを、強くしよう。
広めよう。
すばらしい活動をしている人たち。
ジャシンダのこれからは、NZのためにいい風になるはずだから
とても楽しみ。
応援できることが、うれしい。